『気骨の判決』清永聡を読書。
翼賛選挙を無効とした裁判を紹介。読む価値あり。叔父から貰った本の一冊。
<背景>
・1938年国家総動員法公布、40年大政翼賛会結成、42年衆議院総選挙(翼賛選挙)。
・翼賛政治体制協議会は推薦候補者466人を立て、候補者に政府から選挙資金を提供。
・一方、非推薦候補者(片山哲、鳩山一郎、芦田均、三木武夫など)に対し、警察、軍人、教育機関などを利用し、様々な方法で選挙を妨害。
<裁判>
・選挙後、鹿児島2区の冨吉栄二、下村栄二などが選挙の無効を訴える。
・45年大審院(今の最高裁)で裁判官吉田久は選挙無効を下す。立法司法が独立性を失った中、唯一抵抗した判決。
・苦学し裁判官となった吉田は、貧富を問わず人の話を聞き、平等に手助けする人。戦後は貴族院議員として新憲法下の法改正に従事。法政大学で教鞭を執る。