『岩倉使節団という冒険』泉三郎を読書。
お勧め度:☆☆☆
<派遣前>
・岩倉は太閤鷹司に認められ天皇の近習に。条約勅許に反対し表舞台に。
・使節は条約不平等(関税自主権、治外法権)改正のため大隈が企画。
・派遣前は開明派(木戸※、井上、伊藤※、大隈)、保守派(岩倉※、西郷、大久保※、板垣)。※使節
・正使-岩倉、副使-木戸、大久保、伊藤、山口。
・明治4年11月横浜出航。津田梅子も同船。
<アメリカ>
・サンフランシスコで大歓迎を受ける。エレベータに驚き皆が乗った。
・広大な土地に驚く。土地を耕し、資源を採掘し、鉄道を引く、全て人の力である事を知る。
・ワシントンで国務大臣の歓迎を受け、予定外の条約改正に。大久保・伊藤が帰国。結局中止。
・明治5年7月ボストン出航。7ヶ月滞在。
<イギリス>
・ロンドン(電信局、郵便局)、リバプール(汽車工場)、グラスゴー(造船所)、ニューキャッスル(炭鉱)などを視察。
・使節のポケットマネーを預かっていた銀行が破綻。
・イーストエンドを視察。資本主義の貧富の差を知る。
・イギリスの科学技術の高さを知る。
・明治5年11月ドーバー海峡を渡る。4ヶ月滞在。
<欧州大陸>
・フランスに2ヶ月滞在。文化の高さを知る。
・この頃、木戸が保守派、大久保が開明派に変化。
・ベルギー、オランダ、ドイツを訪問。ドイツは中央集権が遅れた、植民地を持たないなど共通点を感じる。
・国内で井上と江藤が対立。木戸・大久保が帰国。
・ロシアを訪問。ロシアが絶対王政である事を知る。
・国土の広さからロシアが最強と思っていたが、間違いと感じる。
・イタリア、オーストリアなどを訪問。開削されて間もないスエズ運河を経由し、明治6年9月帰国。
<帰国後>
・征韓論で西郷らと対立。派遣組が勝って、西郷・板垣・後藤・江藤・副島が下野。
・内務卿→大久保、大蔵卿→大隈、工部卿→伊藤、外務卿→寺島、海軍卿→勝となり、大久保時代に。
・使節は科学技術と立憲政治を持ち帰った。日本近代化の起源。
・明治と戦後は共に外国の影響を受け変化。しかし明治は独立、戦後はアメリカ従属。