『ルポ 資源大国アフリカ』白戸圭一を読書。
著者は毎日新聞社でサハラ以南の特派員として勤務。5ヶ国の紛争を調査・分析。
アフリカは近代化により格差が発生、犯罪・紛争の坩堝に。
お勧め度:☆☆☆(アフリカの一面を知る事ができます)
○南アフリカ
・金、ダイヤモンドなどの鉱山がある。
・1991年アパルトヘイトを廃止。これにより黒人間の格差が拡大。また移動が自由になり、犯罪増加。
・経済成長で、近隣国から多数の黒人が不法入国。これも犯罪増加の要因。警察・入管の腐敗は常態化。
○ナイジェリア
・ニジェール川河口のデルタ地帯に油田がある。しかし石油産業は資本集約型で雇用を生まず、逆に環境問題が発生。
・反政府・反石油を掲げ、武装組織「志願軍」「解放運動」が蜂起。
○コンゴ
・東部に金、タンタルなどの鉱山がある。
・1994年隣国ルワンダで、フツ人政権がツチ人を大虐殺。ツチ人は政権を奪取。フツ人はコンゴに逃亡し、武装組織「ルワンダ解放民主軍」を結成。
・1998年カビラ大統領とツチ系「バニャムレンゲ」が内戦。2002年和平合意。
・内戦開始以降、国費は教育・保健に使われず、首都キンサシャはゴミの山。
○スーダン
・南部に油田がある。人権・民主主義を前提条件とする先進国は撤退、中国、インドなどの新興国が油田開発。
・西部(ダルフール)では、アル・バシル独裁政権と民主化を求める武装組織「解放軍」「正義と平等運動」が対立。
○ソマリア
・1991年以降、無政府状態。海賊やテロリストの根城。
・2006年イスラム原理主義(産油国が支援)と隣国エチオピア(米国が支援)が対立。