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『金融クライシス』田中直毅(2012年)を読書。

近年の世界経済を解説。私には難し過ぎた。

お勧め度:☆☆

○欧州
・グローバリズム、地域主義、国家主義で苦悩。オランダ、英国は自国の銀行を救済し、足並みが乱れた。
・壁崩壊による熱狂は終わった。東欧への融資が裏目。
・エンロン破綻は、米国のコーポレート・ガバナンスを挟んで、FRBとヘッジファンドが対抗。ヘッジファンドが勝利。
・21世紀ヨーロッパはアラビアと融合し、「ユーラビア」となる。
・EUの財政統合は遠い、ギリシャ問題には産業再生機構の設立が焦眉の急。

○米国
・オバマには、中国の軍事力への対応とTPPが重要。
・日米の低金利により、利益確保のため高金利の証券化商品が生まれた。投資銀行は流動性確保のため、持ち株会社になった。
・証券化商品の時価の復活により、自己資本の毀損が確定する環境が整った。
・2010年FOMCでQE2が決定。欧州の中央銀行総裁は批判。
・「アラブの春」を機に、米国は「世界の警察官」から降りた。

○新興国
・ロシアには、守旧派、改革保守派(プーチン)、近代化派(メドヴェージェフ)が存在。
・メドヴェージェフのシンクタンクは、『21世紀のロシア』を出版。そこには個人の関与の記述がない。
・インドの孤立を避けるには、州関税を撤廃し付加価値税を導入すべき。
・中国は民営化を進めるため、若者の雇用が増えない。
・中国は第11次5ヶ年計画で民進国退から国進民退に。また軍の発言力が増大。
・中国の政治は反腐敗と民族主義が軸。

○中東
・イランは経済制裁により若者の意識が変化。ウラン濃縮工程を移転すべき。
・「アラブの春」はQE2による食糧高騰とSNSによって起きた。

○日本
・外貨準備高は日本、中国に存在(FRB-ECB間にはスワップ協定があって無意味)。日本、中国が巨額なのは、自国通貨を安くしたため。
・社会保障には年金、医療、生活保護がある。自助・共助・公助を誤解するな。
・政治家の能力不足は外交・安保を米国に依存し、所得再配分に限定したため。
・特定郵便局や金融市場正常化のため、郵政民営化は必須。
・超円高になったのは、QE2で米国債が買われ、日米の金利差が縮まったため。

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