『永田町抹殺指令』鈴木文矢を読書。
守旧派によって嵌められた政治家を紹介。
お勧め度:☆☆
○権力構造
・総理大臣ではなく守旧派(米国、官僚、大手メディア、政治家)が権力を持つ。
・米国は年次改革要望書で内政干渉。エシュロンで個人監視。
・官僚では財務省が特に権限が強い。省益優先で、天下り確保に奔走。
・メディアの権力の本質はアジェンダ・セッティング(議題設定)。記者クラブが情報コントロール。
・内閣官房には機密費が存在。検察は守旧派の番犬。
○小沢一郎
・1969年初当選、田中派に所属、剛腕と呼ばれる。93年自民党を離党し新生党を結成、細川内閣を樹立。
・政治主導を掲げ官僚に敵視される。2009年西松献金問題で民主党代表を辞任。翌年陸山会事件で秘書逮捕。
・非自民政権を2度樹立した傑出した政治家。
○鳩山由紀夫
・2009年首相就任。東アジア共同体構想、普天間基地県外移設で米国に敵視される。実母からの資金提供問題もあり、10年総辞職。
○鉢呂吉雄
・2011年「放射能付けた」「死の町」発言で経産相を辞任。反原発志向が原発推進派の反感を買う。
○田中角栄
・1972年首相就任。資源外交でソ連・中国・東南アジアに接近、米国の反感を買う。74年金脈問題により総辞職。
・1976年ロッキード事件発生。5億円を受け取った田中は有罪、残りの16億円は不明、ロッキード側も無罪。
○鈴木宗男
・大学卒業後、中川一郎の秘書に。83年中川死去後、息子昭一と共に初当選。金丸、野中に師事。
・北海道開発庁長官として日ロ交渉を進展させるが、田中真紀子と共に外務省に葬られる。
○橋本龍太郎
・1996年首相就任。98年日ロ首脳会談で領土問題解決、米国は認めず。消費税アップ、参院選敗退で総辞職。04年日歯連事件発覚。
○経世会
・1989年竹下内閣はリクルート事件で総辞職。宇野、海部、宮澤内閣は経世会(竹下、金丸、小沢)の傀儡。
・92年経世会から羽田、小沢が分派。
・経世会(竹下、小渕、橋本)は叩き上げが多く、スキャンダルに刺された議員が多い。小渕が最後の首相。
・一方清和会(福田、安倍、森)はエスタブリッシュメントが多く、スキャンダルも少ない。近年首相を独占。
○中川昭一
・1983年初当選、農水相、経産相、財務相を務めた国士。米国による安保能力監視(核、戦闘機、衛星)に反論、米国に敵視される。
・2009年G7で米国債購入を拒否。酩酊会見により財務相辞任。
○石原慎太郎
・2014年米国で尖閣購入を宣言、親米に転換。石原新党は息子伸晃の総裁就任と引替えに自重。
○橋下徹
・大学卒業年に司法試験に合格、弁護士に。道州制による統治機構の改革が理念。官僚の反発を買い、出自問題や女性スキャンダルが発覚。