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『シュメル 人類最古の文明』小林登志子を読書。

イラクで興った人類最古の文明を解説。

お勧め度:☆☆☆(歴史好きに)

○メソポタミア
・メソポタミアはティグリス河とユーフラテス河に挟まれた地域。北部はアッシリア、南部はバビロニア。さらにバビロニアの北部はアッカド、南部はシュメル。
・前3500年頃シュメル人、アッカド人が都市文明を興す。ウルク、ウル、ニップル、ラガシュ、キシュ、アッカドなどの都市国家が興亡。
・アッカド王朝(前2334~2154)、ウルⅢ王朝(前2112~2004)がバビロニアを統一。
・バビロニアの洪水伝説は、旧約聖書に「ノアの大洪水」として記述。『ギルガメッシュ叙事詩』はウルク市の王の物語。

○文字
・前3200年頃古拙文字が誕生。古拙文字は約600種の楔形文字に発展。楔形文字はシュメル語、アッカド語、ヒッタイト語などの表記に使用。
・楔形文字は粘土板に記述。粘土板は約60万枚現存。多くが未解読。

○農業・畜産
・メソポタミアは両河の賜物。灌漑で大麦、ナツメヤシなどを栽培。羊を遊牧。農業書『農夫の教え』が現存。

○はんこ
・円筒印章には饗宴図、戦闘図などが彫られる。

○戦闘
・前2600年頃のウル王墓から多数の遺物が出土。「ウルのスタンダード」には戦闘の場、饗宴の場、神話の場が彫られる。
・前2500年頃ラガシュ市の「エアンナトゥム王の戦勝碑」が現存。

○法
・前2100年頃ウルⅢ王朝が『ウルナンム法典』を作成。「目には目を」ではなく銀による賠償を規定。『ハムラビ法典』はアモリ人のバビロンⅠ王朝(前1894年~)が作成。

○国際
・アッカド王朝はアッカド人のサルゴンが建国。常備軍によりメソポタミアを統一。
・シュメル人、アッカド人には中華思想があり、東のエラム人、西のアモリ人と戦う。

○教育
・ウルⅢ王朝の王シュルギは文字の読み書きができた。
・前2000年頃ウル市、ニップル市などに学校が存在。学校を題材にした『学校時代』などの文学作品が現存。ニップル市の図書館から『書名目録』が出土。

○神
・知と水の神エンキ、豊饒の女神イナンナ(ウルク都市神)、最高神エンリル(ニップル都市神)、戦の神ニンギルス(ラガシュ都市神)などがいた。

○滅亡
・王はジグラト(聖塔)や長城を建設。土壌の塩化により収穫量が激減。前2004年を最後にシュメル人国家が滅亡。

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