『日本に巣喰う4つの怪物』カレル・ヴァン・ウォルフレンを読書。
民主主義を脅かす怪物を解説。
怪物には4種類ある、政治の分析に3つの枠組み(観点かな)が有効など、日本人にはない感覚。
書かれている事は、日本人として理解しておきたい。
お勧め度:☆☆☆(翻訳なので文章が難しい)
○新時代
・自民党が政権復帰。日本が何処に向かうか、有権者に掛かっている。
・怪物には、明白な怪物(原発など)、不明確な怪物(人によって判断が異なる)、偽の怪物(作られた怪物、仮想敵国など)、隠れた怪物(大多数が認識していない脅威)がある。
・政治を分析する枠組みに、思想(理想かな)、制度(現実かな)、権力がある。権力はソ連崩壊、米国の信頼失墜など、一気に失われる事もある。
○メディア
・本来は政治家、官僚を監視するのが役割。しかし実際は秩序維持に努めている。日本を方向付ける最強の怪物。
・自己検閲や記者クラブで官僚に追従、「公式の現実」を構築。唯一の例外は公害問題の報道。
○安倍内閣
・特定秘密保護法は官僚(怪物)の権力を拡大するだけ。官僚の情報開示、説明責任は民主化の指標。
・首相は官僚のお飾り。例外は田中、中曽根、鳩山、安倍内閣。
・東アジア重視の新外交を目指す鳩山内閣(含む小沢一郎)は、米国、官僚に倒される。
・安倍内閣は戦前の「清らかな日本」の復活を望む。対抗勢力の野党が重要。
・金融緩和によるドル高で、米国の消費を支援。
・安倍内閣える右翼には反米と親米が半々。
・TPPは隠れた怪物。知的所有権やISD条項で恩恵を受ける者がいる。
・中韓外交の悪化は、日本の歴史未消化(知ってるけど触れない)が原因。
・憲法9条で不戦を宣言しているが、現実は異なる。これほど憲法改正しない国は珍しい。
・自国の課題に着手するため、独立国家である事を表明して欲しい。
○米国
・金権政治という巨大怪物が存在。金権政治とは富裕者が政治家になり、巨大企業がそれを支える。
・日本での政治家と建設業界の関係は金権政治ではない。日本は孤立しているため、彼らから逃れた。
・ソ連、ロシアという偽の怪物を作り、軍産複合体を拡大。
・ウクライナではネオコンにクーデターを起こさせ、親欧米政権を樹立。
・イラク、アフガニスタンに無関係のNATOを参戦させた。
・軍産複合体と金融システムが政治を支配。この状況は戦前の日本と類似。