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『チェチェンの呪縛』横村出(2005年)を読書。

チェチェン紛争の内容を知らなかったので読んだ。
欧州でテロが騒がれていますが、ロシアでは以前からあった。
チェチェンは空爆などで廃墟に。復興が大変。
10年前の著作だが、現状はそれ程変わっていないと思われる。

お勧め度:☆☆

○イングーシ共和国、北オセチア共和国
・イングーシはチェチェンの西隣りにあり、チェチェンの兄弟国。共に北カフカス地方にある。
・イングーシにはチェチェンから逃れた難民のキャンプが多数存在。ロシア軍やFSB(ロシア保安庁)は難民に対し連行や略奪を繰り返す。
・02年モスクワの劇場をチェチェン武装勢力が占拠。人質129人など犠牲に。
・04年北オセチアのベスランの学校をチェチェン武装勢力が占拠。人質334人など犠牲に。
・チェチェンに同情するリトアニア共和国に、チェチェンからEUに政治亡命する人を収容する施設がある。

○チェチェン共和国
・石油を産出するが、パイプラインの重要なルート。チェチェン人は温和で平等。宗教は土着信仰とイスラム教が融合した神秘主義(スーフィズム)。
・91年独立宣言、ドゥダーエフが大統領に。94年ロシアが軍事侵攻(第1次チェチェン紛争開始)。
・96年ロシアはドゥダーエフ大統領を殺害し和平。
・97年親ロ派マスハドフを大統領に選出するが、強硬派(武装勢力)バサエフが実権を握り二重構造。
・99年プーチン首相はチェチェンを空爆(第2次チェチェン紛争開始)。
・01年米同時多発テロ発生。プーチン大統領は米国のアフガニスタン攻撃を認める換わりに、チェチェン紛争をテロとの戦いとして認めさせる。
・ロシアの軍事行動もチェチェンの武装活動(前述)も共に激化。
・04年親ロ派カディロフ大統領が爆死。

○武装勢力
・コミュニティがヨルダン(露土戦争による)、カザフスタン(スターリンによる)などに存在。宗教面(ワッハーブ派)、資金面で武装勢力を支援。
・ロシアで成功したチェチェン人実業家も武装勢力を支援。
・チェチェン政権は親ロ派だが、武装勢力への協力者も多い。

○首都グロズヌイ
・病院には地雷で負傷した少女や武装勢力が入院。
・大学にはパソコンはあっても電気が通じていない。トイレは1つしかない。
・ロシアの内務省軍、国防省軍、FSBは縮小予定。
・難民帰還者に自宅再建の補助金が出るが、車を買うと言う。

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