『仮想通貨のホントの正体がわかる本』仮想通貨総研(2014年)を読書。
今年5月仮想通貨法が成立、ビットコインに少し興味を持ったので選択。
仮想通貨は、ある程度認知されているが、このまま普及するかは不確実。
お勧め度:☆☆(興味ある方の入門書)
○通貨
・通貨の特徴は①価値を測る尺度②持ち運び、交換に便利③保存が可能。
・家電販売店だと利益率は2%以下。1万円札は原価22円で利益率は99.8%。日銀は上場している民間企業。株式の55%を政府が保有、残りの株主は未公開。
・昔は金貨、銀貨を使用、次に金と交換が可能な金本位制に。1944年ドルを基盤とするブレトンウッズ体制に、71年ニクソンショックで金との交換を停止し管理通貨制度に。
・日本円は米国債で保障。日本の借金は1千兆円で毎年50兆円増加、その保障は個人資産1500兆円。
○仮想通貨
・仮想通貨のメリットは①海外送金が低コスト②国家破綻時の資産保全③世界的経済活動に便利。
・2008年中本哲志が論文を投稿、3ヶ月でシステム化。ビットコインは採掘され、総量2100万枚に限定。2010年取引所が設立され、通貨との交換が可能に。
・2011年闇サイトのシルクロードがビットコインでの決済を導入、ビットコインの価値が高まる。13年オンラインカジノの決済導入、キプロス金融危機、百度の決済導入で価値が100倍以上に。様々な企業がインターネットで決済を導入、価値が安定(GMO、楽天にも動き)。
・2014年最大取引所マウントゴックスが破綻するが影響少。ビットコイン信者が価値を支える。
・他にライトコイン、モナーコイン(2チャンネルから誕生)、オーロラコイン、リップル(借用書の交換)、エセリウム(契約書の交換)、ノーフィアットコイン等がある。
○問題点
・電子マネーSuicaはかなり普及。仮想通貨は土壌が未整備、利用できる店舗は日本で50店。
・マウントゴックスはハッキングで破綻(75万ビットコイン、預り金28億円、総額300億円盗難)。取引所はデイトレードのため仮想通貨、現金が集まり狙われる。
・政府・銀行からは敵対勢力で、何時規制されるか分からない。匿名性があるので司法にとっても厄介。
・利用前のチェックポイント①なぜ安い-リップルには公式と非公式がある②換金できるか③なくなっても痛くない範囲で。
○仮想資産
・ディーコインは現物カードでハッキング防止。初期は値上がりを期待する投資家、中後期は短期売買する投資家のため取引所が必要。中国には資産1億円以上が3億人存在、普及のカギは中国。
・昔は通貨の偽造は犯罪だったが、今は個人が通貨を発行できる時代。
○先駆者
・1千万円で買ったビットコインが4億円に。ボランティア財団への投資を考えている。仮想通貨で銀行は淘汰される。
・採掘は負けレース、デイトレードで儲ける。
・仮想通貨事業で1ヶ月で1億円以上の売上。将来はメガヨットを買いたい。
・日本でビットコインATMを設置、2020年までに500台導入を目指す。アフリカでは銀行口座は持っていないが携帯電話は持っている(ビットコインは使える)。
・人間は火を使い、その後蒸気、電気を使い、インターネットを使うようになった。仮想通貨も使いこなすだろう。