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『相続・遺言のポイント50』山下江を読書。

一般常識取得のため選択。遺言や相続税について学べます。
相続制度は複雑な制度ですね。

お勧め度:☆☆

キーワード:<相続手続とは>財産、期限、遺言、成年後見制度/不在者財産管理人/特別代理人、司法書士/税理士/弁護士/相続アドバイザー、<相続人の基礎知識>法定相続人、欠格事由/排除、<相続財産の基礎知識>損害賠償請求権、生命保険、<遺産分割の手続>遺産分割協議、特別受益、寄与分、祭祀財産、<遺言の手続>遺言/検認、遺贈、遺留分、<相続税の基礎知識>相続税/贈与税、税額控除、準確定申告、延納/物納、<生前贈与の手続>生前贈与/暦年課税方式/相続時精算課税方式

<相続手続とは>
・相続する「財産上の地位」(以下財産)には、現金/預金/株式/債権/土地/建物/借地権・借家権/動産などがあります。マイナスの財産も含まれます。ただし雇用契約/祭祀財産(墓地など)は含まれません。
・相続に関する手続には期限が付き物で注意して下さい。相続の承認/放棄は「相続の開始」(死亡)から3ヶ月以内です。被相続人が確定申告していた場合、「準確定申告」を4ヶ月以内にする必要があります。相続税の申告は10ヶ月以内です。

・「相続の開始」後、まず「遺言」を探して下さい。遺言は開封せず、家庭裁判所で「検認」して下さい。その後原則として財産は遺言に従って分割されます。
・相続人に「意思能力」がない人(認知症など)がいる場合、「成年後見人」が必要です。相続人に行方不明者がいる場合、「不在者財産管理人」が必要です。相続人に未成年者がいる場合、「特別代理人」が必要です。※様々なケースがある。

・相続の専門家御三家は司法書士/税理士/弁護士ですが、その役割は多少差があります。相続全体をサポートできるのが「相続アドバイザー」です。

<相続人の基礎知識>
・相続人には順位があります。「法定相続人」は配偶者と以下の順位の人になります。①被相続人の直系卑属②被相続人の直系尊属③被相続人の兄弟。「内縁の妻」には相続権がありません。「非嫡出子」(内縁の妻の子、愛人の子)の場合、認知されていたら相続権があります。
・相続人を確認するため「相続の開始」後、速やかに戸籍を確認して下さい。

・法定相続人が存在しない場合、財産は国庫に帰属します。ただし「特別縁故者」(内縁の妻、事実上の養子など)が申請/承認されれば、相続できます。
・法定相続人でも「欠格事由」(被相続人などの殺害を試みた。遺言を脅迫/変造/破棄/隠蔽した)があると相続できません。また被相続人を虐待した/著しい非行があるなどの場合は「排除」できます。

<相続財産の基礎知識>
・「損害賠償請求権」(慰謝料請求権など)は財産に含まれます。しかし生命保険の保険金は受取人に「保険金請求権」があるので、財産に含まれません。
・例:認知症の母の財産を長男が不当に使い込んでいた場合、次男は父から「損害賠償請求権」を相続できるので、それで長男に損害賠償を要求できます。

<遺産分割の手続>
・遺産相続では、相続人全員の合意が最優先されます。よって相続人全員の合意>遺言>法定相続分になります。※この章は財産ではなく、遺産になっている。
・「遺産分割協議」が終了しても、相続人の出入り/遺産の見落し/詐欺・脅迫などがあった場合、「遺産分割協議」は無効になります。
・「遺産分割協議」が成立しない場合、家庭裁判所により「遺産分割調停」「遺産分割審判」が行われます。

・裁判所は①遺産の事情②相続人の事情(年齢、生活の状況など)③その他の事情を考慮し遺産分割します。
・遺贈(遺言による取得)/生前贈与(持参金、不動産、学費、生命保険金など)があると不公平の相続になり、これを是正するのが「特別受益制度」です。計算式は「相続人の相続額=(遺産+生前贈与)×法定相続分-生前贈与・遺贈(特別受益)」です。
・被相続人の財産の維持/増加に寄与した場合、「寄与分」として取得できます。被相続人の家業への労務提供・資金援助/被相続人の療養介護などが「寄与分」に該当します。計算式は「相続人の相続額=(遺産-寄与分)×法定相続分+寄与分」です。

・相続には3種類あります。①単純相続②相続破棄③限定承認です。②相続破棄③限定承認を選択する場合、3ヶ月以内(熟慮期間)に申請する必要があります。
・法定相続人には「遺留分」があります。「遺留分」の破棄は被相続人の生前でも可能です。「遺留分」を破棄した場合でも、相続は可能です。※ややこしい。
・祭祀財産(墓地、家系図、神体、仏壇、位牌など)の相続は、その土地の習慣に従います。
・遺産分割で相続人全員が合意すると「遺産分割協議書」を作成して下さい。「遺産分割協議書」は詳細に記述します。

<遺言の手続>
・遺言には2種類「自筆証書遺言」「公正証書遺言」あります。遺産分割で遺言の内容が考慮されます。「自筆証書遺言」は、遺言者自身が日付/財産/押印します。「公正証書遺言」は公証人が遺言者から聞いて記述し、公証役場で保管します。
・自筆証書遺言を発見した場合、家庭裁判所で「検認」して下さい。

・特定の人に相続させたい場合、遺言に「遺贈」を記述します。「遺贈」には割合を指定する「包括遺贈」と、遺産を特定する「特定遺贈」があります。
・法定相続人(配偶者、直系卑属、直系尊属)には「遺留分」があります。「遺留分」は財産の1/2です(相続人が直系尊属のみの場合、財産の1/3。※残りは誰が相続?)。
・遺留分を侵害されている相続人は、「遺留分減殺請求」によって解消できます。「遺留分減殺請求」は1年以内に申請する必要があります。

・遺言に信任の置ける「遺言執行者」を指定する事も可能です。「遺言執行者」には財産管理/遺言執行などの一切の権限と義務があります。
・遺言は新しいものが優先されます。しかし古い遺言でも、新しい遺言に矛盾しない記述は有効になります。
・認知症の疑いがある場合、「公正証書遺言」を作成するのが望ましい。
・「エンディングノート」が流行っていますが、相続においては全く効力がありません。
・新しい制度に「家族信託」があります。「家族信託」は委託者/受託者/受益者から成ります。例:夫婦に子がなく、先祖代々の土地を妻(妻の親族)ではなく弟に相続させたい場合、受託者に弟/受益者に夫を指名します。これにより土地の名義が弟に変わり、夫婦の死後は弟が土地を所有します。※記述がないけど贈与税は掛からないの?

<相続税の基礎知識>
・相続した財産により相続税が掛かります。その表裏にあるのが贈与税です。2013年相続127万件中5万件(4.3%)に相続税が課されました。2015年法改正で「基礎控除」の引下げ/税率の引上げが成されました。
・「基礎控除=3千万円+600万円×法定相続人数」です。「税額控除」には暦年課税分の税額控除/配偶者の税額軽減/未成年者控除/障害者控除/相次相続控除などがあります。

・財産の評価方法は種別毎に決まっています。宅地は路線価方式/倍率方式で評価します。
・生命保険金/退職金は「500万円×法定相続人数」が非課税限度額になります。※お金に区別はないけど。可能なの?
・相続税額の計算手順は①課税価格の計算②課税遺産総額の計算(課税遺産総額=課税価格-基礎控除)③相続税総額の計算(相続税総額=Σ法定相続分×税率)④各相続人の相続税額の計算(相続税総額を課税価格で按分)です。

・被相続人が「確定申告」をしていた場合、4ヶ月以内に「準確定申告」を行ってください。これに従って所得税/消費税を納付します。
・相続税の申告/納税は「相続の開始」から10ヶ月以内に行ってください。申告を怠ると無申告加算税/重加算税/延滞税が課されます。
・様々な減税措置があります。配偶者の相続には「配偶者の税額軽減」が適用されます。小規模宅地の相続では大幅な減税を受けれる場合があります。相続した財産(土地、建物)をその後譲渡した場合、譲渡所得から相続税を取得費として減じる事ができます。

・申告期限内(※10ヶ月以内かな)に遺産分割が決まらない場合、法定相続分で一旦申告を行い、遺産分割決定後、修正申告して下さい。
・相続税を納付する現金がない場合、「延納」「物納」も可能です。

<生前贈与の手続>
・「生前贈与」は「暦年課税方式」では年110万円(基礎控除)以下であれば課税されません。
・「相続時精算課税方式」は、相続時に生前贈与と相続財産の総和から相続税を計算し、相続税から既に納付した贈与税額を減じる方式です。この方式では2,500万円の特別控除があります。※どの段階で「相続時精算課税方式」を宣言すれば良いのか?

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