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『親日国の世界地図』佐藤拓を読書。

世界各国の親日度を解説しています。
日本は西側を代表する国で、不戦の国なので、中韓以外は親日度が高いのは当然と思います。
また親日国であっても、実際は知らない/無関心なのでは。

終盤に日本の魅力度/観光力を解説しています。それを測る様々な指標があります。

お勧め度:☆

キーワード:<プロローグ>親日指数、<親日国トップ6>インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、台湾、マレーシア、<世界の親日国>○アジア-ミャンマー、シンガポール、インド、香港、ラオス、パキスタン、カンボジア、モンゴル、ブルネイ、○中央アジア・コーカサス-ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アゼルバイジャン、○大洋州-オーストラリア、ニュージーランド、○中東・アラブ-トルコ、エジプト、イスラエル、○欧州-仏国、ポーランド、英国、スペイン、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、オーストリア、スウェーデン、○アフリカ-ナイジェリア、ケニア、ガーナ、南アフリカ、○米州-日系人、カナダ、ブラジル、コロンビア、メキシコ、チリ、アルゼンチン、トリニダード・トバゴ、<米国、中国、韓国、ロシアの対日感情>日米安保条約、北方四島、<日本の魅力度>GDP、国際競争力、メイド・イン、科学論文、学力、軍事力、安心安全、腐敗、報道、男女格差、医療、幸福、<日本観光の魅力>世界遺産、美食、ホテル、空港、観光スポット、<エピローグ>日本ブランド

<プロローグ>
・日本周辺には北朝鮮/尖閣/南シナ海の問題があり、世界にはクリミア半島/テロ/移民排斥などの問題があり、世界は安定していません。日本が平和で繁栄するには、「親日国」を増やすのが方策です。

・親日/反日となる要因には以下があります。①アジア・太平洋戦争②平和外交③経済大国-敬意となる④経済・技術支援-効果大⑤技術・製品の信頼⑥日系人⑦日露戦争-ロシア隣国に影響大⑧歴史的事件-トルコ「エルトゥールル号」など⑨皇室外交。

・本書は親日度(親日指数)を6段階に分けます。
 (5)絶対的な親日国-国民の8割以上が親日派。
 (4)かなりの親日国-国民の7割以上が親日派。
 (3)親日国-国民の5割以上が親日派。
 (2)友好国-国民の5割以下が親日派。
 (1)中立的友好国-親日派が反日派より多い。
 反日国-反日派が親日派より多い。

・「親日/反日感情は流動的」「親日国でも外交問題は存在する(台湾との漁業権問題など)」「親日国なので旅行は安全とならない」などに留意して下さい。

<親日国トップ6>
・「(5)絶対的親日国」は、インドネシア/ベトナム/フィリピン/タイ/台湾/マレーシアの6ヶ国です。これらの国はアジアに集中しています。アジア・太平洋戦争(以下大戦)で日本の侵略を受けましたが、戦後の平和外交/経済援助で親日に変わりました。

・ASEAN10ヶ国を見ると、ブルネイを除く全ての国が日本を信頼しています。しかしG20で最も信頼する国は、中国5ヶ国/米国3ヶ国(ミャンマー、フィリピン、シンガポール)/日本2ヶ国(ベトナム、インドネシア)です。※なんの事はない、中国が一番信頼されているのか。華人の影響かな。
※①日本を信頼する国民の割合、②G20で最も信頼する国、③主要国が世界に与えている影響、この3つの指標は頻出します。

・「インドネシア」は大戦で被害を被ったが、ODAなどによる経済援助により「(5)絶対的親日国」になった。また日本がインドネシアの独立に、伍して戦ったのも要因です。
・大戦後各国に日本兵が残留し、独立/内戦を戦った(中国5600人、インドネシア900人、ベトナム600人、マレーシア400人など)。※中国は多いな。国民党/共産党どっちだ。ソ連が日本軍の武器を共産党に渡した話はあるが。
・1951年「サンフランシスコ講和会議」でセイロン(スリランカ)代表が「日本を尊敬し、その独立を望む」と演説している。

・「ベトナム」は共産主義国で市場経済を導入するなど、中国と同じ路線を歩んでいます。しかし常に中国の脅威に晒されており、反中/親日です。
・「フィリピン」は大戦で米国によって日本から解放されました。しかし日本の長期間の経済援助により「(5)絶対的親日国」です。しかし「G20で最も信頼する国」は米国75%/日本12%です。「大戦での嫌悪感」は、36%(1997年)-33%(2002年)-27%(2008年)と徐々に減少しています。※これでも親日国トップ6なの。

・「タイ」も「(5)絶対的親日国」ですが、「G20で最も信頼する国」は中国35%/日本34%です(※これでも親日国トップ6なの)。大戦中タイは独立していたため、対日嫌悪感は低い。またタイはASEANで日本の直接投資が一番多い国です。※タイへの企業進出はよく聞くな。

・「台湾」で「好きな国」はシンガポール87%/日本84%/カナダ83%となっています。日本は50年間台湾を統治したが、朝鮮と異なり日本を恨む声は少ない。それは大陸から逃れた国民党が本省人(以前から台湾に住んでいた人)を弾圧したためです。
・台湾・台南市に「鳥山頭ダム」を建設した「八田与一」の銅像が立つ。

・「マレーシア」も「(5)絶対的親日国」ですが、「G20で最も信頼する国」は中国29%/日本19%/米国17%です。ベトナム/フィリピンは嫌中感情が強いが、タイ/マレーシアは親中感情が強い。これはマレーシア国民の24%が華人のためです。「マハティール首相」は日本を見習う「ルック・イースト」政策を推し進めた。

<世界の親日国>
○アジア
・「日本を信頼する理由」をASEANで調査すると、「経済関係」69%/「価値の共有」59%/「世界経済への貢献」57%/「開発協力」50%などで、経済面が重要です。

・「ミャンマー」は「(4)かなりの親日国」ですが、「G20で最も信頼する国」は米国34%/日本27%/中国14%です。国民は日本の科学技術/経済に関心を持っています。
・「シンガポール」は「(4)かなりの親日国」ですが、「G20で最も信頼する国」は米国28%/中国24%/英国7%/オーストラリア7%/日本5%です(※日本は単に信頼されているだけで、頼りにされていない)。シンガポールの華人比率は突出しており、53%が華人です。
・「インド」は「(4)かなりの親日国」です。「G20で最も信頼する国」でも日本46%/ロシア23%/米国13%です。しかし英国BBCによる「主要国が世界に与えている影響」(以下「世界に与えている影響」)で、日本は「好影響」45%/「悪影響」17%で、それ程良くない。
・インドにはインパール作戦で日本と共に戦った「チャンドラ・ボース」がいる。また東京裁判で「パール判事」は、A級戦犯の無罪を主張した。

・1997年「香港」は中国に返還されたが、2017年の調査で「中国が好き」は1/3に満たない。一方「日本が好き」は1番目で約6割です。
・「ラオス」は「(3)親日国」ですが、「G20で最も信頼する国」は中国17%/日本14%/その他39%です。ラオスは社会主義国で前質問の「その他」はベトナムと考えられる。
・「パキスタン」は「(3)親日国」ですが、インドと対立している関係から親中です。「世界に与えている影響」で、中国は「好影響」63%に対し、日本は「好影響」38%です。
・「カンボジア」は「(3)親日国」ですが、「G20で最も信頼する国」は中国22%/日本14%です。カンボジアは度々ベトナムと戦火を交えています。※日本より中国の国は多い。
・「モンゴル」は旧ソ連陣営のため反日でしたが、1992年民主化後に日本が最大の援助国になり、「(3)親日国」になった。しかし「ベストパートナー」はロシアが67%で圧倒的です。

・「ブルネイ」は「(2)友好国」です。これは大戦での影響が大きいと思われます(※石油か)。ちなみに「G20で最も信頼する国」は中国24%/日本14%です。
・バングラデシュ/スリランカ/モルディブ/ネパール/ブータンも親日国です(※データがない場合、親日指数を省略)。ブータンの農業に貢献した人に、「西岡京治」がいる。

○中央アジア・コーカサス
・カスピ海を挟んで、東に中央アジア5ヶ国、西にコーカサス3ヶ国がある。この地域はロシアを最も信頼する国が多く、日本に対しては「(2)友好国」が多い。中国は「一帯一路」を進めているが、信頼感はまだ醸成されていない。

・「ウズベキスタン」は「(3)親日国」です。これはソ連による抑留者の勤勉/責任感が影響していると思われる。
・「カザフスタン」は「(3)親日国」です。カザフスタンは地下資源に恵まれ、中央アジアで経済規模が最も大きい。

・「キルギス」は「(2)友好国」です。キルギスにはキルギス人と日本人の兄弟伝説がある。※日本人はモンゴル人とは似ているな。
・「タジキスタン」は「(2)友好国」です。日本は多額の経済援助をしているが、AIIBの最初の融資対象になった。
・「アゼルバイジャン」は「(2)友好国」です。アゼルバイジャンは石油を産出し、日本企業も油田開発している。※バクーだな。

・ジョージアは親日国です。反露からジョージア/ウクライナ/アゼルバイジャン/モルドバは「GUAM機構」を作っている。
・トルクメニスタンは友好国です。2013年国連で認められた唯一の永世中立国です。※スイスは?
・アルメニアは友好国です。1915年「ダイアナ・アプカー」は日本で「アルメニア人大虐殺」を救済した。※知らない話だ。

○大洋州
・「オーストラリア」は大戦で犠牲者を出し、対日感情は悪かったが、今は「(4)かなりの親日国」です。しかし「重要なパートナー」は1番目中国/4番目日本です。
・「ニュージーランド」も「(4)かなりの親日国」です。しかし「重要なパートナー」は1番目オーストラリア/2番目中国/5番目日本です。

・大洋州は上記以外にパプアニューギニアなどがある。ミクロネシア連邦/マーシャル諸島/パラオは日本が委任統治したため、親日派/反日派が混在する。しかし経済援助により親日国が多い。またミクロネシア連邦/マーシャル諸島/パラオは、何れも初代大統領は日系人です。

○中東・アラブ
・「トルコ」は「(3)親日国」です。しかし「世界に与えている影響」で、ドイツ「好影響」71%/日本「好影響」50%で大きく離されています。
・1889年オスマン・トルコ帝国の軍艦「エルトゥールル号」が和歌山県沖で沈没しました。地域の住民が69名を救助しました。トルコ人の3割が、この話を知っています。
・「エジプト」は「(3)親日国」です。日本はアラブの盟主をエジプト/サウジアラビアと考え、エジプトに経済援助しています。「G20で最も信頼する国」はサウジアラビア26%/ロシア12%/日本9%です。※高いのか低いのか?
・「イスラエル」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、米国「好影響」60%/英国「好影響」50%/日本「好影響」43%で3番目です。大戦でのドイツとの同盟/テルアビブ空港事件/杉原千畝など複雑な歴史があります。

・サウジアラビアは親日国です。「世界に与えている影響」で、中国「好影響」54%/日本「好影響」42%です。日本の原油依存は、サウジアラビア37%/アラブ首長国連邦(UAE)24%です(※両国で6割超)。
・UAEは親日国です。「世界に与えている影響」で、中国「好影響」66%/日本「好影響」60%です。※原油を依存する両国で、日本より中国を評価。
・レバノンは親日国です。内戦により人材が流出しています。「カルロス・ゴーン」の両親はレバノン出身です。
・イラクは親日国です。「世界に与えている影響」で、中国「好影響」55%/日本「好影響」54%です。
・アフガニスタンは親日国です。「世界に与えている影響」で、米国「好影響」72%/日本「好影響」65%です。タリバン政権崩壊後、日本は巨額の援助をしています。

・イランは友好国です。「世界に与えている影響」で、中国「好影響」66%/日本「好影響」57%です。日本の原油依存は4番目です。

○欧州
・「仏国」は「(4)かなりの親日国」です。「世界に与えている影響」で、ドイツ「好影響」79%/日本「好影響」74%です。
・日本文化である武道(柔道、空手、合気道など)の競技人口が世界で増えています。武道には師弟関係があり、これにより親日派が増えている。

・「ポーランド」は「(3)親日国」で、「G20で最も信頼する国」は米国23%/日本15%です。ポーランド/チェコ/スロバキア/ハンガリーは「ヴィシェグラード・グループ(V4)」を作っています。
・第1次世界大戦の時、15~20万人のポーランド人がシベリアに流刑されました。ロシア革命の混乱で多くのポーランド人が亡くなり、孤児が溢れました。「シベリア出兵」していた日本は赤十字社が中心になり、1920年375人/1922年390人の孤児を保護し、帰国させました。※どこかで聞いたような。チェコスロバキア軍とは別の話だな。
・大戦4日前、杉原千畝はリトアニア領事館に就きました。大戦が始まるとポーランドから多数のユダヤ人が避難してきました。彼は外務省の指示を無視し、6千人のユダヤ人にビザを発給しました。

・「英国」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、カナダ「好影響」94%/ドイツ「好影響」84%/仏国「好影響」66%/日本「好影響」65%です。日本は地球温暖化対策で欧州と同調していますが、ウクライナ問題ではロシアへの制裁を緩めています。
・「スペイン」は「(3)親日国」です。歴史上、日本が最初に出会った欧州の国です。
・「ドイツ」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、2009年(福島原発事故)/2013年(韓中関係の悪化)で「悪影響」が「好影響」を逆転しています。またドイツは親中とされるが、政府と国民が一致しているとは限らない。

・「ギリシャ」は「(3)親日国」です。近年中国が欧州向け輸出の拠点にしていますが、国民の1/4は快く思っていない。
・「イタリア」は「(3)親日国」です。しかし日本/ドイツ/インド/ブラジルが国連の常任理事国入りを目指していますが、それを阻止しようとしています。
・「ポルトガル」「オーストリア」は「(3)親日国」です。近年オーストリアでは日本文化のブームが起きています。

・「スウェーデン」は「(1)中立的友好国」です。「対日親近感」で「親しみを感じる」15%/「親しみを感じない」69%でこの結果になりました。※要因は何だ?

・ハンガリー/ルーマニア/ブルガリア/チェコ/スロバキアは、かなりの親日国です。ハンガリー/ルーマニア/ブルガリアは大戦では枢軸国でした。日本はV4(前述)に積極的に経済援助しています。

・オランダは親日国です。1971年昭和天皇が訪問した時、生卵/魔法瓶が投げつけられました。これは大戦で日本にインドネシアを奪われたためです。※オランダの重要な植民地だからな。
・フィンランド/ベルギー/スロベニアは親日国です。フィンランドでは日露戦争での日本の勝利に国中が沸きました。スロベニアでは日本文化への興味が高まっています。

○アフリカ
・アフリカはかつては欧州の旧宗主国との繋がりが強かったが、今は中国が台頭しています。日本は主要援助国ですが、存在感は薄れつつある。

・「ナイジェリア」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、中国が「好影響」83%で1番目、日本は「好影響」57%で5番目です。ナイジェリアは人口/GDP/原油産出でアフリカ最大です。
・「ケニア」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、英国が「好影響」69%で1番目、日本は「好影響」58%で6番目です。日本とケニアは伝統的に結び付きがありますが、近年は親近感が薄れています。
・「ガーナ」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、英国が「好影響」78%で1番目、日本は「好影響」59%で7番目です。ガーナには「野口記念医学研究所」があり、西アフリカで基礎医学の研究拠点になっています。
・「南アフリカ」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、英国が「好影響」65%で1番目、日本は「好影響」41%で5番目です。南アフリカはアフリカで2番目のGDP大国です。

・セネガル/タンザニア/コンゴは親日国です。セネガルから日本にバスケットボールの留学生が来ています。日本はタンザニアでは2番目の援助国で、捕鯨問題/常任理事国入りで日本を強く支持しています。
・ジンバブエは友好国です。「世界に与えている影響」で、「どちらでもない/分からない」が63%もいました。

○米州
・世界に日系人は380万人います。その大半が米州です(ブラジル190万人、米国130万人など)。日系人は対日感情に大きく影響します。中南米で日系人は、勤勉・能率的/親切・礼儀正しいと見られています。

・「カナダ」は「(4)かなりの親日国」です。「世界に与えている影響」で、日本「好影響」77%で1番目です。
・「ブラジル」は「(4)かなりの親日国」です。「世界に与えている影響」で、日本「好影響」70%で1番目です。日系人190万人はブラジル人口の1%に満たないが、大臣/司令官/実業家/スポーツ選手/芸術家/芸能人などを輩出しています。※先日ランドスケープ・アーキテクト「中村ひとし」を読んだ。
・「コロンビア」は「(4)かなりの親日国」です。日本との貿易は僅かですが、親近感は非常に強い。

・「メキシコ」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、日本「好影響」59%で1番目です。日本から中南米への最初の移民は、1897年メキシコが最初です。※TPPにメキシコ/チリ/ペルーが参加している。
・「チリ」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、米国が「好影響」73%で1番目、日本は「好影響」66%で2番目です。チリは鉱物資源/水産資源が豊富で、日本は主要援助国です。

・「ペルー」は「(2)友好国」です。「世界に与えている影響」で、日本「好影響」56%で1番目です。日系人アルベルト・フジモリが大統領に就きましたが、対日感情はそれ程芳しくない。
・天野芳太郎はペルーで財を成し、大戦で全財産を没収されますが、プレ・インカの「チャンカイ遺跡」を発掘しています。
・「アルゼンチン」は「(2)友好国」です。「世界に与えている影響」で、日本は「好影響」43%/「悪影響」16%です。「日露戦争」開戦前に軍艦2隻を譲ってもらった歴史があります。
・「トリニダード・トバゴ」は「(2)友好国」です。「対日親近感」で「分からない」が35%もいます。

・ボリビアは、かなりの親日国です。二国間ODAの総額は、ペルー/ブラジル/パラグアイに次いで4番目です。
・中米(グァテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ)は友好国です。近年中国の投資が活発化し、中国の評価が高くなっています。

<米国、中国、韓国、ロシアの対日感情>
・「米国」は「(3)親日国」です。「世界に与えている影響」で、日本は「好影響」65%/「悪影響」23%です。貿易不均衡により対日感情が悪化する時期(1992~95年)がありました。米国は欧州諸国を信頼する傾向にあります。「日米安保条約」については、「維持」81%、「日本は防衛力を強化すべき」59%となっています。

・「中国」は「反日国」です。「世界に与えている影響」で、日本は「好影響」22%/「悪影響」75%です。しかし90年代半ばまでは、日本の肯定派が多数でした。1995年段階では、「好印象」53%/「悪印象」38%でした。悪化した原因は「天安門事件」以降、民主化から国民の目を逸らすため、反日に誘導したためです。2013年「尖閣問題」で急激に悪化しています。「悪い印象の理由」は「侵略の歴史を謝罪・反省しない」64%/「尖閣諸島の国有化」61%などです。

・「韓国」は「反日国」です。初代大統領李承晩は国を纏めるため反日政策を取りました。それが韓国政治の伝統になっています。2000年代前半、韓国ドラマ/Kポップス/サッカーW杯により「雪解けムード」の時期がありました。近年対日感情は徐々に改善しています。「悪い印象の理由」は中国と同様で、「侵略の歴史を反省しない」81%/「独島問題」71%です。
・衝撃的なデータがあります。「好感」を調査すると、全年代では「好感」30%ですが、10代では「好感」79%です。※彼らは2000年世代かな。

・「ロシア」は「(2)友好国」です。日本は「日ソ中立条約」破棄/シベリア抑留/北方領土問題/クリミア編入で「親しみを感じない」が77%に達します。一方ロシアの対日信頼度は「信頼できる」が52%です。「世界に与えている影響」で「好影響」45%ですが、徐々に減少しています。
・北方四島の帰属は「日本に返還」は1%しかいません。ロシアの「友人」はベラルーシ46%/中国39%で、「敵」は米国69%/ウクライナ50%です。

・日本から米国/中国/韓国/ロシアへの「親近感」の40年間の推移を見ると、中国は79%(1980年)-17%(2016年)と極端に低下していますが、残りの3ヶ国は上昇傾向にあります。※中国脅威論だな。

<日本の魅力度>
・日本のGDPは3位ですが、「1人当たりGDP」は22位です。
・「国際競争力」の指標である「世界経済フォーラム(WEF)」の「国際競争力レポート」で、日本は8位です。同じく「国際競争力」の指標であるスイス「国際経営開発研究所(IMD)」の「世界競争力年鑑」で、日本は22位です。※WEFは「ダボス会議」を開いている。
・経済誌「フォーブス」が「ビジネスに最適な国」を発表しています。日本は38位で、項目別では「イノベーション」6位/「非官僚主義」72位などです。米ペンシルバニア大学/広告代理店Y&Rの「起業家にとって最高の国」で、ドイツに次いで僅差の2位です。※日本での起業は融資面で不利と思ったが、技術面が補ったのかな。

・ドイツの調査会社による「メイド・イン」で、1位ドイツ/2位スイス/3位英国/8位日本です。ドイツの調査会社による「国家のブランド価値」で、1位米国/2位ドイツ/3位英国/7位日本です。※日本低いな。ドイツの手前味噌か。
・「科学論文数」で、1位米国/2位中国/3位ドイツ/5位日本です。「トップ10%補正論文数」(被引用数)で、1位米国/2位中国/3位英国/10位日本です。
・15歳が対象の「国際学力テスト」で、日本は「科学的リテラシー」2位/「読解力」8位/「数学的リテラシー」5位で、日本の中学生は優秀です。「世界の大学ランキング」で、東京大学28位/京都大学36位です。

・「総合軍事力ランキング」で、1位米国/2位ロシア/3位中国/7位日本です。
・「国のために戦うか」(対象63ヶ国)で、日本は「戦う」11%/「戦わない」43%/「分からない」47%で、「戦う」は対象国で最低で、「分からない」は対象国で最高です。※日本は安保に無関心。

・国連の「殺人発生率」(対象206ヶ国)で、日本は200位です。地震/台風/洪水/干ばつ/海面上昇を対象とする国連の「世界リスク評価」は、「自然災害の可能性」4位/「リスク評価」17位です。
・「交通事故死亡者数」(対象52ヶ国)で、日本は13位で依然多い。「労働災害死亡者数」(対象31ヶ国)で、日本は20位で多い。※労災は多いんだ。これは意外。
・WHOの「うつ病発症率」(対象183ヶ国)で、日本は106位で中位です。WHOの「自殺者数」(対象183ヶ国)で、日本は18位で自殺者が多い。

・国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」の「腐敗認識指数」(対象176ヶ国)で、日本は20位で欧州より劣るが、清廉と云える。
・米国務省の「人身売買報告書」(対象184ヶ国)で、日本は4段階のレベル2です。これはJKビジネス/AV出演強要が要因です。
・国際NGO「フリーダム」の「報道の自由度」(対象199ヶ国)で、日本は48位です。これは「記者クラブ制度」がマイナス要因です。同団体による「社会の自由度」(対象195ヶ国)で、日本は15位です。
・「世界経済フォーラム」の「ジェンダー・ギャップ指数(GGI)」は、経済/教育/政治/健康の4分野で男女格差を指数化しています。主要43ヶ国で日本は40位で最下位レベルです。国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」の「母親指数」で日本は32位で、先進国で最下位レベルです。※乳幼児保育の問題かな。

・「外国人が暮らしやすい国」(対象65ヶ国)で、日本は40位です。項目別では「安全」2位/「教育」5位/「言語」62位/「仕事と生活のバランス」65位(最下位)などです。
・「年金受給者生活水準ランキング」(対象43ヶ国)で日本は22位です。項目別では「健康」6位/「物質的豊かさ」12位/「生活の質」22位/「引退後の財政」26位です。
・「医療の質」(対象195ヶ国)で、日本は11位です。「死の質」(対象80ヶ国)で、日本は14位です。項目別では「緩和ケアと保健医療環境」14位/「人材」16位/「経済負担」17位/「ケアの質」16位/「地域の協力体制」5位です。

・「世界最高の国」(対象80ヶ国)で、日本は4位です。このランキングは文化的影響力/市民権/冒険/起業家精神/歴史的遺産/原動力/ビジネスのオープン度/パワー/生活の質から算出されています。
・「世界で最も繁栄している国」で、日本は22位です。このランキングは経済/ビジネス環境/政府/教育/健康/安全・防犯/個人の自由/社会資本/自然環境から算出されています。

・「世界幸福度報告書」の「幸福度ランキング」(対象155ヶ国)で、日本は51位です。このランキングはGDP/健康寿命/社会支援/人生選択の自由などから算出されています。
・日米中韓露の「幸福な国民の割合」で、1位中国/2位米国/3位日本/4位ロシア/5位韓国です。その元となった69ヶ国で、中国は「幸福」81%で6位、日本は「幸福」59%で38位です。※ホントかな。

<日本観光の魅力>
・格安航空会社(LCC)/「クール・ジャパン」などにより、訪日外客数は861万人(2010年)-2404万人(2016年)と急増した。外客数の世界ランキングは16位で、トップの仏国の約1/3です。政府目標は4千万人(2020年)です。
・訪日外客数を国別で見ると、中国27%/韓国21%/台湾17%などで、2大反日国でほぼ半数に達します。2013年の順位は韓国/台湾/中国の順であったが、その後中国が急増した。※2012年9月尖閣諸島を国有化。
・2015年旅行収支(宿泊費、飲食費など)が黒字化しています。これに貢献したのが、外客数を急増させた中国です。

・「1人当りの旅行費」は、オーストラリア25万円/中国23万円/ロシア20万円などです。「宿泊日数」は、仏国15日/オーストラリア13日/英国12日などです。韓国は「1人当りの旅行費」7万円/「宿泊日数」3日で、国内旅行の延長に近い。
・訪日目的は国によって大きく異なります。香港は「観光」89%/「ビジネス」9%、台湾は「観光」84%/「ビジネス」11%で観光目的が多い。一方インドは「観光」14%/「ビジネス」74%、ベトナムは「観光」36%/「ビジネス」42%でビジネス目的が多い。

・「世界経済フォーラム(WEF)」の「旅行・観光競争力報告書」で、日本の競争力は4位です(※随分高いな)。項目別では「文化資源・業務旅行」4位、「価格競争力」94位などです。ちなみに1位スペイン/2位フランス/3位ドイツです。
・日本の「世界遺産」は21件(文化遺産17件、自然遺産4件)で、世界12位です。1位イタリア53件/2位中国52件/3位スペイン46件です。※この順位納得。イタリアはローマとルネサンス/中国は4千年と自然/スペインはイスラムとカトリック。

・美食レストランの格付け「ラ・リスト」で、日本は2位「京味」(和食)/4位「久兵衛」(和食)/9位「ジョエル・ロブション」(フレンチ)がトップ10に入っています。※観光客がここで食事するかは疑問だ。
・宿泊予約サイト「ホテルズ・ドット・コム」の「ベストホテル・アワード」の「高評価のホテル」(アジア・大洋州に限定)で、日本は48軒で1位です。都市別に見ると3位東京18軒/7位京都9軒/9位大阪6軒です。※観光客がここに泊るかは疑問だ。
・「世界空港格付け」で、2位羽田空港/7位セントレア(中部国際空港)/12位関西空港となっています。※日本の空港は評価が低いと思っていたが、勘違いだな。
・「ワールド・ベスト・シティズ」で、京都が4位に入っています。ちなみに1位は「サン・ミゲル・デ・アジェンデ」(メキシコ)です。「トラベラーズ・チョイス・アワード」の「観光スポット」で、23位伏見稲荷(京都)が入っています。ちなみに1位は「アンコールワット」(カンボジア)です。

・観光庁の訪日外客に対する「期待していた事」は、「日本食」74%/「ショッピング」60%/「自然・景観」55%/「街歩き」45%/「温泉」34%などです。これらに対し8割以上が満足しています。
・観光庁の「また来たい」は、世界全体で「必ず来たい」57%/「来たい」36%です。※満足されたようだ。
・観光庁の「訪日回数」は、香港/台湾は初来日が約2割、4回以上が約5割で、複数回訪日しています。一方距離が離れた欧州諸国は初来日が約8割です。

<エピローグ>
・日本人が海外に出ると、一目置かれる事が多い。これは先人が高い技術/優れた工業製品で日本を経済大国にしたためです。しかし近年、企業の不祥事が相次ぎ、先人が築いた日本への信頼が揺らいでいる。これを正し、「日本ブランド」を進展させる必要がある。

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