『ジリ貧大国ニッポン』福岡政行(2017年)を読書。
2025年の世界を予想しています。政治・経済・国際・社会など大変広範囲で、提言もされている。
日本は少子高齢化/巨額公的債務で、お先真っ暗である。
根本はネット社会による孤立化の批判です。
お勧め度:☆☆
キーワード:<1丁目1番地に2つの難問>後期高齢者、国債、消費税、人口減少/デフレ/非正規雇用、<シュリンクする日本>人口減少、社会保障費、認知症、介護施設、シングルマザー、赤ちゃん、平均寿命/健康寿命、未婚、<加速するビンボー>社会保障費、消費税アップ、年金基金、超格差社会、非正規労働者、公営住宅、三大負の大国、<東京一極肥満>首都圏、準集中都市、強制合併、農業人口、<日本の政治>自由民主党、民進党、公明党、共産党、人材不足、松下政経塾/資格試験、選挙制度、憲法改正、自衛隊、天皇制/深い反省、<米国、ロシア、中国はどうなるか>超格差社会、プーチン、反グローバリズム、中華思想、統一国家、東南アジア、ISテロ/難民、<AI/IoT時代で人間失業へ>ロボット、ニンゲンレス、テレビ、新聞社、デパート、大学の倒産、ネット授業、飲み屋、男女関係、<スポーツ界>プロ野球/高校野球、サッカー、相撲、ゴルフ、東京オリンピック、<残る職業・商売>5つの力、デリバリーネットワーク、アニメ、検索/ランキング、ネットカフェ、孤独、<へんてこな時代>マイルーム、フリースペース、イクメン、スマホ、失敗・挫折、<ライフスタイル>コンビニ、エキナカ、葬式、結婚式、<どうすれば良いのか日本>安眠死研究所、介護シルバーケアセンター、シルバーシェアマンション、集合シングルシルバー介護住宅、防犯カメラ、区分道路、運転免許、公務員半減、触れ合い広場、シルバー有償ボランティア、クーポン券、原発ゼロ、<2025年問題の2つの問題点>人間性、<どんな時代でも大切なもの>文殊の知恵、触れ合い
<はじめに>
・「日本は大丈夫なのか」「生き残りのターニングポイントでは」などの言葉をよく聞く。そこで2025年日本がどうなっているかを書いた。2025年は団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になる年であり、10人中3人が高齢者(65歳以上)になる年である。
<1丁目1番地に2つの難問>
○後期高齢者の激増
・2025年は団塊世代が後期高齢者になり、医療費が増大する。後期高齢者は”オールドオールド”だが”ダブルド”と略す。また高齢者による交通事故や認知症の問題もある。※本書はやたら片仮名が使われるが、極力漢字に直します。
・2025年高齢者は3800万人/後期高齢者は2300万人となる。後期高齢者の医療費は年100万円で、後期高齢者と高齢者の医療費は35兆円に達する。国民全体では55~60兆円になるだろう。
・国の借金は1000兆円を越えている。国の歳入の1/3(35兆円)は国債で、その返済/利払いは25兆円に達している。まさに”自転車操業”である。
・そのためには消費税を20~25%に上げるしかない。20%なら地方分を差し引いて40兆円が残り、25%なら50兆円が残る。年金/医療費/生活保護に充てられるのであれば、我慢するしかない。ただし食料品は税率を、半分かゼロにする。
○日銀総裁の「日本国債はもうだめ」発言
・2015年2月「経済財政諮問会議」で黒田日銀総裁から「日本国債はダメ」発言が出る。2013年4月量的・質的金融緩和が始まり、2014年10月ETF買取などの追加緩和が行われたが、効果は表れていなかった。2014年12月ムーディーズは日本国債の格付けを”Aa3”から”A1”にダウンさせていた。この状況下で黒田発言がなされたが、黒田発言は記録から削除された。
・国際決済銀行(BIS)の「バーゼル?」(グローバルな国際金融システムの安定化)が勢いを増している。※説明なし。
・”黒田バズーカ”の不発にもかかわらず、安倍首相は「アベノミクスをふかす」とノーテンキな事を言っている。この国債問題が2つ目の課題である。
○デフレは政府と財務省の恣意的コラボ
・国債残高は900兆円に達する。もし金利4%なら、利払費は40兆円になる。しかし利払費は常に10兆円前後である。利払費が初めて10兆円を越えた1986年は、公債残高は145兆円で金利は7%であった。しかし今は公債残高は838兆円あるが、金利が1.1%まで下がっている。※グラフがあり、分かりやすい。
・2016年1月、第3弾金融緩和によりマイナス金利となった。これは日銀と財務省の出来レースであるが、メガバンク/地方金融機関の銀行業は苦しくなる。※でもインフレは債務者には有利になる。
○さらに、3つの深刻な問題
・日本は人口減少時代に入っています。2016年に生まれた赤ちゃんは98万人で、亡くなった方は130万人で、30万人人口が減少しました。今後40万人、50万人、60万人と人口は減っていきます。
・デフレとなり財布のひもは固くなっています。1000万円預金があれば、かつては利子で海外旅行に行けましたが、今はファミレスに行けるだけです。
・2016年冬のボーナスは80万円ありました。しかしこれは大企業/公務員の話です。非正規雇用は2000万人おり、彼らにボーナスは出ません。以上3つは深刻なデフレ要因である。
・金融資産5億円以上は7万世帯、1億円以上は114万世帯ある。中流は1000万世帯、それ以下が4000万世帯である。その中の年金生活者/非正規雇用者/シングルシルバー/シングルマザーは深刻な貧困にある。
・本書は66の視点から2025年問題をシミュレーションし、12の提言をする。
<シュリンクする日本>
○人口1億2000万人、シルバー3800万人へ
・日本の人口は1億2000万人になり、シルバー(高齢者)は3800万人になり、3人に1人がシルバーになる。一方19歳以下の若者・子供は1850万人で、人口の15%になる。
・人口減で経済回復がないのは鉄則である。可能性があるとすれば、シルバーが元気になるしかない。日本には”わび””さび””いぶし銀”などの言葉がある。
○後期高齢者は2300万人に
・現在、後期高齢者は1700万人だが2025年には2300万人になる。人口減により社会保険料は減るが、年金受給者/生活保護世帯は増え、社会保障費は150兆円と、とてつもない額になる。シルバーは元気・健康を競うしかない(提言?)。
○ニンチは700万人、軽度を含めると1300万人に
・シルバーの3人に1人がニンチ(認知症)になる。80歳を超えると、かなりの人が認知症になる。著者の母も99歳で認知症になり、100歳で亡くなった。母は5人の子供がいたので、介護できた。しかし子供のいない老人は誰が面倒を見るのか。
○シングルシルバー1000万世帯
・現在、女性単独シルバー166万人、男性単独シルバー399万人、夫婦シルバー世帯614万世帯ある。介護施設が不足している。
・火事などによる孤独死のニュースが続く。日本のシルバーは「1人が良い」と我儘だが、皆で寄り添って暮らす方が良い(提言?)。
○シングルマザー170万世帯へ
・2011年シングルマザー/シングルファザーは146万世帯あった。シングルファザーの年収は400万円あるが、シングルマザーは200万円しかない。2025年にはシングルマザーは170万世帯になる。
○赤ちゃんは70万人しか生まれない
・2025年、生まれる赤ちゃんは80万人を切る。結婚しない若者。仕事が面白いのか、子供を産まない女性。イケメンじゃなきゃ、イクメンになれ。
○平均寿命88歳へ
・2025年には平均寿命は、男性85歳/女性90歳、平均88歳になる。「ピンピンコロリ」と行きたいが、簡単ではない。これからは健康寿命が重要となる。
○40歳未婚率、男40%/女30%
・とにかくダメ男が増えた。ボランティアで頑張るのは女子ゼミ生。男子会をやると、女子ゼミ生が説教に来る。このダメ男達はパート/アルバイトなどの非正規になる。一方で仕事をバリバリやる女性は増えた。しかし東京の出生率は1.24と低い。
・男性は40歳までで1/3が結婚せず、女性は1/5が結婚しない。そして2025年には、男性40%/女性30%が結婚しなくなる。
※これまで碌な話はなかった。
<加速するビンボー>
○社会保障費150兆円突破へ
・2016年社会保障費は118兆円で、内年金57兆円/医療費38兆円である。財源は税金45兆円/保険料66兆円である。2025年には社会保障費は150兆円になる。税金は61兆円に増えるとされるが、この前提がGDP610兆円だが、これは真っ赤な嘘である。
○国家予算は120兆円時代に
・消費税が5%の時(2010年)、消費税収入は10兆円、8%の時(2016年)、消費税収入は17兆円であった。一方所得税/法人税は30兆円で変化はない。国家予算が100兆円から120兆円になると、消費税アップで対応するしかない。
・消費税20~25%で対応するしかない。アベノミクスの「三本の矢」は既に折れている。タックスペイヤーは減り、タックスイーターは増える。年金カット/保険料アップでは賄えない。
○年金基金も枯渇する
・2016年度・第1四半期、GPIFはマイナスで5.2兆円の赤字になった。この1年で141兆円から130兆円に減少している。毎年10兆円赤字なら、2030年頃に運用資金が枯渇する。
・2025年社会保障費は150兆円(年金70兆円、医療費50兆円、福祉関係30兆円)になる。事業主/被保険者の拠出金は大きく減らず、社会保険料を基にする事になるが、財源を真剣に考える必要がある。
○超格差社会が誕生?
・15年前は「格差社会」など頭の中になかった。しかし今は1%の大金持ちは、年収が何億とある。そして30%は700万円以上の年収があり、そこそこの生活をしている。公務員の平均給与は、全労働者の1.5倍あり、ここに含まれる。そして30%は年収が400~500万円あり、日常的な生活を送っている。
・問題は残りの40%で、そこにはワーキングプア/プアシルバーが含まれる。そこには非正規労働者2000万人も含まれる。
・地域的には、県庁所在地などでは何とか商売になるが、人口10万人以下の市町村では厳しい。日本の「超格差社会」は金持ち/ビンボーの財力差だけでなく、東京(人口集中地区)と地方(過疎地区)の地域格差もある。※この点はピンとこない。
○3000万人の非正規労働者
・労働者6000万人の半数がパート/アルバイトなどの非正規労働者になる。企業の最大の経営方針は人件費カットで、正社員の給料を上昇させているが、正社員の比率を下げている。またAI/IoTの導入も進む。これらは高価でメンテナンス費は掛かるが、人件費は掛からず、24時間働く。
・若者は簡単に転職する。これではスキルが身に付かない。近年公務員志望が増えてきた。教えた学生には、「石の上にも3年」と言って、送り出している。
○平均年収は500万円
・リーマンショックにより非正規労働者が増加し、サラリーマン世帯の平均年収は400万円前後になった。平均年収(2012年)の1/4に相当する122万円に達しない世帯が全世帯の1/6もある。
・アベノミクスにより公務員などの年収は上がったが、非正規労働者は2000万人になり、年収は”底バイ”状態にある。非正規労働者の年収は300万円前後で、ぎりぎりの状態である。シルバーや結婚適齢期世代のために、2LDK/家賃3万円以下の公営住宅を作るべきである。現実には何も考えていない政治に、怒りを感じる。
○三大負の大国
・日本のGDPは世界比で18%(1989年)から6%に減少し、日本は”負の大国”になった。?シルバー大国-国民の1/3がシルバー。?デフレ大国-人口は減少し、GDP610兆円を掲げているが、その可能性は低い。?借金大国-予算編成に35兆円の公債を必要とし、一方で国債償還/利払いで25兆円払っている。自転車操業の借金大国である。
・「アベノミクスをふかす」ではなく、現実を直視しなさい。あらゆる事に軽すぎる。
<東京一極肥満>
○首都圏5000万人の一極過度集中
・後数年で東京都の人口は1500万人になる。1都3県(神奈川、埼玉、千葉)の人口は日本の30%、小売販売額でも30%になる。一方で地方の過疎化は進んでいる。関東首都圏に人口の4割(5000万人)が住むようになる。
・仙台や秋田の大学で教えているが、仙台の人口は横ばいだが、秋田は厳しいものを感じる。
○各地方に準集中都市
・東北福祉大学に通っているが、宮城だけでなく、青森/秋田/岩手/福島からの学生も多い。札幌(北海道)/仙台(東北)/名古屋(東海)/広島(中国)/博多(九州)など、各地方に準集中都市がある。国の基本形はこれで良いのか。
○人口10万人以上に強制合併
・高齢化率50%以上の市町村が全国に広がっている。地方に働く場所はなく、若者は都会に出て行く。
・人口6000人の福島県矢祭町にフィールドワークに行った。助役さんには3つの役職があったが、給与は20%カットであった。長野県王滝村は人口800人で職員は50人いる。給料は2/3に減ったそうだ。自治体は人口10万人以上に「強制合併」すべきではないか。
○農業人口は半分の100万人へ
・2016年農業人口は200万人を切った。しかも2/3以上が65歳以上の高齢者で、平均年齢70歳に近い。農業人口はあっという間に100万人になり、さらに50万人になる。2025年農業人口は100万人に半減し、農業で生計を立てられるのは10万人になる。※本件には驚いた。
・農業の法人化/集団営農が進められており、成功例は多い。しかし農業は遊び心ではできない。
<日本の政治>
○自由民主党の一党支配
・自由民主党と公明党が選挙協力をし、小選挙区制である限り、自民党の200~240議席は揺るがない。さらに自民党と大阪維新の会が連携する動きもある。今後の政局に、選挙制度と野党協力が大きく影響する。
・吉田茂の首相在席日数は2616日で、彼は「サンフランシスコ講和条約」を結び、日本を戦後復興させ、経済成長に向けさせた。
・アベノミクスは綻びが生じているとの見方が多くなった。2017年の安倍政権の課題は「一億総活躍社会」である。しかしこの政権はパフォーマンス政治で中身がない。メディアコントロールが行われていると言われるが、これには実感がある。※記者クラブの問題がある。
○民進党は残れない
・2009年夏、著者は民主党代表選のコーディネートをした。その後タクシー運転手に「福岡先生が民主党を応援しているので1票入れたが、民主党政権は散々だった」と言われた。鳩山由紀夫/菅直人/野田佳彦の民主党政権は酷いものであった。
・民主党は、2009年夏の選挙で3000万票を得たが、2013年選挙では700万票に減らす。2016年選挙で1200万票に回復したが、蓮舫・野田コンビではどうにもならない。弱い人の側に立つのなら、大企業/公務員の労働組合である連合とは手を切るべきだ。
○公明党は下駄の雪?
・この5回の選挙で、公明党は比例区で700万票以上を得ている。公明党の小選挙区での出馬は9つに限定され、残りの286小選挙区は自民党に協力する。
・「公明党は”平和と福祉の党”で、いつまでも自民党の”下駄の雪”で良いのか」の意見も内部にある。
○日本共産党は党名を変更できるか
・2016年参院選で共産党は野党共闘への道を開き、1人区で野党は11人が当選した。これを広げれば、衆院選の小選挙区でも勝てるかもしれない。
・「日本共産党」は「日本共生党」に党名を変更すべきでは。「しんぶん赤旗」も「黄色いハンカチ新聞」に変えたらどうか。革命などは通用しない、固い頭を切り替えるべきだ。
○日本を引っ張る人材がいない
・現在50代のリーダー格がいない。小池百合子の総理大臣も見え隠れする。岸田外務大臣がいるが、宏池会といえども大勢力になれない。小泉進次郎では若すぎる。人材は不足している。
○政治家にも資格試験を
・著者は「松下政経塾」で政治家養成に携わった。今は数名を除いて、破門にした。「選挙指導して、楽して勝てる方法を教えてはダメですよ」と政経塾出身の市長に言われた。※松下政経塾の政経は政治経営らしい。
・政治家の質を高めるには、資格試験を設けるしかない。公務員試験/秘書検定/漢字検定/TOEICなどを統合して、その試験に合格しなければ政治家にできない。当然、憲法や予算の試験もある。人格を見るには小論文の試験も必要である。海外でのボランティア研修も、介護/保育の現場での研修も必要である。※地盤・看板・鞄ではダメか。
○選挙制度と定数
・衆議院は小選挙区300人/比例区100人である。これを3人区130の中選挙区制に戻すのが望ましい。参議院は各都道府県2人区(北海道、東京、沖縄は4人区)で200人にすべきである。
○日本国憲法
・日本国憲法は改正される。第9条は残すが、「修正憲法」として専守防衛と軍隊を明記する。
・憲法前文に「国際社会において、名誉ある地位」とある。そのためには専用船などで若者を海外ボランティアに送るべきと考える。国際ボランティア組織を作るのが先決である。
○自衛隊
・自衛隊は海上自衛隊/航空自衛隊/陸上自衛隊、それぞれ4万人に半減させ、残りを「国土安全隊」「生活安全隊」に改組する。ただし朝鮮半島が平和になる事が前提である。「国土安全隊」「生活安全隊」には自然災害や、ストーカー/ひったくりに対応してもらう。
○天皇陛下は定年制へ
・2016年8月天皇陛下はビデオメッセージを発せられた。天皇陛下の生前退位が望ましい。天皇皇后両陛下の被災地訪問には頭が下がる。国民は天皇陛下の事を考えないといけない。
・天皇陛下は終戦記念日に常に「深い反省」を述べられる。この点は常に、皇室と首相官邸でフリクションが生じる。
<米国、ロシア、中国はどうなるか>
○トランプの挫折、大統領選やり直し
・米国はヘリコプターマネーでハゲタカファンドなど1%の大金持ちが生まれた。銃の乱射事件は連日あり、人種間での経済的な闘争が始まるかもしれない(※米国は福音主義で成功者を称賛する)。超格差社会で人間同士に疎外感が出始め、これにテロが加わり、厳しい現実が露わになってきた。
・米国は世界最大クラスの人口・経済規模で、米国が世界史を劇的に変える可能性はある。トランプのサドンデスの可能性が届く。本来ならペンス副大統領が付くが、彼は辞退し、大統領選挙になる。※これは外れたみたい。
○プーチン大統領は健在
・プーチンは圧倒的な人気がある。ウクライナ問題/クリミア問題で愛国心/民族主義に火を着けている。2025年プーチンは73歳でも、独裁的大統領として君臨しているだろう。
・ロシアの生産力は低下しているが、温暖化はロシアには有利に働く。日本との領土交渉はポーズに過ぎない。北方領土を返す事はない。
○ドイツも大苦戦、EU崩壊へ
・英国は厳しいが、EUから離脱して、踏ん張ろうとしている。ドイツだけは元気だが、2017年の選挙でメルケルは苦戦するだろう。ギリシャ/スペイン/イタリアは厳しい状況にあるのに、呑気である。仏国は欧州の中心で、文化・芸術のレベルは高い。
・欧州は中東を抱え、「反グローバリズム」が広がっているが、ドイツ/仏国/英国が手を携え、新しい方向性を見い出すかもしれない。※世界の均等化・均質化(?)が行われているのかな。
○中国は格差拡大
・中国の人口は15億人で安定するかもしれない。中国人は生魚を食べるようになった。それが原因ではないが、南沙諸島/尖閣諸島に南進し、「海洋国家中国」へ邁進している。
・経済成長率は6%に低下するが、それでも十分に国家は発展する。
・中国人には日本への観光リピーターが多い。彼らは日本の文化/観光/工業(?)など様々なものを見る。そして化粧品/電気釜や意外な物を買って帰る。ある専門家は「中国は共産主義だが、世界で1・2位の不平等国家になる」と言う。※中国の政治は共産主義だが、経済は資本主義なのでは。
・中国の国旗は大きな星の周りに4つの星がある。これが中華思想の原点である。中国一番と米国ファーストは必ずぶつかる。※これは当たった。
○朝鮮半島統一へ
・今北朝鮮は金正恩が好き放題にやっている。10年後にどうなっているかは、様々な意見がある。個人的には”北風より太陽”が望ましいと思う。この国が開国し、自由な国になれば、自衛隊は1/10で済むかもしれない。※著者は中国を脅威に感じていない。
・朴槿恵の次の時代は、慰安婦問題などを乗り越え、日韓友好は広がるだろう。※今、日韓関係は最悪の状態にある。
・韓国5000万人/北朝鮮2500万人の統一国家と日本が協調すれば、アジアは発展するだろう。
○東南アジアは元気
・著者はカンボジアで小学校を作るボランティア活動をやっていた。東南アジアの多くの国を歩いたが、その経済発展は凄まじい。
・ミャンマー(ビルマ)には資源があり、仏教徒なので温厚で、算数も得意である。日本は積極的に支援すべきだ。
・台湾は脱原発を鮮明にした。これには拍手を送る。日本も脱原発に舵を切るべきだ。
○ISテロは終息
・「反グローバリズム」の産物で、自国ファーストが広がった。トランプだけでなく、英国のEU離脱、仏国でのルペンへの注目などがそうである。
・ISテロは終息させなければいけないが、国連にその力はない。シリアの子供達がISによって殺されている。政府軍が空爆を行っている。その後ろ盾にロシアがいる。避難民にISが紛れ、彼らは避難先でテロを起こしている。※ホームグロウンらしいが。
・難民の子供が地中海で亡くなった。空爆で多くの子供が亡くなった。これが現実である。
・「湾岸戦争」の時、ヨルダンからイスラエルまで500Kmをドライブした。その時ジョン・レノン『イマジン』の歌詞「国境がない」が浮かんだ。
<AI/IoT時代で人間失業へ>
○AI/IoT時代へ
・第4次産業革命(AI、IoT)により700万人の雇用が消滅し、失業者900万人の時代になる。人にはTOEIC/体力/礼儀/情報伝達・処理能力が必要になる。
・介護ロボットができ、自動掃除機が部屋を掃除するようになる。ホテルのドアマンもロボットになる。レストランもウェイター/ウェイトレスはいなくなる。回転中華料理屋/回転焼肉になり(※冷める?)、支払いはキャッシャーになる。最近はコックもチンするだけらしい。
○消える職業
・コンピューターが入って、大学も大きく変わった。自動車会社のベルトコンベア前の従業員も1/10に減った。駅は自動改札になった。スーパーのレジも自動化に向かっている。どんどん”ニンゲンレス”が進んでいる。資産運用もAIがするようになる。ビットコインなどが広まれば、ATMもいらなくなる。
・しかし総合的な判断をする人間は必要だろう。そんな限られたエリートだけが生き残る。
○テレビ局はNHKと民放2局で十分
・NHKは残るだろう。日本テレビとフジテレビは一緒になって、娯楽中心になり、TBSとテレビ朝日も一緒になってニュース/報道番組中心になる。BSはNHKと通販チャネル1局になる。
・有料チャネルは様々あるが、30分単位で新しいニュースをどんどん流すチャネルが欲しい。
・著者は競馬中継とヤクルトのチャンネルを契約している。スポーツ番組の録画中継はやらなくて良い。
○新聞社はいらない
・新聞社は消えるだろう。共同通信社/時事通信社は残る。現場の記者は必要だが、印刷工場は廃止する。地方のニュースは地方の新聞社に任せ、霞ヶ関/永田町の政治・経済に特化する。こうなるとテレビ局の出番となり、今とは逆にテレビ局が新聞社を吸収合併するようになる。
・今はiPadで「Yahoo!ニュース」を見れる。これは活字やテレビを大きく変えるだろう。
○デパートは消滅する
・デパート(百貨店)はどこも苦戦している。残っているのは大丸東京店/横浜タカシマヤ/伊勢丹新宿店/ジェイアール京都伊勢丹/西武池袋本店などである。今は「エキナカ」である。そこで飲んで買物して、12時38分の電車に乗れば、0時までには帰れる。
・仙台には3つのデパートがあったが、駅前にあった「さくら野百貨店」でさえ消えた。これからは平日は「エキナカ」、週末は車でショッピングモールとなる。
○大学の倒産
・知識の量が数量化されると、全てが検定化される。英語検定/パソコン検定/秘書検定/漢字能力検定/高等学校卒業程度認定試験/ニュース時事能力検定などがある。これらの成績を基に大学に入り、企業に採用される事になる。※英語の話は知っているが、こんな流れがあるの?
・しかしネットで学んだ学生を見ていると、「何でも知っているが、何も考えていない」と感じる。※これはかつての詰め込み教育も同じでは。
・AI(人工知能)やIoTは膨大なビッグデータの分析は得意かもしれないが、新しいものは生み出せない気がする。
・2001年定員充足率が80%以下の大学は80校であったが、2015年には132校に増えた。私立大学595校で280校が定員割れになっている。九州/四国/中国地方/日本海側の大学は厳しい。2018年以降、大学の倒産が増えるだろう。個性のない低偏差値の大学はサドンデスになる。
○大学の先生もいらない
・国際政治学/行政学/政治学原論/西洋政治史など10~15人いれは先生は足りる。
・今から10年余り前、子供達に「授業は生で聞くより、ビデオやネットの方が良い」と言われた。そうなると小学校/中学校/高校の先生はいらなくなる。子供達は益々部屋に篭るようになり、優秀な生徒は、さっさと大学を卒業してしまう。しかし彼らにディスカッション力や打たれ強さがあるかは疑問だ。企業は頭でっかちを採用しない。バイタリティーを身に付けるべきだ。
○飲み屋街の消滅
・女子会/相席屋はなくなるだろう。風俗もニュースキャスターもロボットになる。ゼミのコンパもなくなるかもしれない。
・昔の銀座のホステスは相手をしっかりリサーチした。日本経済新聞を読み、経済を勉強していた。日本中のネオン街から、灯が消えている。企業の交際費はカットされ、サラリーマンの小遣いも小銭程度になった。
○希薄な男女関係
・ゼミOBの高校教師が「最近の高校生はガールフレンドをつくらない。アニメの女の子を彼女にしている」と嘆く。ホテルでは1000円で有料映画が見れる。「何が楽しいのか」「気持ち良くなりたくないのか」とおじさん/ホステス達。結局「個人の問題」が結論になった。
<スポーツ界>
○プロ野球は日没へ
・松井秀喜がメジャーリーグに移籍し、読売ジャイアンツの時代は終わりかけた。東京ドームはいつも満員だが、応援は元気がない。今は広島が面白く、ヤクルト/楽天と大谷選手は見る。「ジャイアンツは永遠に不滅」ではなかったと感じる。中畑清は「自前の選手を育て、感動と夢を与えるチームを作りたい」と復興に掛けている。
○高校野球は大人気
・高校野球は依然として人気がある。清宮選手がいて、また新しいスターが出てくる。
・プロ野球は有名選手の賭博やクスリで評判が悪い。地上波での放送も少なくなった。大谷翔平は稀なケースである。
・新井選手の2000本目のヒットを神宮球場で見て、涙が出た。高校時代/大学時代はたいした選手ではなかった。
・日本の国技は相撲だが、野球もそれに近いと思う。ある巨人OBが「ピアスを付けていた清原に、注意すれば良かった。ピアスは危険だ」と嘆いた。著者は「叱ってやる事が愛情だよ」と応えた。
○サッカーは21世紀のスポーツ
・サッカーのスピード感は素晴らしい。Jリーグのチーム数は多いし、各地域に広がっているので将来性は高い。ただし欧州に移籍する一流選手も多く、Jリーグのレベルが下がっている。
・女子サッカーは男子と比べてキック力が劣るので、グランドの広さを8割に狭くしてはどうか。
○大相撲を国際スポーツに
・2016年11月鶴竜が優勝したが、彼がモンゴル出身とは知らなかった。白鵬/日馬富士もモンゴル人で、三役も外国人力士が多いらしい。千代の富士みたいなキン肉マンは出そうにない。いっそ、「両国国技館」は「国際格闘技センター」に名前を変えてはどうか。
・このままでは国技が終わってしまう。土俵は怪我を防ぐため、フラットにしてはどうか。子供達は相撲よりサッカー/野球である。
○ゴルフ中継は録画でやらない
・何でプロゴルフの試合を録画でやるのか。生で見ないと、ゴルファーの気持ちは伝わらない。日曜日午後には、どうでもよい番組をやっているが、そんなの後回しで良い。※生でやると3時頃に終わる。
・女子ゴルフは面白い。韓国勢が強いが、日本人も頑張ってほしい。男子ゴルフはサッパリだ。松山選手の次が出て来ない。強い選手が出なければ地上波からBSに格下げになる。
○東京オリンピックの後
・「春高バレー」を見ていると1m90cm位のハーフの子が凄いスパイクを打っていた。これから日本のスポーツを担うのは、ハーフの選手しかない。陸上にはケンブリッジ飛鳥選手、テニスには大坂なおみ選手がいる。2020年東京オリンピックが楽しみだ。※バスケットボールには八村塁がいる。
<残る職業・商売>
○残る職業
・著者は週2日仙台に宿泊する。大半の物はコンビニで足りる。ネットカフェで暮らす人もいる。そこにはシャワールームがあり、クリーニング店もある。
・大きな産業では、鉄道会社/航空会社/タクシー会社/食品製造会社は残る。今後デリバリーセンターは広がるだろう。アニメ会社も大きくなっていくだろう。ユニクロ/ニトリ/ダイソー/アイリスオーヤマがあれば、衣食住は事足りる。
・学生には「職業選択を間違えるな」と言っている。「パソコンスキル、TOEIC、コミュニケーション力、礼儀、感謝を忘れるな」(5つの力)と言っている。
※13の職業群を分析しているが、省略します。
○デリバリーセンターが各所に
・ネット社会になると物流が重要になる。アマゾンの売上はとてつもない額になっている。デリバリーの問題は、町単位での配送センター(※デリバリーセンター?)を確保できるかにある。町内会単位にデリバリーセンターを作り、三輪自転車で配送する「クロネコヤマト方式」が良いかもしれない。※日本は坂が多い。
・以前先輩にサクランボを郵便で送ったが、大雨で2日遅れ、腐ってしまった。郵便局の配送システムは機能していない。
・ネットは情報を送るには便利だが、物のデリバリーは別である。デリバリーネットワークを考える時である。
○時代はアニメ
・映画は下火で、これからはアニメである。ドラマを見るのは高齢者に限られる。お笑い/エンタメ/情報番組は飽きられている。ニュース/スポーツ番組以外はアニメ番組になる。※報道番組以外見ないので、どんな番組があるのか知らない。
・東京駅の本屋で『日本国勢図会』を探したがない。7~8割はマンガであった。
○なんでもランキング調査会社
・「Yahoo!ニュース」のアクセスランキングを時々覗く。これでNHK/共同通信/毎日新聞のニュースが読める。そのため新聞はほとんど見ない。プロ野球のニュースも見るが、政治のニュースが大半である。
・若者は自分で考えず、ランキングを目安にする。東北の被災地に行った時も、学生は様々なデータを直ぐに報告してくれる。レポートを纏めるのに、検索やランキングを使っている。外国人もランキングを使って、美味しい店を探して来日する。
・「ランキング調査会社を作る」、これがこれからの先駆けかもしれない。著者はゼミ生から誘われたが、やらない。
○ネットカフェの時代へ
・ネットカフェで暮らす女性のニュースを見た。そこからバイトに通い、洗濯はコインランドリー、風呂はシャワーである。一晩2000円程度なので、1日8000円収入があれば暮らせる。
・1人カラオケもあるらしい。著者はできるだけ人と交わりたいので、勉強以外は皆と騒いでいたい。ゼミOBは「今は個人の自由ですから」と言う。一人で勝手に生き、勝手に死ぬ時代が来るのか。
○グチ聞きカフェ/相づちカフェ
・ネット時代になるほど、人が恋しくなる。今の40代以上の人は、人との触れ合いの中で生きてきた。愚痴を聞いてくれる相手が欲しくなる。アドバイスをくれたら、もっと嬉しい。
・ネット時代になると、人は孤独感にさいなまれる。1人で頑張っても限界がある。相談相手がいるのは心強い。ネット社会は寂しい/孤独な社会なのでは。
<へんてこな時代>
○みんなマイルームでネット
・学校はネット授業になり、学校に行くのは午後からで、クラブ活動のある日だけになる。大学は卒業検定試験に合格すれば、大学に行かなくて良い。
・家庭内のコミュニケーションもメールになる。家族でのドライブ/ショッピング/ファミレスでの食事もなくなる。
・家事はオートメーション化される。キッチンから包丁が消え、食事はレトルト食品になる。そうなると夫婦関係/親子関係は希薄になる。そんな環境で育った子供は、結婚しないだろう。
○オフィスもフリースペース
・会社に行くのは週1・2回になる。しかも会社はフリースペースで、マイデスクはない。アイリスオーヤマの新商品開発をテレビで見たが、採用/却下に息が詰まる。そんな緊張感もなくなる。
○バリバリ女子とグズダラ男子
・企業経営者と飲食すると、「女性は元気だが、男性はグズが多い」と嘆く。著者のゼミでも、ゼミ長は女性である。時代はイケメンよりイクメンである。
○色白の子供達
・子供達は帰宅すると、直ぐに部屋に閉じこもり、パソコン/スマホを始める。中学生までは、位置情報と家への通話しかできない携帯で良い。
・できる子はスマホの機能を限定している。できる子と、何も考えないでボーっとした青白坊主に二極化する。※これは言い過ぎかな。
○急増する性犯罪と引き籠もり
・ネットによりロリコン犯罪/ストーカーが増え、出会い系サイトで犯罪に巻き込まれ、理由なき(※動機が不明慮な)犯罪が増える。
・人は失敗/挫折を繰り返し成長する。色々な人に会って、色々な事を学ぶ。失敗/挫折の中に光がある。
<ライフスタイル>
○コンビニ食堂
・駅前の商店街は消えた。スターバックスと云うコーヒー店では、高校生が宿題をやっていたり、お年寄がパソコンをやっている。
・コンビニの100円コーヒーは美味しい。テーブルが置いてあり、OLが食事している。
・百貨店は終わりを迎えるだろう。しかしショッピングモールも平日は人がいない。しかしコンビニだけはどこにもある。コンビニのATMは手数料が掛かるらしいが、つい使ってしまう。税金/公共料金の納付もできる。
・経営学の原点は人件費の削減である。AI/IoTにより人間は追放される。これからの時代、人間の生き方が根本的に変わるだろう。
○時代はエキナカ
・駅前の商店街はなくなり、駅ビルに吸収されるだろう。6・7階の駅ビルがあり、地下に食料品売り場があり、近くにコンビニがあるだろう。
・学生と駅周辺を歩いた。小山には薬局/コンビニ/ヤマダ電機、仙台にはヨドバシカメラ、有楽町にはビックカメラ、亀有にはイトーヨーカドー、六本木にはクリーニング屋があった。駅ビルにはユニクロ/女性ファッション/ハンドバッグ屋/東急ハンズ/ロフト/ダイソーが入る。※コンビニにもエキナカにもいかない。
・住宅はケア付き住宅/介護付き住宅/3世代住宅/集合住宅が増えるだろう。そこで未来の街づくりを考えてみた。商店街の真ん中に介護センターを作る。1・2・3階を地権者の所有権にして商店街/クリニックにする。4階以上を2LDKのシルバーマンションにする。
○葬式は家族葬で
・著者の葬式は家族葬で良い。お坊さんに来てもらわなくても、葬儀屋さんに頼んで荼毘に付してもらう。納骨堂に納めず、海か山に散骨してもらいたい。
○結婚式は年間10万組に激減
・2015年、結婚式は年間60万組あった。大々的に挙げる人もいるが、籍を入れるだけの人もいる。子連れ結婚式もあれば、できちゃった婚もある。
・将来は正式な結婚式は年間10万組に激減するだろう。その分離婚も増え、シングルマザーも増えるだろう。
<どうすれば良いのか日本>
○提言1 安眠死研究所
・スイス/ベルギーでは安楽死が行われている。寝たきりになり、認知症になって、家族の顔も分からなくなる。寂し過ぎるし、悲しくなる。
・2025年になると医療費が大問題になる。安眠死研究所を提案する。以前飛行機で70代のおばあちゃんの隣になった。彼女は「断食して死にたい」と語っていた。
○提言2 介護シルバーケアセンターが街中に
・30年程前、米国を視察した。そこで介護施設と病院が繋がった施設をいくつか見た。これだと救急車を呼ばなくても、車椅子に乗ったまま、病院に行ける。
・シルバーだけのマンションを作る。介護ヘルパーは常駐し、大風呂もある。ダンスや体操をする部屋も作る。昼食/夕食を月3万円でサービスする。
○提言3 女性だけのシルバーシェアマンション
・70歳を超えて男性はバタバタ死ぬが、女性は元気だ。12時前にファミレスに入って、3時頃まで大騒ぎしている。
・彼女達、未亡人は東京の郊外の一戸建てに一人で住んでいる。彼女達にシルバーシェアマンションに入ってもらう。1LDKで管理費は月2万円、食費は月3万円である。年金10万円で十分生活できる。
○提言4 公営集合シングルシルバー介護住宅
・男性シングルシルバーセンターを公営で作る。年金がなく生活保護費12~13万円での暮らしである。
・NPO法人が経営する無料宿泊施設が全国で500~600ヵ所ある。2人相部屋で、月7~8万円で食事が提供される。しかしその状況は酷い。シルバーの不安は「3K」(健康、金、孤独)である。
・彼らを収容する公的なシルバーセンターが必要である。集合住宅で生活保護者の世話をして、部屋とお風呂を提供する。
○提言5 死角なき防犯カメラの設置
・大阪で2人の中学生が殺された。死角なき防犯カメラが設置されていれば、検挙率は100%になる。防犯カメラにAIを連動させれば、不審な行動や、深夜の子供の外出をチェックできる。
・刑法犯罪の6%が防犯カメラで検挙されている。数百億円の費用が掛かっても、検挙率100%を目指して防犯カメラを設置しよう。
○提言6 道路を3区分に
・数年前、先輩が自転車に引っ掛けられ、腰を痛めた。これを防ぐには区分道路が良い。歩道/自転車道/車道にする。日本の道路は狭いが、それなら一方通行にする。子供やお年寄りを守るには、こうするしかない。
○提言7 運転免許は18歳から70歳まで
・認知シルバーによる交通事故は多い。運転免許は18歳から70歳までにしたらどうか。お年寄りは寄り添って暮らせばよい。
・高校の同窓会をやったが、皆ベラベラ喋った。中学/高校/大学と毎年同窓会をやっている。ドキドキして、血行にも良い。
・免許停止の提案をすると、「お前は免許を持っていないから」と反論されるが、「厳しいが、仕方ないか」と同意もある。認知症高齢者の事故を起こしてはいけない。※最近話題になっている。
○提言8 公務員半減で財源10兆円を獲得
・国税収入は55兆円、地方税収入は30~35兆円、合計85~90兆円の税金を国民は納めている。この内25兆円が公務員の人件費である。
・国と地方の公務員350万人を、半減の150万人にする。得られた10兆円の財源で、介護士/保育士を準公務員とする。
・銀行の窓口と市役所/町村役場の窓口で、人のスピード感がかなり違う。掃除などを”外出し”しているが、自分達でやれ。OBに時給400円で協力してもらっても良い。
○提言9 週末触れ合い広場
・商店街のフリースペースに「触れ合い広場」を作ろう。何をしても良い。焼きそばを作っても、餅をついても、芋煮汁を作っても良い。お祭りをやっても良い。その場を町のコミュニティの場にする。
・南三陸の仮設住宅にゼミ生を連れて行って、ボランティアをやった。それぞれバーベキューをやったり、サッカー/バレー/野球をやったりなど様々である。
・ヤンキー先生(義家弘介議員)から「福岡先生は”おせっかい”ですね」と言われた。”おせっかい”が町づくりの原点と思っている。
○提言10 シルバー有償ボランティア
・65歳を過ぎても元気な高齢者は多い。彼らに週3回、5時間程度ボランティアに参加してもらう。介護/育児には経験のあるシルバー人材が適している。街中に高齢者の有償ボランティアによる育児センター/介護センターを作れば良い。
○提言11 元気な高齢者にクーポン券を支給
・医療費が年間3万円以下の高齢者には、毎年5万円の旅行クーポン券を支給する。孫と旅行/食事ができるとなると、高齢者は健康に務めるようになる。ジョギング/速歩き/ラジオ体操/スクワット、色々ある。
○提言12 原発ゼロ
・東京電力の賠償金や原発事故収束の費用は当初は10兆円だったが、21兆円になった。将来的には40~50兆円に増えるだろう。
・2016年9月大雨が降って、電力供給がギリギリになったが、何とかクリアした。街灯をソーラーランタンに変えるなどの対策が必要である。そろそろオールジャパンで原発ゼロに取り組むべきである。コンビニ/居酒屋を早く閉める、太陽光パネルで発電した電気を買い取るなど方法は幾らでもある。
<補章 2025年問題の2つの問題点>
・2025年問題は、?人口減少、?AI/IoTによる人間カットである。技術革新により工場労働者は1/10~1/100になった。これがAIにより、さらに人間の省力化が進む。しかしAIに判断を任せるのは危険である。「景気を回復させるために戦争が一番」と戦争を始めるかもしれない。人間の価値を判断し、シルバーを投げ捨てる可能性もある。
・「なんでもランキング」(※知らないので勉強しないと)で判断している人間が多い。「LINEがあるから」「Facebookがあるから」で満足している若者も多い。
・これらから色々な現象が見えてくる。?ラブレス/フレンドレス/ファミレス。?スマホを見ながら、音楽を聴きながらの個食。?仕事は、食べられれば良く、楽な公務員が良い。これでは寂し過ぎる。
・これからは人間性を重視して欲しい。成長より成熟。効率より中身。大切なのは、人のぬくもり/人との触れ合い/人への思いやりだ。一緒に暮らす家族/相談する友達がいないのは寂しい。
・正月、著者は孫3人と過ごした。兄弟仲良くして欲しいが、10年後の日本が心配だ。
<結び どんな時代でも大切なもの>
・色々なデータを集め、整理・分析し、色々な人から意見を頂き、ペンを進めてきた。しかし気持ちが暗くなるばかりであった。しかし鹿島アントラーズがレアルマドリードに善戦し、広島カープがリーグ優勝し、感動した。
・「貧しくても、家族が一緒にいられれば十分」が母の口癖だった。私達兄弟4人は1つの勉強机で勉強した。兄達から色々教えてもらった。
・息子の嫁さんは3人の子供を生んでくれた。孫と過ごすのは、何よりも楽しい。
・2025年になると、パパもママも子供達もマイルームに籠り、パソコン/スマホに熱中し、家族の会話はメールになるのだろうか。
・企業では切磋琢磨はなくなるのだろうか、新商品開発における一体感/チームワークもなくなるのだろうか。効率だけを重視する会社は壁にぶつかると思う。
・「3人寄れば文殊の知恵」の言葉がある。これは企業にも家族にも通じると思う。
・福岡ゼミは現場を重視し、フィールドワーク/ボランティアで学んできた。”触れ合い”のなかで学ばせてきた。AI/IoTの能力は凄いが、それだけではない事を頭に入れておいて欲しい。