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『無形価値を身につけるには』城島博(2021年)を読書。

無形資産に関心があり、本書を選択。

地球・自然・SDGs(将来に向け、誰も取り残さない)/将来/日本/民主・責任・会話などを強く意識し、変革を求めている。
全般的に抽象的で、具体的でない。また否定論が多く、懐古主義。

解説範囲は大変広く大著だが、訴えている事はシンプルで、それを毎回訴えてくる。
テーマごとに別書にした方が良かったのでは。

お勧め度:☆
内容:☆☆

キーワード:<はじめに>新経済社会、無形資産、<世界標準>課題、コミュニケーション、グローバル化、負債、自由、持続性、<自然環境>地球温暖化、食料、水、技術革新、廃棄物、<大災害>洪水、火山噴火・地震、海洋、闘争<廃材・廃棄物処理>貧困、健康、便利、<コンクリート工事>住居、ダム、護岸工事、<輸送交通>エネルギー、モビリティ、パンデミック、飛行機、船舶、<中産階級>自由、責任、食料、支援金、<工業社会からの脱却>経済社会、社会的責任、工業化、産業革命、<糧を選ぶ>リベラルアーツ、正義、水、リカレント教育、<ルール>自由、規範、大変革、解決策、<村里インフラ>都市計画、自然環境、日本文化歴史、女性優位、<ガバナンス>働き手、説明責任、CSV、ESG、<食生活>飢餓、食品ロス・食品廃棄物、法律、医療・介護、ウイルス、自然、<ガバナンス>西洋・東洋、民主主義、SNS、無形価値、解決策

はじめに

・世界は新たな経済社会に入った。問題の先送りは、人類に負荷を掛ける。構造的手段の遅れ(?)や漏らさない運営活動が国際連合(※以下国連)でも行われ、SDGs/ESGなども行われた(※初っ端から意味不明)。それだけではなく経済構造システム(※単に経済にすれば)の成長産業自体が全く変わった。工業生産/情報システム生産は成長産業に入らなくなり(※情報サービスに近いかな。GAFAは依然好調と思うが)、減退産業は新たな手段・手本・スキル・人材をつぎ込んでも衰退は避けられない。世界の経済システム構造に負荷を掛け、負債を将来に残し、統制で威圧し、論理を空転させ、問題をはぐらかせている。

・日本はその只中にあり、民主主義の自己責任(?)と科学技術が問われ、自由正義/公共協働/提言組織/前掲伝達の実装実施が問題視されている(※難解な単語の羅列だが、いちいち説明していたら、膨大になるか)。そして経済は、ネオエコノミー「見えざる資産の世界」「無形資産の世界」に入った(※無形資産の具体例が欲しい)。そして無形資産は有形資産の1.5倍になった。

・産業革命後、大量生産で経済は成長した。しかしデジタル技術/地球規模の経済(※グローバル化かな)により、経済は滞った。富の源泉はモノから、無形資産に移った。そして経済は経営経済「見えざる資産の配分」に移り、「豊かさとは」「幸せとは」を問いかける。
・エコノミーは経済の理財と節約で、2層である。つまり商いの方法・手段が大変革し、生産・消費・業務の取り扱いが全く変わった(※難解。前文の理財と節約と当文の関係は?)。

・欧米は科学の歴史が長いため、探求する基礎がある。日本は150年しかなく、これを理解できず、30年間放置された(※これは経済の大変革かな)。重要な言葉を正しく翻訳していない。正しい認識を深めないと、新経済社会の追随者になる(※言葉の誤認識が原因?)。未来に進むためには、日本の歴史文化を紐解き、日本独自の価値観で最先端に進むしかない(和をもって貴しとなす)(※解決には日本文化か)。

第Ⅰ部 地球星に人類は生きている

・人類は地球の多様な生物の中で生きている。21世紀、AI/ロボットが現われ、人類の生き方が問われている。それなのに新しい分野に目を向けず、自己利益だけに走っている。
・行動記録は末端データに残り、蓄積される時代である(※POS/Web閲覧?)。その分析は容易で、どう民主主義の自治を行うか、生み出された便益をどう配布するかが問われている(※データ分析と自治、凄い飛躍だな)。さらに資本主義市場競争において、中間所得層に見えざる資産を如何に配布するかが問われている(※見えざる資産の説明がまだない。分配ではなく配布なんだ)。

・30年前は米ソの軍事衝突の危機があったが、今は中国を含め、さらにリスクが高まっている。国連を超えた国際協調体制が不可避である(※不可欠?)。
・商いでは、売り手と買い手が価格を決める。そこには情報の非対称性があり、利益相反(トレードオフ)が生じる(※トレードオフの意味は少し違うと思う)。また生産では、生産性を向上させないと、経費の使い捨てになる。世界共通のルールを早く作らないと、課題が山積し、戦いが起こり、負債が積み重なる。早い対応が必要である。

第1章 世界標準を身に付けた生活

・世界は第4次産業革命に入り、環境課題/経済課題/政治課題/社会課題/リスク課題/技術課題/所得課題/便益課題/価値課題の複合的な課題が生じ、総合的な解決策が求められる。国連は「持続可能な開発目標」(SDGs)を作成した。これは全ての人を取り残さないための17の目標、169のターゲット、232の指標からなる。これに世界の全ての人が参加しないと、紛争の種になる。そのため政策提言(アドボカシー)として思考されている。

・日本は言葉を受け入れてきたが、意味を取り違えている。「科学」は新しい発見を見付ける事だが、曖昧になっている。複合的な課題の解決策を立案・提言するため、成長の源であり、コミュニケーションに必要な言葉を用いる。
 CSR-企業の社会的責任。利害関係者の利益/市場創造/消費者満足が求められる。
 コンプライアンス-法令順守。
 ナレッジマネージメント-価値創造知識は同時多重利用可能になり、他の資源(情報資源など)と効果的に利活用する。※価値創造知識も情報資源に含まれるのでは。
 バリューチェーン-価値連鎖。
 SCM-供給活動の連鎖。全供給者の運営管理。
 リエンジニアリング-ビジネス・プロセスの抜本的な変革。※イノベーションに含まれるかな。
 バリューエンジニアリング-創造知識価値を生産するための抜本的ビジネス・プロセス変革。※リエンジニアリングの価値限定かな。「創造知識価値」は創造知識の価値で、「価値創造知識」は価値創造のための知識かな。
 タクソノミー-生物学の分類学。新しい物事を認識し、多様性を理解し、分類を可能にする。
 EV(アーンド・バリュー)-評価価値。
 CS(コンシューマー・サティスファクション)-顧客満足
 PM(プロダクト・マネージメント)-製造革新。※運営管理ではなく革新か(以下同様)。
 CM(コントラクション・マネージメント)-建設革新。
 RM(レコード・マネージメント)-記録革新(※初耳)。
 FM(ファシリティ・マネージメント)-管理革新。

<01 グローバルな社会に変化 情報が一瞬で世界に広がる>

・インターネットが米国で開発され、世界に広まった。誰もがSNS/ファイスブックを使い、情報発信できるようになった。この用途は放置され、気付いたら米国の開発業者/巨大資本家/金融業界が、ICT産業/産業生産方式の変容による多国籍化で膨大の利益を得ていた。そして税金制度の未整備を使って、税金回避をしていた。
・このグローバル化への対処が始まった。収益優先第一主義の投資家の再認識が問われている。各国の歴史文化の違いによる意思疎通は「コミュニティの課題」を噴出させ、会議を混迷させている(※詳細説明が欲しい)。

・人類は移住し生活している土地から、その土地の文化風習を自分が育った地域に伝達する手段(言葉、文書、新聞、ラジオ、テレビ、パソコン、ホームページ、スマホ、SNS、ファイスブックなど)を開発した。伝達手段はこのために生まれた(※考えた事はないが、様々な目的があったと思う)。そして新たな伝達手段が生み出されようとしている。

・自分の地域の物産を他の地域の物産と物々交換する交易・商いが発展する。商いには交渉が必要で、これが決裂すると戦いになる(※単に商いが成立しないだけでは)。全世界で貿易が広がった(※12の地域を列挙しているが省略)。どの地域も取り残されない交渉が必要で、そうなると戦いが起こる。

・歴史は侵略の歴史である。国際ルールは21世紀型にすべきなのに、今までの国際法/軍事/王朝政治を含めた交渉になっている(※具体例が欲しい)。その結果、膨大の負債と温暖化ガス・二酸化炭素排出問題の付けが将来に残されている。

<02 時間の感覚が以前と異なる>

・文章を書く場合、原稿用紙にペンで書き、清書し直すのが普通だった。しかし今は誰もがパソコンで簡単に書け、送信もできるようになった。今ではスマホでもできる。映画を見るのは劇場・映画館だったが、テレビになり、今はスマホで見放題である。時間の感覚が以前と異なる。
・生活は個人の嗜好に任されるようになった。以前は祖父母も含めた一家郎党が一軒家に暮らした。今は夫婦単位になり、育児は育児園に預けるようになった。男女平等で、女性も働くようになった。

<03 自分の事だけで生活すると、全人類が損害を被る>

・今は情報が世界中に伝わり、地球は1つの星として考える必要がある。付けは、レガシー(遺産、伝統、古い時代のもの、時代遅れのもの)として残される。ヘリテージ(遺産、伝統、自然環境遺産、歴史的・文化的価値のあるもの)も遺産と略されるが(※訳される?)、2つの意味は異なる。レガシーを遺産と訳すと、社会が混乱する。そして混乱は混乱を生むが、それが放置されている。

・現象を取り残さず、整理する必要がある。SDGsは重要な課題で、大陸の東の国は、さらにこれを進める必要がある(※理由が欲しい。後述から東洋的のためかな)。主要国が作った民主主義・資本主義が行き詰っている。混乱が少なかった国、これから産業立国する国が、創造知を発信する時代である。大変革の時代に誰もが「自由だ、自由だ」と叫んでいる。時代はレガシーになるか、ヘリテージになるかの境目である(※レガシーは悪、ヘリテージは善かな)。時代は、設定した行動が直ぐ後退する程、スピード化されている。

・ITは、核の被曝後を想定した通信コンピュータ・システムから始まる。よって最悪を設定した創造知(無形資源)として、全く新しいシステムとして考案されている。SDGsは国連に利害関係者全員が集まり、「世界中の人々を取り残さない」ために作成したコミュニケーション戦略である。世界中の人が同意して生活しないと、一部の資本家によって作られた負債が、忘れられた・分からない人に回される。自分達を富裕層と思っている支配者に守られ、見える借金・見えない借金が増えている。中間層の人も、古いルールを守ろうとし、将来に借金を残している(※財政や環境かな)。

<04 全ての人の自由が保障されている>

・全ての人が自由を保障され、それを地球全体で背負わなくてはいけない。自由とは勝手な行動ではなく、それを確保するために各人が責任を負う。世界の課題を解決するには、コミュニケーションが必要であり、平等と共生を認識する必要がある。文化・歴史・宗教を認めるだけでなく、人としての誇りやアイデンティティが必要である。

・20世紀、国連は後進国に資金を配布するだけだった。その回収を先進国の金融機構が行った。後進国で民主化は起こらず、紛争が頻発した。資金は汚職/強権の増大/資源環境の汚濁に使われ、課題となった。食べ物・空気・住居などに科学残留物質・負債物質が溜まった。

・21世紀になり、中国は自国に優位な国を交渉国とし、自国優位な金融機関で、自国優位に資金を配布した(※AIIBかな)。お金は回るようになったが、見える負債・見えない負債が膨大になった(※債務の罠だな)。中国は自由の課題を棚上げにし、社会的貢献・社会的利益には目を向けず、国家優先の資本主義に転換した。この課題は後進国だけでなく、先進国・中進国でも見られる。日本も20世紀型のバラマキを行っている。

・今、自由民主主義資本主義の形が問われている。自由を守る論争は経済に収まらず、軍事・政治にも及ぶ。経済学者だけでなく軍事専門家/政治家/政治学者/IT技術者が必要で、VUCAの時代である。
・VUCAは、Volatility(変動性、不安定さ)、Uncertainty(不確実性、不確実さ)、Complexity(複雑性)、Anbiguity(曖昧性、不明確さ)の頭文字で、今の経営環境や個人を取り巻く状況を表現するキーワードである。1990年代に米軍が用いた言葉で、今の時代にはコミュニケーションと行動の実証が必要である。※本書は抽象語の羅列で、具体例がない。

・日本人はNATO(no action talk only)と呼ばれる(※初耳)。自由には、FreedomとLibertyがある。これらは意味が異なる。「I am free」は、「私は暇」の意味になる。Libertyは周りと争い、掴んだ自由である。「自由の女神」の自由はLibertyである。米国は独裁者から自由を得たのだ。日本人は自由を理解できていない。今は全ての人が自由を享受する時代である。自国の歴史文化だけから自由を語るのではなく、未来を見て語らなければならない。

<05 持続可能な社会を作るには、複合的業務を実施する必要がある>

・開拓する土地はなくなり、天然資源/植物/木材/石炭/石油/天然ガスも未曾有(※無尽蔵?)に存在しなくなった。原子力にはリスクがあり、科学開発の領域は格段に広がり、他領域の専門家とのコミュニケーションが欠かせない。
・資源とは人の生活・生産活動に必要な物質・知財で、広義は人が利用可能な全領域である。
 自然資源-空気、水、土地、植物、生物、森林、石炭、石油、ガス、鉄、金、銀、銅、マグネシウム、レアメタル、自然元素など。
 人材資源-科学、歴史文学、宗教、哲学、文化、経済、政治、司法、行政、経営、芸術、デザイン、業務、労働、人口、活力など。
 知財資源-知識、創造知、特許実用新案、無形資産、法順守、規範遵守、資本、技術、システム、プロセス、ノウハウ、制度、組織など。
 生活資源-健康、食物、住まい、衣類、コミュニティ、家族、子供、子孫、豊かさなど。※生活資源は初耳。

・21世紀に第4次産業革命が起き、人が利用可能な領域が広がった(※第4次産業革命が何なのか、解説は一切ない)。人の業務に関連する領域をデジタル/ICT/AIが処理できるようになり、人の行動範囲・認識範囲が広がった。自分のアイデンティティを想定しないと、誰かが勝手に処理し、格差が膨大化する(※難解だが、政治の事かな)。
・第3次産業革命時の法では、格差は広がるばかりである。第3次産業革命時の既得権益者や所得を守ろうとする政治家が法規で判断する論理を展開し、民主主義・資本主義を混乱させている。中国では帝国主義資本主義が蔓延している(※中国を帝国主義と表現するのは納得)。米国/英国/中東/北欧/日本などではポピュリズムと権威主義が混在している。

・21世紀を生きるには、21世紀の仕事をしなければいけない。それには自分の業務を整理・デザインし、目的には未来ビジョン/社会的使命/行動の道標/戦略的方針が必要で、グループの一員として将来ビジョン/目的/社会環境的使命/行動の目標/戦略的方針をガバナンスする必要がある(※皆そんなに高尚かな)。また世界中の人を取り残さないためには、コミュニケーションが重要である(※常にこれに行き着く。また何時も具体例はない)。

<06 持続的な経済発展には、あらゆる人の投資が必要>

・20世紀は先進国と後進国が交渉し、後進国に支援金を与える統制的交渉の風習・文化が存在した(※本書では上からの統治を統制としている感じ)。先進国の領有が基盤の交渉は、米国でも先住民に対し行われた。太平洋戦争時は先進国間でも行われた(※具体例が欲しい)。今でも後進国とは、商取引や国対国の経済・金融取引で行われている。中国はギリシャ/ローマと異なる民主主義が行われている。中東/アフリカ/インド洋アジアでも統制的交渉が行われている(※主語は中国?)。今は平等な立場での交渉が求められる(※平等の説明が欲しい)。21世紀は、誰も取り残さない持続的な成長が求められる。そのため後進国の人でも「免除・支援してくれ」では収まらない。
・米国は先住民を虐殺占領した。1630年代に英国が入植を始め、少数部族のインディアン(アフリカは首長制の部族社会)を一方的な理論で侵略した(※所有の理論だな)。インディアンは合議制の完全民主主義で、王・首長はいなかった。彼らは人と動物を区別せず、全てを平等に共有し、土地の所有などなかった。欧州民族との戦争に負け、遺留地に収容された。

・21世紀も同様な国際交渉が存在するだろう。後進国の人は、自分達のために交渉し、行動しなくてはいけない。そうしなければ格差は拡大し、解決には膨大な時間・費用が必要になる(※「中所得国の罠」がある)。先進国も自国論を展開し、20世紀の価値観を持ち出すのを止める責任がある。

・単なる改革ではなく、技術/プロセスの破壊的な変革で新たな課題を解決するイノベーションが要求される。そのための交渉が必要で、そこにはルールが不可欠である。
・ルールは何かを手本にするか、自ら作るかで大きな違いがある。インド太平洋地域では、①法・法律・規範、②統制・統治、③順守・遵守が漢字で表される(※漢字は東アジアに限られるが。それともこれ以外の地域では、これらの概念がない?)。これらは日本語の概念で、江戸後期・明治に作られた漢字かもしれない。規範に対し、順守(法に従う)と遵守(道理・法則に従い、率いる)の言葉が存在する。西欧の言語(スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、英語、仏語、ドイツ語、米語)ではなく、日本語の言葉・概念の再考が求められる(※何をどう再考すれば良いのか)。

・21世紀は、誰も取り残さないコミュニケーションが必要になる社会である。20世紀の意識では課題は解決しない。それなのに既得権益者は行動を起こさない。自由民主主義/資本主義の存続が問われているのに、興味を示さない人が多い。しかし行動する人も見られるようになった。持続可能な成長をするには、全ての組織・国(新興国も含め)でガバナンスが必要である(※今でもガバナンスしていると思うが)。

第2章 地球規模の自然環境

・自然環境の中で暮らす豊かさは計り知れない。感覚・経験・味覚・臭覚・風習など、祖母から受け継ぐ「モノゴト」である(※モノコトとモノゴトが混在する。違いがあるのかもしれないが、モノゴトで統一)。※子供時代の経験が記されているが省略。
・その頃は水に化学物質は使われていなかった(※水の浄化?)。排便は肥料として、高く売られた。水は高地から低地に流れ、低地の田んぼを潤した。地域は協力して水田を管理した。地域には豊かなコミュニティがあった。話し合いの場は鎮守で、豊作の祭りを行った。春に田んぼを堰き止め、川の水を入れると、フナ/ナマズ/カエル/エビ/カニ/ミミズも入った。

・朝鮮戦争が始まると米軍基地でガソリン燃料タンクを清掃し始め、川が汚染された。工業化・近代化により大量生産・大量消費の時代になった。21世紀になっても、20世紀の繁栄に酔いしれている。

<01 地球規模の温暖化現象>

・2020年名古屋の初雪は2月10日で、平年より52日遅く、最も遅かった。地球規模の気温上昇で海水は膨張し、氷床・氷河が融け、海面水位が上昇している。1901~2010年で19センチ上昇した。温室効果ガスには、二酸化炭素/メタン/一酸化二窒素/フロンガスがあり、地球温暖化には二酸化炭素の影響が大きい。石炭・石油・セメントの生産で大量の二酸化炭素が放出されている。また森林の減少は、その吸収を妨げている。この問題には地球的規模で対処する必要がある。日本には「まだ大丈夫」の感がある。これは将来世代が負荷を担う課題である。

・日本には「考えようとしない」シンドロームがある。世界は帝国資本主義と国家資本主義が戦い(※前者は中ロ、後者は欧米かな)、曲がったデモクラシーのポピュリズムと、後戻りした強権キャピタリズムで混乱している(※前者は米国などで、後者は中ロなどかな)。日本は長期的視野に立った経験がないので、無理なのだろう。
・日本には、長期政権に対する提言の難しさ、新政権に対する従順さや、新規提案を曖昧にする風潮がある。しかし諸先輩の苦労を垣間見る事はできる(※具体例が欲しい)。

・欧米にはカーボンネガティブ(※脱炭素かな)の宣言をしている企業・専門家集団がある。彼らは温室効果ガスを認め、長期的削減を使命としている。EUは欧州グリーンディール計画を実施し、炭素税も導入する。欧米には理念があるが、日本は実利を重んじる。「三方良し」ではなく四方八方に便益を振り撒く必要がある。

<02 食べ物をムダなく作り、食べ、生活する>

・食べ物は生物に最重要で、戦いの原因にもなった。今は食べ物を大量生産・大量消費するが、これにより大量のムダが発生している。以下の食品ロス/廃棄ロスがある(※食べ物/食品/食料が混在するが、食品で統一)。
 ①1/3以上の食品が破棄されている。
 ②破棄される食品は、価格1兆ドル/重量13億トン。
 ③欧米で破棄される食品の1/4で、飢餓に苦しむ10億人に供給できる。
 ④破棄される食品に、膨大な土地が使用されている。
 ⑤重要な水の1/4が、破棄される食品に使われている。
 ⑥破棄される食品の半分以上は、家庭から出る。
 ⑦小さな小売店は、破棄される食品の2%しか出していない。
※本書は食料と食糧が混在するが、食料は食べ物全般、食糧は穀物と考え、食料で統一。

・人口が23億人増えると、食料は60~70%の増産が必要になる(※人口は30%増だが、後進国の近代化のためかな)。食べ物は、地域/気候/民族文化で異なる。また災害/ウイルス/細菌/害虫により出来栄えも異なる(※鳥インフルエンザ、牛海綿状脳症(BSE)などがある)。最近は自然作物を排除する動きがあるが、自然に戻すべきだ(※農薬や遺伝子組み換え作物への抵抗が存在する)。

・2020年はコロナウイルスでスタートした。人間は他生物で発生した細菌・ウイルスに感染する。また腸内には腸内細菌が存在する。食べ物から細菌を取り込むが、これと戦う免疫機能を持つ。免疫細胞の6割が腸に存在する。腸内細菌のバランスは重要で、善玉2割/悪玉1割/日和見7割である。人には数百種類/100兆個の細菌が存在する。

・人は、乳酸菌/ビフィズス菌/ヨーグルト/納豆/チーズ/漬物/泡酒/味噌/醤油などを食べてきた(※発酵食品だな)。そして排泄し、その排泄物を利用してきた。排泄物は未来を考える上で重要である。排泄物は伝染病の病原体になったが、肥料・飼料として利用してきた。人は細菌・ウイルスと戦ってきたが、戦略的・長期的・地球的に対策する必要がある(※最後は抽象的)。

<03 水資源>

・地球にある水の97%は海水で、残りの3%が淡水である。その淡水の70%は極地の氷山・氷河である。よって利用できる水は1%で、河川・湖・地下水にある。水は全生物に重要である。1人が1日に摂取する水は2~3リットルで、他に洗濯・炊事・風呂などの生活水が20リットル必要になる。人は水を確保するために工夫し、繁栄を謳歌した。しかし地球規模のインフラを整備する世紀になると、汚泥水域・乾燥水域の生活を放置できない(※難解。汚泥水域・乾燥水域でのインフラ整備が必要になる?)。

・人は田畑を作り、文化を発展させた。しかしダム建設や沿岸工事による歪は深刻である。河川上流での水使用と河川下流での水使用の歪は、問題を噴出させている(※具体例はない)。これは多国間の問題になっている(※メコン川かな)。
・水は酒・飲料・氷の原料になり、製品の洗浄にも使われる。それらに河川水・水道水・地下水が使用されている。これにより地盤沈下が発生し、排水・廃棄物による公害(水質汚濁など)も起きている。これらの問題は先進国だけでなく、工場移転された発展途上国・後進国でも起きている。

・水は森林を潤し、山脈に溜まり、平地に流れていた。石炭・石油が利用されるまでは、森林は燃料資源であり、食料供給地だった。しかし宅地造成/道路建設/食料増産(焼き畑、牧畜)により、森林破壊が進んでいる。これにより山崩れ/水害/災害/動植物の絶滅が顕在化している。
・水の上流域は水生生物(魚類、藻類、植物類)の源(※生息地?)である。川魚は上流域で排卵し、稚魚は藻や昆虫を食べる。上流域の生態系は重要である。そこには、カニ/エビ/カエル/イワナ/ウグイ/フナ/ヤマメ/アユ/コイ/オイカワ/ハゼ/ドジョウ/ナマズ/ボラ/ウナギなどが棲む。また川には鳥も飛んで来て、川虫・川魚を取る。
・森林の落葉/生物の栄養素は海に流れ、海の生物に届く。微生物-小魚-大魚-爬虫類-動物の食循環が存在する。生物は自然環境の中で生存競争を行い、自然環境として生命体を増やしてきた。

・小企業(漁業)・大企業・既得権益者の食の追求から、乱獲や河川・海洋での埋立やダム・堤防の建設が行われた。工場は廃棄物(水銀、ダイオキシンなど)を垂れ流し、魚介類に影響を与えた。これは朝鮮戦争時、進駐軍爆撃機のガソリン廃棄物の垂れ流しに始まる(※今話題の有機フッ素化合物かな)。

・海洋汚染・水質汚染はさらに進んでいる。毒素・化学物質の垂れ流しは緊急の課題である。水資源を他の資源と共にどの様に配分するかは、各国の経済体制が異なるため、目的・目標・戦略が異なる。自然資源の配分は、国々による利害対立を起こしている(※急に自然資源に拡大した。石油・ガス/鉱物・レアアースなどを含むかな)。国々だけでなく、産業間・企業間で私有権・採掘権・既得権などの対立を起こしており、総合的な話し合いが求められる。

<04 開発が終わった地域と、これから始める地域の平等>

・開発が終わった大都市は、ロンドン/パリ/アムステルダム/ローマ/ニューヨーク/サンフランシスコ/シカゴである(※なぜ東京がない。北京/南京/バグダッド/カイロ/イスタンブールなども古都もない)。これらの都市と、アフリカ/中東/アジア/南米の地域都市が、平等・対等にコミュニケーションできるかが問われている(※何を話し合うのか)。

・欧州の都市は都市計画されてきた。また農業産業革命/工業産業革命/情報産業革命/第4次産業革命を興してきた。一方アフリカ/ASEAN/南米の国は、これから産業革命が起こる。
 第1次産業革命-18~19世紀、欧米の農耕・地方都市で起きた工業化・都市化。工場が蒸気機関で機械化された。
 第2次産業革命-1870~1914年、既存の産業から鉄鋼・石油・電気などの産業が核出した(※急成長みたいな意味かな)。電気が大量に使われ、電話機/電球/蓄音機/内燃機関が発展した。エネルギー・インフラも整う。
 第3次産業革命-1980年代から始まるデジタル革命。パーソナルコンピュータ/インターネット/ICTなどである。人の知的作業を大幅に高速化させた。しかしコーディングは人がルールベースで行った。
 第4次産業革命-2010年代から始まる。世界中で技術開発が行われ、Webでソフトウェアが開発され、誰でもソフトウェアを利用できるようになった。これには人口知能も含まれる。技術が肉体内に入るようになり、ロボット工学/AI/ブロックチェーン/ナノテクノロジー/バイオテクノロジー/量子コンピュータ/生物工学/IoT/3Dプリンター/自動運転/仮想現実/拡張現実/複合現実などの新興分野で技術革新があった。※これは第3次産業革命(デジタル革命、情報革命)の延長かな。

・これから2030年までの進化が問われる。人間の定義すら覆る時代になった。世界経済フォーラムの創設者クラスス・シュワブは、「新しい産業技術は、10億人のWeb技術者を繋げ、事業・組織の効率性を高め、自然環境を再生する可能性を持つ」と述べる。
・今は地域間での文化・産業技術の隔たりが最も大きい(※世界は均質化してきたと思うが)。しかしこれからは開発スピードが高まる。スパコンは、1秒で9.3京回計算する。Disruptionしたのだ(※デストラプション。破壊的変革?)。

・SNS/ICTなどのコミュニケーション手段は進歩したが、コミュニケーション・ツールの使い方は「ザックバラン」である。エコーチェンバー現象が起きたり、ポピュリズムが満開している。コミュニティが侵され、ルール化されず、「フラフラ」している(※言論の自由があるので)。ルール化や人と技術の関わり合いが議論されていない。古びた手法や悪手とは決別する必要がある(※具体例はないが、トランプかな)。
・そんな中、コミュニケーションを深める必要がある。技術革新/イノベーションも重要だが、技術経済社会の課題だけでなく、個人の意思(考え、法規上の思い)と意志(成し遂げようとする心)を構築する必要がある。※今まででも新技術が開発されると、その使い方が問われてきた。

<05 廃棄物処理を地球規模で>

・近年頻繁に行われている貿易が、先進国から発展途上国へのゴミ輸出である。発展途上国はこれを埋め立てに使用している。またその利益は資本家・既得権益者・経営者に流れ、将来世代に負債が回されている。
・これは公平さに欠ける。廃棄物は、ゴミ/汚泥/糞尿/廃油/廃酸/廃油アルカリ/産業廃棄物/一般生活廃棄物に分けられる。また大気中のPM2.5の残留物も廃棄物である。ゴミ問題は地球規模で話し合うべきだ。

・19世紀後半より日本も資本主義/産業技術を改革し、資本を蓄積した。商品を生産すれば、その分ゴミ・廃棄物が発生する。このゴミ処理を考えてきたのだろうか。20世紀末、日本は歴史的処理記録・対策・解決策を問われた(※ゴミ処理の?歴史的処理記録?)。そして今は、それを世界中が見ている。日本は今の利益に邁進する後進国と言いたいのか。「マネしたい」論法では、世界中が呆れる。※日本はある程度のゴミ処理を実施しているが、一部を外国に輸出しているのは事実かな。

・日本は19世紀後半から近代化し、製品を生産した。ゴミは空き地/路傍に投棄され、不衛生で伝染病が発生した。これは今の後進国の状況と同じである。今は世界中を商品/旅行者が行きかう。新しい病原菌・ウイルスは地球規模の問題である。※ゴミから病原菌・ウイルスに話が変った。
・日本は高度成長期に大量生産・大量消費に進展し、都市ゴミ・工場ゴミ増大化させた。製造工程でも、汚泥・合成樹脂・廃油などが廃棄された。空軍機の廃油の清掃、建築廃材などの問題もある。工場から排出される有害物質・有機水銀・ガドミウムで公害も起こした(水俣病、イタイイタイ病など)。プラスチック製品焼却による煤塵・酸性ガスで大気汚染も起こした(※核廃棄物には触れていない)。日本はこの経験を活かし、他国と話し合うべきだ。

第3章 大災害に全ての人が対処する

・人は「災害なので仕方ない」と思いがちだが、今は情報を処理し、判断できる時代である。この意識を子供時代に学ぶ必要がある。そうしないと他者依頼/思考停止に陥る。他者依頼は依頼者に任せてしまう思考である。思考停止は滅多に起こらない事には悩まず、楽しみを優先する事である。災害時に自ら判断する事を、両親・学校が教えなくてはいけない。

・災害には緊急事態/非常事態などがある。また①自然災害(気象災害、地震火山噴火)、②人的災害(交通事故、航空機事故、大火災、爆発、化学物質汚染、原子力事故、テロ、戦争など)がある(※前者は自然現象別の分類で、後者は事故原因による分類かな)。情報処理が進み、判断が十分できる時代になった。「他人任せ」が蔓延し、民主主義が問われており、再構築が待たれる(※民主主義が関係する?自己意識変革?)。

・「自然災害は人では解決できない」との考え方から、支援金をもらう習慣になった。しかし今はリスク管理が可能な時代になり、経営組織を確立するのが当然である(※難解。経営組織?)。今は司法・立法・行政の三権が分離され、運営管理されている。この発展段階は各国で千差万別だが、経済的な災害支援がバラバラ(?)では、「オネダリ文化」を育んでしまう。国家だけでなく、地方行政/企業/家庭/個人も同じ現象になっている。※確かに災害に対し、国際・国内支援が行われているが。「経済支援するな」と言っているのか?

・これからは自然災害を減らす事が重要になる。自然災害には、暴風/竜巻/豪雨/豪雪/洪水/崖崩れ/地滑り/土石流/高潮/地震/津波/火山噴火/旱魃などがある。※防災・減災が重要なのは言っているが。

<01 近代化による洪水>

・20世紀の近代化により経済成長したが、様々な課題を残した。資本主義は中国の国家資本主義、米国の大富豪資本主義で混迷した。多くの課題は、期限を10年に設定し、解決策を実施する必要がある。

・洪水/自然災害/河川の氾濫を減じる必要がある。高層住宅はコンクリート化され、道路はアスファルト化・コンクリート化され、河川/上下水道が整備された。日本人は近代化されたと喜んでいるが、世界の評価は極限まで下がっている(※低評価の具体例が欲しい)。日本は化石賞を頂いたが、マスコミは取り上げない(※これは石炭の消費で、近代化とは余り関係ないと思うが)。

・今の日本を古代と比べると、地図が大きく変わる(※後述からすると地形だな)。河川の流れや砂浜の減少である(※防災目的かな)。中世になると干拓・治水が行われ、近世・近代になると河川がコンクリート化された(※昔は農地を浸水させても良かったが、今は宅地を浸水させるのは良くない)。
・21世紀になり第4次産業革命と経済革命が起こり、社会価値創出・経済価値創出が世界的戦略になった。そんな中、異常気象が頻発している。南極で20度を記録し、南米で山火事が頻発し(※これは人為的な農地開拓かな)、日本で洪水が頻発している(※2015~2019年の水災害を列挙しているが省略)。日本では毎年、台風・豪雨・大雨が起き、巨大化している。21世紀は洪水を想定した街作りになる。

<02 近代化と火山噴火・地震>

・20世紀、アジア/中東の都市が西洋化を進めた。しかし第4次産業革命が起き、第3次産業革命での都市作りでは問題が多く、座礁資産となる(※近年、モビリティ/エネルギー/ホスピタリティなどの都市構想をたまに聞く)。
・近年以下の火山噴火・地震が起きている(※1995~2019年の火山噴火・地震を列挙しているが省略)。日本人は大地震による損害を覚えているが、記憶には残っていない(※難解)。

・世界で気候変動が起こっている。気候変動は北半球だけでなく、南半球でも起こっている。宇宙の変化も想定する必要がある。オーストラリアで森林火災が発生しているが、この原因は「ダイポールモード現象」で、インド洋熱帯地域の海水温の上昇による。東アフリカで豪雨になり、大量のバッタが発生し、農作物を食い荒らし、食料危機になっている。インドの工業化による二酸化炭素で偏西風が影響を受け、高気圧が高まり、インドネシア/オーストラリアで晴天が続いている。

・災害は自然と人為で複雑化し、大被害を被っている。自然災害として片付けてはいけない。女性に対してはジェンダー平等、環境・人権・民族として災害にどう対処するかが問われている(※人権・民族と災害(自然災害?)が関係するかな)。

<03 近代化と津波>

・984年白鳳地震(南海トラフ巨大地震)が起き、土佐が津波に襲われた。それが日本書紀に記されている。2011年東日本大震災でも津波により、死者が1.6万人近くになり、原子力発電所も襲った。他にも遠隔地津波の記録がある(※列挙しているが省略)。

・海洋には様々な生物が存在する。2010年海洋生物を解明する国際プロジェクト「海洋生物のセンサス」(CoML)が調査を終えた(※センサスは結構使われる言葉みたい)。生物100万種以上が確認され、微生物は約10億種が確認された。

・国連は「世界海洋デー」(6月8日)を定め、以下について話し合っている。そして海洋資源を管理し、個人・団体の責任を明確にし、人類の幸福と経済的安全を維持する活動を行っている。
 ①地球気候の調整。
 ②エコシステムの供給。※説明が欲しい。
 ③持続可能な暮らし/レクリエーションができる許容量。
 ④漁業/海洋開発/外来種の侵攻/海洋汚染/陸地からの流出による被害。
 ⑤海洋での犯罪/海賊行為/強盗/麻薬の密輸。

・海洋は繋がっているため、災害が起これば他地域・他国に及ぶ。海洋には無限の生物が棲息する。戦後日本の河川で、魚の種類が激減した。今後は後進国でこれが起こる。自国だけで解決策を練ってはいけない。
・かつて日本の河川はウナギが遡上した。食料として魚を獲っても、減る事はなかった。しかし工業化・機械化・化学化で魚類は、ほぼ0種になった。それなのに社会・公共・行政・司法・企業・住民は無言である。極貧国では魚だけでなく、人命も損なわれるだろう(※極貧国は開発されず、影響はないと思うが)。先進国は汚染物質を垂れ流してきた。「後進国は多くの汚染物質を流してはいけない」では済まされない。国際的な話し合いが必要である。

<04 近代化と戦争・闘争などの人的災害>

・河川が国境を超えている場合があり、地中海などを経て多国が繋がっている場合もある。そんな中で災害が起きている。後進国では紛争状態が続いている。近代化による未処理物質や工場排水が堆積しているが、これが自然災害で巻き上がる危険がある。※自然災害の話をしたいのか、人的災害の話をしたいのか?

・民主主義社会では活発に話し合いが行われ、政争・党争・組合闘争・紛争・殺人・戦争などが行われている。ペシャワール会の中村哲さんが医療支援・農業支援を行ったが、紛争の道具にされた。これはタリバン/IS組織/国家組織/民主主義の話し合い・闘争なのかもしれない。※何らかの対立があると、話し合いや闘争が起こるのは当然かな。

・先進国と後進国や近隣諸国間で、対等な話し合いが必要である。交渉・闘争の勝ち負けは、統治者の論理が重要になる。あらゆる国のリーダーが短期的な利得選挙競争をしている。民主主義資本主義体制での論議には、長期的統治責任の不明確さが鮮明になっている(※「統治者の任期が短期のため、長期的視点に立っていない」の意味かな)。例えば、後進国の部族長がトランプと話し合える事が、標準にならなければいけない。SDGsは17の目標、169のターゲットがある行動指針であり、世界の全ての人がこれを認識し、行動する必要がある(※何でここでSDGsが出てくるのか)。

・3月8日は「国際女性デー」である。ジェンダー不平等はこの時代の不公正であり、人権課題である。この時代の問題解決は、これから始まると考える(※当然、今の問題は、今後の課題になる)。特に後進国では女性の権利が厳しくなっている。古代日本では、神が降りる場所を女性が掃き清めた。200年間男どもが戦い平和が保てなかった時、女性を立てて鎮めた(和をもって貴しとなす)。これは今の世界と似ている。世界はディスラプション(Disurapution。破裂、途絶、分裂、分解、破壊)している。この様な状態なので、話せる事だ(※女性の権利を?)。

第4章 全ての人が廃材・廃棄物処理をする

・人は誰も健康に気を配っているが、人間/猿人/生物/生命体として進化してきた歴史がある。将来世代の生命を脅かす事はできない。「廃棄物を減らす事はできない」では済まされない。これからは残存物・化学物質をゼロにする事が求められる。先進国が垂れ流した廃棄物を放置してはいけない。後進国に「これからは廃棄物を出さないように」では済まされない。資産運用で金持ちになった人と貧困の人が対等に交渉できているのだろうか。

・世界には進歩・改革が遅れ、生活がズタズタにされた人がいる。一方環境を奪い、搾取した人がいる。世界にはジェノサイドが存在する。世界の人が共通の理念・信念で話し合う必要がある。不公平・不平等の交渉で、物事を決めてはいけない。世界の人の生活の質を、平等・公平にする事が求められる。ソリダリティ(Solidarity。連帯)が求められる。SDGsは抜本的な改革を迫り、地球規模の危機の解決を促している。

<01 家族農業者が全ての廃棄物に責任を持つ>

・日本は家族農業/家族漁業が営まれてきた。近代になり、石炭社会/戦争/石油社会/情報社会と変革し、今は第4次産業革命が起きている。かつては自ら食物を作り、食したので健全・安全なものを食してきた。しかし今は大量生産し、企業化・資金化し、自らの作物を口にしなくなった。そして食物廃棄物が大量に処分されている。

・家族農業は先進国でも後進国でも主要な農業形態で、生産額の8割を産出している。これは雇用も創出している。しかし世界の8.2億人が飢饉に苦しみ、その8割が農業に従事している。日本の農業経営体は138万あるが、その内135万(98%)が家族経営体である。これは欧米も同じである(※ただし日本は大半が兼業かな)。しかし先進国でも格差が広がり、貧困者も増えている。

・2018年国連で「小農と農村で働く人々の権利宣言」が採択された(※内容の説明はない)。これに8ヵ国(米国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、スウェーデン、ハンガリー、グアテマラ)が反対した。これに食料輸出国や巨大アグリビジネス企業が見え隠れする。彼らは大規模耕作地/大規模倉庫/大規模運搬/鵜出・輸入の拡大で収益を上げる。これにより貧困層の食が破棄されている(※貧困国に食料が渡らないかな)。

・アグリビジネスは、農耕・畜産・林業・農業関連産業を指す。これは農業産業の総体で、農業生産資材の供給部門(種子、農薬、肥料、飼料、燃料、農器具、農業機械など)/食品加工部門(食品加工業者)/流通部門(運送、貯蔵、貿易、卸売、小売など)/外食サービス部門(飲食店、食品業界)/金融部門などである。農業は社会的分業化し、極度に進展した事業がある(※具体例が欲しい)。家族農業者の責任を明確にする事で、解決策が紐解ける(※何の解決策?廃棄物?食料不足?貧困?)。

<02 工場経営者が全ての廃棄物に責任を持つ>

・工場経営は日本が一番強い産業部門だ。変化を取り入れなければ新陳代謝できず、飲み込まれてしまう。それを英国の歴史が示している(※日本もかな)。17~19世紀、英国は産業革命を起こした。蒸気機関を開発し、工場制機械工業を成立させた。蒸気船・鉄道が発展し、交通革命を興した。経済成長は市民革命も引き起こした。
・英国で始まった産業革命は、ベルギー/仏国/米国/ドイツ/ロシア/日本と広まった。英国で始まったのは、原料供給地/市場となる植民地を持っていたからだ。17世紀英国は清教徒革命/名誉革命により経済・社会が改革され、資本が蓄積された。7年戦争後(※1756~63年、プロイセンとオーストリアの戦争に英仏露などが加担した)、世界は植民地獲得戦争になり、英国は産業革命を起こした。

・日本には19世紀後半にプラモデル的装置として持ち込まれた(※産業革命?)。インド/中国は植民地化されたが、日本は敗戦し、米国からの大量生産・大量消費/工業化を経て資金を獲得した。30年前にインダストリー4.0になるが(※第4次産業革命?)、日本は産業革命の経験がないので、何をどうするかの発想がない(※模倣だけか)。

・人類が経験していない社会・環境で、食・健康を重視した生活を想定する必要がある。農業関係だと、食品加工業者/運搬企業/小売店と進むが、中小企業/大企業/貿易会社/金融会社/行政者/司法者/立法家も含めての理論になる。スピードや全体性を持った解決策が必要である。※総合的な検討は難しいかな。するとしたら農水省か。
・今の工業工場経営では先細りになる。収益だけでなく、健康を維持するための食が重要である。運動・スポーツ・娯楽も考慮する必要がある。会社人・産業人・組織人・消費者・住民・市民・働く人としての健康が重要である(※こちらは厚生労働省かな)。工場経営者が廃棄物をどう処理するかが重要である(※余りにも的が広い話だ)。

<03 生活の便利さと廃棄物の増加>

・我々は先生から、生活の便利さを追求するように教わった。そして新たな課題解決には向かわず、それは便利さの追求で解消されると考えてきた。21世紀になり、「生活とは」「生きるとは」が問われているのに、未だに教育現場では以下を教えている。
 ①生活の便利さとは、安心安全な高層住宅に住む事。
 ②遠くから通勤できる交通手段は何か。※何で問なのか。
 ③世界の食材が何時でも買えるショッピングモールは良い。
 ④欲しい服が買える大都会に行こう。※これは買い物?移住?
 ⑤何時でも世界中のどこへでも旅行できる。
 ⑥新聞/ラジオ/テレビ/コンピュータ/パソコン/IT/スマホと情報社会は変革した。
・しかし以下の課題が存在する。
 ①高層住宅では、災害時のエレベーターの故障、耐震性、建て替えコストが課題。
 ②都市間を高速で移動しなくても、通信手段の機能スピードが増し、移動コストが課題。※移動を通信で補完できる?在宅勤務?
 ③人口減で、ショッピングモールがゴーストタウン化している。
 ④大量生産大量消費の流行ファッションではなく、自分独自のファッションの要望が強い。
 ⑤ジェット機を使わず、風力を使う船舶による移動の要望がある。
 ⑥アナログ(新聞、ラジオ)からデジタル(コンピュータ、IT)に変化し、住民主体・個人主体・民主的に取り扱われるようになった。※マスメディアからパーソナル・メディア(?)かな。

・工業化時代から便利さは増大したが、満足感が得られているのか、操られているのか分からなくなった。個人情報の管理整備が不安視され、情報化による便益の配布は蹂躙され、認識できない教育・情報操作で市場民主主義が問い直されている(※「認識できないい教育・情報操作」とは、「操作の確証が得られないい教育・情報」かな。市場民主主義も難解な言葉だ。情報民主主義かな)。便利さだけを追ったため、「忘れてきたもの」「人として大切なもの」が問われている。「生きるとは」「生き続けるとは」「将来世代とは」が問い直され、「将来世代の社会・環境・統治」が問い直されている。
・狭い範囲の便利さから、低コスト/超高速処理/高品質が求められる(※具体例はない)。情報の取り扱いで遅れた事が、世界から遅れた原因である(※最後は日本に限定した話かな。何時も最後で話を飛ばす)。

<04 廃棄物を放置する事の負荷>

・人は、糞・尿・涙・鼻水・つば・耳垢・髪の毛・フケ・爪などを廃棄する。かつて日本は、動物の廃棄物・残存植物・人糞を混ぜ、肥料にしていた。それが未知の化学物質を含んだ肥料を使用し、食物を作るようになった。今は科学者・産業者・行政者が化学物質の配分を民主的に決め、それで安全を守っている事になっている。※怖い話ではある。
・新しい化学物質が次々と開発されている。また新たな科学的な発見や新生物が発生した場合、後戻りできない(※科学的な発見の採用は、人が決められるのでは)。2020年コロナウイルスが世界中で跋扈した。※今はバイオテクノロジー/遺伝子工学が盛んだ。病原菌/ウイルスは危惧される。

・人の廃棄物を肥料にする食の循環や、再生可能エネルギーが求められる。動物・人の糞尿と無農薬の食物からメタンガスを発生させ発電したり、肥料が得られる(※バイオマス発電の1つだな)。しかし難題があり、解決策に至っていない。
・再生可能エネルギーを長期的に評価する場合、アグリビジネスの家族単位を、①食、②エネルギー、③小口と捉えれば、化学的な安心安全の費用を削減できる(※何か難解)。小規模多機能農業事業者であれば、牧畜/養鶏/田畑耕作/バイオマス発電/ゴミ処理/食品製造/食品販売/宿泊業/地域案内業が考えられ、製造流通システム/生産消費者システムも含めて総合的に進められる。※農業の6次産業化かな。しかし小規模農業事業者に可能かな。
・地球は限定的なため、長期的視点から低コスト・高品質な生産が求められる。各地域が主体的に課題を解決し、事業化する事で、各地域で異なったスタイルのスマートシティが出来上がる(※tp市計画に話が飛ぶ)。それには3R、①リデュース(減らす)、②リユース(何度も使う)、③リサイクル(再資源化)が重要である。※リフューズ(発生回避)、リペア(修理)を含めた5Rもある。

第5章 コンクリート工事慢心症

・21世紀末までに地球規模の気候変動が起こり、各地で気候災害が起こる。経済的負担が増大し、経済はマイナス成長になる。コンクリート化した都市は崩壊する。日本の都市は、戦国時代に扇状地の砂地に作られた城下町に始まる(※この意見は同意。農地に城下町を作るのは難しく、耕作されていない三角州などに城下町を築いた)。明治以降に工業化が始まり、干拓を進め、港湾・工場を造った。そして課題山積のコンクリート・ジャングルになった。

<01 戸建住宅と街作り・人作り>

・コンクリートは古代ローマ/古代エジプトでも使われている。ローマの墓にはローマン・コンクリート(※これは知らなかった)がむき出しのものがある。ローマ水道/ローマ橋もコンクリートで作られている。

・日本には竪穴式住居があった(※詳細説明しているが省略)。昭和初期、田舎は藁ぶきの田の字の住居だった(※これも詳細説明しているが省略)。家に水を引き、飲み水にした。庭の池でコイを養い、野菜・食べ物を洗った水は田畑の用水路に流した。しかし高度経済成長で伝統的生活文化は西洋式金銭文化/資本主義競争文化に変わり、その歪も近代化で解決できるとされた。
・今「生活のゆとり」が問われている。古来は自然・動植物が豊富で、村は自治をしていた。

・明治になり西洋建築が取り入れられる。欧州の建築文化も、ロマネスク様式/ゴシック様式/ルネサンス様式/バロックロココ様式/新古典主義様式と変化している。欧州人はこの変遷を経験し、近代になり機能的・合理的な造形理論に基づく建築が始まる。1920年代、鉄・コンクリート・ガラスを用いた建築様式が成立する(※建築事例は省略。建築様式に名前はないのかな。モダニズム建築とかあるみたいだが)。欧州には複合的な民主・資本・社会の改革を成し遂げた歴史があり、後進国が真似ると不都合な生活習慣文化に惑わされる(※具体例が欲しい)。※欧州は住居にレンガも用いる。また修繕して長く使う。

・豊かな生活には、家族・自然・会話する村落が欠かせない。そのため街作りには、民主・資本・社会が必要である。先進国・新興国共に自由・平等・公正なコミュニケーションと責任を取り、維持管理運営されるべきだ(※抽象語の羅列ばかり)。自国で住居を作る時は、長期的管理コストを削減でき、精度・品質が良く、世界の人が興味を持つ建物にすべきだ。これからは17のゴール/169のターゲットを目的にしなければいけない(※この人は国連の回し者か)。

<02 集合住宅と街作り>

・日本は国土が狭く、人口が多いため、集合住宅で長期的・安定的に生活するビジョンが求められる。自分だけでなく、世界の事を考える「街作り」をする地域は、豊かな生活が得られる。20世紀の街作りでは、インフラ工事による浪費が膨大になり、世界からの支援金・助成金で賄われる国になる。そうならないためには、地域の意志/やる気が重要になる。

・コモンズ/共有地/公共財/コモンウェルスの言葉がある。欧州を旅行すると傾斜地に牧草地や畑が見られる。200年前、蒸気機関のために森林が伐採されたと聞いた。1850年代欧州でどの様な農業が行われていたのか。景色を眺めながら、ウィーンからミュンヘンに向かった。欧州は元の自然に戻るのだろうか。※珍しく感想。

・中世欧州では、村全体で三圃制が行われた。春耕地で豆・大豆、秋耕地で小麦・ライ麦を栽培し、休耕地で家畜を放牧した。人工的な肥料(※中世には当然ないと思うが)は使用されなかった。しかし工業化されると、農業も商工業化され、貨幣経済を復興させる(※貨幣経済の中断があった?)。
・イタリアではレバント貿易、商業のルネサンスへ発展する。人口増加により、植民地運動が始まり、十字軍運動/ドイツの東方植民/リベリアのレコンキスタ/オランダの干拓/キリスト教の巡礼が起こる。※14世紀中頃にペスト(黒死病)が大流行したので、人口増加はその後かな。ただし十字軍はそれ以前(12~13世紀)の出来事。

・英国で「三分割制」と呼ばれる農業革命が起きる。土地所有者の地主、地主から土地を借りる借地農(農業資本家)、借地農に雇われる農業労働者である。今欧州でどうなっているか知りたい。21世紀の世界の小口農/小家族農業の生活空間を探りたい(※把握していないのか)。※日本は戦後農地改革が行われたので、欧米は自作農(家族農業)が大半なのでは。

・集合住宅には、SRC鉄骨鉄筋コンクリート造りが丈夫で長期使用が可能で、耐震性も高く、洪水にも強い。しかし課題は多い。家族農業者/農業従事者/農業経営者を、どの様に住まわせるかが課題である。※これが多くの課題の1つかな。ただし集合住宅に住むのは事務労働者で、農業労働者ではないと思うが。

<03 超高層住宅、タワーマンション>

・高層の建物にエレベーター1つでは対応できない。停電・地震・テロなどの時、選択できなければ機能不全になる。都市災害が起き、住居に退避しなければいけない事件が、東京/ニューヨーク/欧州で起こっているが、報道されていない(※具体例がないので、善悪の判断ができない)。

・新型コロナウイルスによるパンデミックで、ロックダウン(都市封鎖)が起きている。日本が襲われる時は、感染と経済が混ざりあった状態になるだろう。病原菌が広まる可能性を考慮し、住まいを作る必要がある。安心安全な生活が重要になっている。日本は都会での暮らしにおける問題を公表しない文化がある。利益を優先し、住まいを犠牲にしている。※通勤ラッシュ/通勤時間などの問題があるかな。
・21世紀は豊かな生活をデザインする必要があるが、都会化で経済的富を確保する事が許されるのか(※富を得るのは不動産業/建設業?それとも都市に会社がある企業?)。将来世代が超高層住宅に住むだろうか。建物の階層の中でも相反する問題があり、安穏な生活が確保されていない(※具体例が欲しい)。東京には既得権益者が多いため、課題は報道されない。

・古代から高層建物は象徴だった。災害により崩壊するが、神の怒りとして「仕方ない」とされた。そのため今でも、原因を追求せず、支援金の話に変えている。短期的統制的利益が優先され、負荷を増大させている。※この批判パターンが頻出する。著者が強く訴えているのは、反地球温暖化/反経済支援/反グローバル化かな。
・これからは生涯社会コスト・未来社会コストの設定が重要で、建設費用・維持管理費用・建て替え費用を考慮する必要がある(※以前からそうなっていると思うが)。高層住宅には、病院/学校/店舗/公園/発電/水源/散歩道/自然/避難路が必要で、内装変更/配管なども考慮する必要がある。医療でも少子高齢化で、新しくなる医療体制・医療報酬・経営がある(※突然医療が出てきたが、これは何だ。高層住宅に「その準備をしろ」と言っているのか)。高層住宅を地域と考え、老人に子供の世話をさせてはどうだろうか(※現実は若い女性が保育しているかな)。新しい仕組み・解決策は若者の起業を促す。

・昔は駄菓子屋があり、爺婆が世間話/男の甲斐性/できた女の話をした。自然の中で、その話を聞くのが楽しかった。それが子供の思想の根底になった。※かつては地域が子供の価値観を作ったかな。今は両親と学校かな。

<04 ダム・橋・発電>

・古代都市の発展には食料が必要で、水を確保するためダムが建設された。紀元前2900年代、エジプトはナイル川を堰き止め、文明を発展させた(※逆に氾濫させ、土地を肥沃にしたのでは)。今も井堰が点在する(※古代アラビア/古代中国/ローマの例は省略)。1747年スペインで製粉用水車のための貯水ダムが作られる。これが欧州発展の基盤になる(※随分遅いな。活版印刷は15世紀半ば、蒸気機関は18世紀初期で、既に実用化されている)。
・1824年英国でセメントが発明され、セメントでダムを作るようになる。19世紀後半英国で都市化が進み、給水のためダムが各地に作られる。1933年米国はニューディール政策で各地にダムを作り、発電・灌漑・洪水調整を行った。
・日本でもため池・堰堤が作られ、治水・利水・治山・砂防が行われた。堰(いぜき)は各地にあり、筑紫地方にも多くのため池があり、水城/老司の堰などがある。※讃岐のため池も有名だな。

・都市にはコンクリートが重要だが、持続可能な街作りを再定義する必要がある。ダムインフラにどのように取り組むかが問われている(※近年はダムを撤去するケースもある)。
・日本は無数にダムを造り、法的な管理を先延ばしにし、発電・灌漑・飲水・用水の課題を山積させている(※具体例が欲しい)。早く解決策を見出し、世界に発信して欲しい(※日本は雨量が多く、急流なので、発電には向いている)。

・日本は高度成長に酔いしれているが、それでは競争に勝てない。今の競争は20世紀と異なり、金融経済競争が絡み合う政策金融経済で運用され、責任の所在が不明になっている。人は民主主義・資本主義を怠ると戦争に向かう。今は競争が激化し、混沌となり、解決策は見い出せず、戦いに向かっている。
・今は1世紀前と似ている。自国主義から貿易戦争が続き、各国にポピュリズム指導者が現れ、自由・民主主義・資本主義を脅かしている。人間の弱みを補うかが問われている(※欲望は人の性だが)。

<05 道路・高速道路・トンネル・鉄道・空港・港>

・2020年コロナ静寂になり、時代の岐路に達した。明治以降、大規模に工事する教育を受け(※そんな認識はないが)、組織体に配属されてきた。世界がコンクリート化されると、地球の自然は破壊される。地球をコンクリートで蓋をする負の遺産を止める事ができない。降った雨は山から川・海に流れ、動植物を進化させてきた。生物を絶滅させて平気なのか。日本人も「コンクリート化すると便利なので」と平気である。このままだと地球が崩壊する。何が必要で、何が不要かを早く判断し、行動する必要がある。※メンテナンス費用は大きな問題かな。

・今は古代ローマの「パンとサーカス」である(※衆愚政治かな)。一人ひとりの責任が問われるのに、まだ享楽に耽りたいと言っている。コンクリート化もトンネル化も地球を脅かす。空港も港も同じである。飛行機も船舶も大量の廃棄物を出し、エンジンの清掃用水も大量に使われる。地上の建築物も課題である。将来の生物に対し、負荷を掛けてはいけない。速やかに決断し、対処する必要がある。各自の責任が問われている(※これの繰り返し)。

<06 護岸工事>

・護岸工事は、河川と海の2種類ある。日本は河川の両岸をコンクリート化してきた。一方欧州の護岸はグリーンを残し、なだらかな草原を流れる(※日本は雨量が多く、激流になる)。欧州の河川は多国を流れるので、化学的混合物/汚物/廃棄物を流さない仕組みがある。一方日本は河川だけでなく、用水路までコンクリート化されている(※石垣・土塁もあるかな)。日本は近代化に固執している(※利権もあるかな)。

・欧州は「豊かさ」を市民のものとしている。それをアジア人・アフリカ人は気付いているのか。欧州の河川はグリーンで埋め尽くされている(※基本的に欧州は平坦で、土地に余裕があるかな。日本だと大きな河川は氾濫防止のため拡幅され、コンクリート化される。小さな河川だと古くからの並木が残されていたりする)。これは地域住民の協力による。電線も看板もない。街を古典的に維持するには住民の理解が必要になる。

・令和2年をウィーン/ザルツブルクで過ごし、ドナウ川を体感した。グリーンが多く、暖か味を感じ、「真の豊かさ」を感した。45年前スイスのレマン湖畔のレストランで食事をした。その時ウェイターが「欧州人の金持ちは冬にアフリカ川へ(※ナイル川?)、平民は地中海南岸で1ヶ月を遊んで過ごす。湖畔の4階建て建物が私の住居」と言った(※夏季休暇が長いのは知っていたが、冬期休暇も長いのか。しかもアフリカに渡るのか)。これは高度成長末期の私(※著者)に疑問点として、長い間記憶に残った(※「日本人は働き過ぎ」と批判された時代だな)。彼は「お金をもらう事ではない。今からでもイタリアに行きたい」と言い放ったのだ。その時から思っているのが、「自然を取り戻すにはどうすれば良いか」である。これからは自然を豊かにし、地球全体を豊かにしなければいけない。※働き方と自然は直結しないと思うが。

・日本はこの10年で、東日本大震災(2011年)/熊本地震(2016年)/北海道胆振東部震災(2018年)を経験している。マグニチュード3以上の地震は毎月5千回ある(※1日170回もないと思うが)。地震は構造物/護岸工事にひび割れを起こさせる。そのためこれらは何れ崩れる。日本の建物の耐久年数は短く、米国は日本の3倍、欧州は2倍以上である。これは地震が要因ではない(※よく分からないが、「建物の耐久性を高めろ」と言っているのか、「建物の耐久年数基準を長くしろ」と言っているのか)。

・日本の生産性は先進国で最も低い。日本人はそれを気にしていない。コンクリート工事の生産性を向上させるのは、日本の命題である(※ここからは経済効果ではなく、工事の生産性かな)。日本はコンクリート工事の実績があるのに生産性が低いのは、技術改革だけでなく、構造的改革が行われなかったのが原因である。生産性を高めるには、サプライヤー/施工会社/下請会社/設計会社の利益相反を下げ(※収益の均等化?)、作業精度を高める必要がある。
・生産性とは投入した資産と、産出する資産の比である。日本はこれが低いと評価されているが、報道しない。SDGsも評価が低いのに、報道されない。高度成長期、私はカリフォルニアのサクラメントで農業研修した。この頃は日本は高く評価されていた。しかし今は低く評価されている。

第6章 輸送交通のムダ

・最近、MaaS(Mobility as a Service)の活動が盛んである。多岐にわたる移動手段を、経営主体を問わず、ICT技術を活用し、サービスとして提供する。またCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)なる移動手段が追加され、都市開発・街作り・仕事作りとセットで行われている。トヨタは東富士研究所のスマートシティを世界に発信している。そこでは環境エネルギー/運輸交通/生活医療健康/公共行政/産業/教育文化/トヨタのサービス/NTTのサービスなどがネットワーク化されている。

・自立走行/連結/移動/消費が形づくる社会は大きく変容し、新しい産業システムに転換する。DX(デジタルトランスフォーメーション)はITテクノロジーが生活を豊かにする概念である。これからはデジタル技術で獲得した資産の活用が求められる。工業化時代の収益企業はDXに手を出そうとしない。危険を冒す行動はできないようだ。21世紀は競争社会である。遅れを取り戻すには、莫大な費用・苦労が必要になる。このままでは戦前と同じ全体主義に入り込む(※よく分からないが、全体主義になるのか)。
・誰もが着手しないといけない。世界に通用する企業でないと、取り残される。消費者もプロシューマー(生産者と消費者が一体になった消費者)も取り残される。アフリカでは創造的な技術で雇用を生み出している企業に投資し、収益を上げている(※投資しているのは誰だろう)。

<01 ガソリン自動車から電気自動車へ>

・21世紀に入り、自動車は「移動手段」から「個の移動空間」に変容している。自立連結走行が可能になり、移動と消費が形づくる社会が変容している。今までより遥かに広い空間を移動できる経済社会になった(※新しい移動手段が生まれた感じはないが)。
・ガソリン自動車の前は馬車だった。1頭立ての馬車が日本の道幅を決めた(※明治になり馬車が使用されたかな)。2頭立て馬車は王様・貴族が使用し、これにより計画道が造られた。米国での西部開発で庶民も使うようになり、それがガソリン自動車の道幅になった。

・エネルギーは、木材/石炭/石油/電気/水素と技術変革を続けている。経済の転換を自ら行ってきた国は、経済ルールを変更し、収益を倍増させた経験知がある。一方後追いをした日本は、それがない。今は経済変革の時代に入り、世界で電気自動車の実証研究が行われ、新たな技術開発が行われている。エネルギーは経済変動を起こし、経済改革・法制改革が行われ、経済成長が成された。これからはガソリンから持続可能な電力経済に移行する。
・「個の移動空間」に対応する技術経済システムにならないと、競争資本主義社会で生き残れない。経験知がない範囲に入り込む勇気が必要である(※今の日本の自動車産業は上位にいると思うが)。

・私達はこのままでは持続不可能な事や、資源が有限で偏在している事を知っている。この問題は一国一地域の問題ではない。企業が社会/環境/ステークホルダーに対し、責任ある行動を取る時代である。企業に頼るだけでは解決できない。組織・個人にも主体的な行動が求められる。中途半端な民主主義・競争資本主義的行動では認めてもらえない。

・産油国は生産量を調整し、石油価格を維持している。しかし持続可能な太陽光への切り替えを試みている。持続可能な産業社会構造である。20世紀は低コストで生産すれば収益を上げられる社会だった。そのため自国生産から途上国生産に向かい、さらに後進国生産に向かっている。この現象やICT化・AI化・機械化により、先進国の労働者・会社員は減少している。勝手な資本家・投資家に任せず、国民が変革に着手する時代である。

<02 鉄道電車は連結自動車へ>

・交通システムにオンデマンド・システムがある。オンデマンドとは利用者の要求に応じ、提供者が機能・情報を提供するサービスである。交通手段としても好きな所から好きな所へ移動ができ、高齢者向けとして研究されている。実証実験が進められているが、データが収集され、アルゴリズムが開発されれば、運用計画が作られる。高齢者だけでなく、年少者・一般人・外国人も含めてデータ収集するのが望ましい。※詳しく解説しているが簡略化。
・老人には自然環境の良い所で過ごして欲しい。そのため、公共施設/病院/スーパーマーケット/郵便局/銀行/友人宅/パチンコ店/マージャン店/仕事場などに自由に移動できたら良い。行き先・時間などが管理運営されれば、新しい交通移動サービスに発展する(※簡略化)。※地方には巡回バスがあったりする。

・移動手段だけでなく、道路/環境インフラ(?)も変容しなければいけない。今まで通りでは債務が増え、ムダが増え、魅力はなくなり、過疎化が進む(※具体例が欲しい)。インフラも含めた課題の解決には、中間層が重要になる。中間層に、より創造性の高い業務を与え、社会の生産性向上に役立てる。新しい要素を付加した仕事を創り出す事だ(※スマートシティなどの計画かな)。
・世界の自動車業界でCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)が注目されている。プラットフォーマーが新しい技術で実施すれば、他の組織は後追いできなくなる。着手が遅くなると、追い付くための負荷が増え、じり貧の国・地域になる。
・世界がコロナウイルスでパンデミックになっているが、病院にスムーズに移動する空間を構築すれば、第1~4次パンデミックの対策になる。感染症対策・地震対策・気候変動対策・軍事対策を含めたインフラを世界に発信したい。

<03 トラックは無人自動運転機へ>

・日本は明治になり西欧近代化を進め、20世紀に急激に発展する。100年前(1920年)米国は第1次世界大戦の特需で繁栄し、世界は英国型から米国型の自由民主・資本主義に移行した。しかし日本は世界の経済社会がどのように変わるか理解できなかった。米国は大量生産大量消費が確立し、「黄金の20年代」となり、自動車・ラジオ・洗濯機・冷蔵庫が普及した。

・日本も第1次世界大戦景気になり、繊維・造船・製鉄・海運が発展し、百貨店が開店し、ラジオが始まり、多くの雑誌が創刊された。しかし1920年代、戦後恐慌/大震災/金融恐慌が起きる。都市では中間層が大正デモクラシーを主張し、普通選挙法が成立し、政党政治が始まる。
・21世紀に入り第4次産業革命が始まり、DXにより経済全体の仕組みが変わろうとしている。しかし見誤ってしまうと、100年前と同じ事を繰り返す事になる。2020年コロナウイルスが世界経済を停止させ、大恐慌に陥る恐れがある。100年前もスペイン風邪が猛威を振るっている(※経済のブロック化なども含め、大変似ている)。

・世界の人は、100年前の事を理解し、意識改革しないと、成長の足枷になる。日本は明治に西欧化し、大敗戦し、経済復興した。しかし世界の人は、この様な西欧化では対応できない事を認識する必要がある(※何時も問題提起だけ)。
・21世紀は人の生活様式が大変革した。行動のスピードアップが経済成長の担い手とされたが、100年前と同様にパンデミックを起こした。不要なものには手を出さず、医療・交通・食料・教育に手を出すべきだ(※一応問題提起に対し、重要分野は掲示した)。そして20世紀型の企業本位にしない事だ(※資本主義の変革は難題)。

・21世紀は顧客の事を考えた「コト商品」を創り出す事である。コラボレーションの言葉があるが、「一緒に働き、話し合い、新しい仕事を編み出す」と考えてはどうか。まずは交通輸送を顧客本位に変革し、世界に広めてはどうか。あるいはパンデミック商品を発案し、これからの商品としてはどうか。パンデミック時に最重要なのは、医療・食料・自治・教育である。この最低限の項目を「全項一如」(全項目を取り残さず)輸送する仕組みである(※自治・教育も輸送する?)。

・ムダをなくすことが重要である。
 ①医療項目-ムダをなくした医者・看護師・患者・老人・治療薬・医療品。
 ②食料項目-ロスをなくした主食・総菜・肉類・魚類・調理食・栄養食。
 ③コミュニケーション項目(※自治?)-ムダをなくした自治長・役員・住民・関係者・記録文書。
 ④教育項目-ムダをなくした講師・受講者・先人・若者・教材。
・「ムダをなくす」とは低コスト化ではない。日本は個人的で経営理念が古い。コストダウン経営だけでは不十分で、コスト/スピード/品質を同時に満たす必要がある。また技術イノベーションだけでなく、バリュー・イノベーション/創造価値イノベーションも必要である。

<04 飛行機は無人飛行電動機へ>

・パンデミックで石油価格が下がり、先物取引では価格がマイナスになった。石油を買うと「お金がもらえる現象」になった。なぜ現象かと云うと、単に経済問題ではなく、多くの要素を含んでいるからだ(※これは一瞬の事だったかな)。前時代の残存機能である石油輸送船・貯蔵タンクなどをどう処理するかが、市民・投資家に委ねられている。

・それなのに日本は理解できない現象が起こっている。世界では持続可能なエネルギーが上昇し、そのコストは既存エネルギーより低くなっている。世界の投資家は、負の資源に投資するはずがない。それは西欧の市民・投資家は、何度もエネルギーの転換(木材、石炭、石油、電気)を経験し、技術戦・投資戦を繰り広げてきたからだ。
・一方日本は後追いをしてきただけで、経験知がない。東洋的感覚/儒教・仏教思想などによる為政者の見解が東洋的に伝えられる(※保守的・従属的かな)。世界は資本主義だけでなく、民主主義においても競争原理が基本にある。

・台湾の蒋介石の霊廟には「民主、倫理、科学」とある。台湾も経験時間が短いが日本も短く、投資性・成長性を含めた議論ができるのだろうか。一方西欧は民主主義・資本主義の大転換が起こし得る。IT技術により、欧米では民主主義・資本主義が問い直されている(※IT技術?SNSの事かな?)。そのため中国の様な強権的な国家が現れ始めた。

・今後飛行機がどのように変化するか想定する必要がある(※何時もだが、本題についての記述は少ない)。「ガソリンを使い続けるのか」「小型飛行機のドローンはどうなるのか」「大型飛行機のオスプレイ(※大型?)はどうなるのか」。技術開発の遅れは国軍の弱体化になる。そのため米国は最先端の兵器として飛行機器を研究開発している(※詳細省略)。
・飛行輸送で考えておかないといけないのが、燃焼エンジンの点検清掃による残存物である(※本書で頻出するな。PFOS・PFOAかな)。20世紀の基準ではなく、21世紀の基準を策定すべきだ。汚染は大気汚染・河川汚染・海水汚染と留まる事がない。

<05 船舶は水素エネルギー船舶へ>

・日本のLNG火力が問題視されている。日本は天然ガス・石炭の消費量が多く、発電の65%が天然ガス・石炭である。日本は化石賞を受賞したが、報道されない。日本は自然エネルギー化されていない(※天然ガス・石炭は当然再生可能エネルギーではないが、自然エネルギーだったはず)。
・LNGは2週間しか備蓄できないため、輸送船の運行を絶やす事ができない。パンデミックを機会に、持続可能なエネルギーを実装すべきだ。あらゆる災害を想定したエネルギー政策が求められる。
・20世紀は世界中からエネルギーを買い集め、商品を製造し、世界中で販売する事ができた。しかし自然エネルギーの製造原価が化石燃料より安価に成りつつある。船舶で輸送する事は、国の負荷になる。グレタ・トゥーンベリさんはスウェーデンから米国への移動にヨットを使用した。輸送手段においても、21世紀には新しい基準がある(※飛び恥じとかある)。

・古代から船は重要な輸送手段だった(※詳細省略)。欧州では8世紀後半、バイキングが帆走とオールが使えるロングシップを用いた。15世紀大航海時代になり、大型帆船が開発され、ポルトガル/スペインなどがアフリカ大陸/アメリアk大陸/インド太平洋に侵略し、植民地化した。1588年英国のガレオン船がスペインのガレー船に打ち勝ち、英国は世界中に植民地を持つようになる(※海軍と陸軍の戦いだったらしい)。
・1775年米国独立戦争が始まる。スペイン/オランダ/フランスが13植民地側に付いた(※詳細省略。考えてみれば第2次世界大戦以前、植民地の独立戦争は珍しいのでは。南米は衰退気味のスペインからの独立なので、戦争にならなかった?)。この戦争でアフリカ系奴隷が米英両軍に参加している。またミシシッピ川以東の多くのインディアンが英軍に参加している。※米国独立戦争も宿題だな。

・大航海時代のキャラック船は3本のマストを持つ。17世紀にはキャラック船を進化させた5本のガレオン船になる。1807年外輪を付けた旅客蒸気船が造られる(※軍事ではなく民間が先なのかな)。1845年グレート・ブリテン号が大西洋を横断している(※鋼船による初の横断みたい。この頃は民間主導かな)。
・日本は1890年鋼船「筑紫川丸」が造られ、1898年大型客船「常陸丸」が造られる。今世界ではFV(水素燃料電池、※Vは乗り物(Vehicle)で、FC(Fuel Cell)では)による船舶の開発が進んでいる(※詳細省略)。

第7章 世界的な中産階級の放置責任

・今までで一番放置されてきた課題が、中産階級の立場で話されなかった事だ。自由資本主義社会の競争に打ち勝った資本家・投資家がどうしようが自由とされ、競争社会では勝ちようがない労働者の立場に立つことが必要とされた。米国では中産階級の崩壊が始まり、中産階級が貧困階級と同じレベルになったとの論争が始まっている。社会/産官学/ジャーナルは、超低所得層と超高所得層の論理だけをしている。産業分野・官僚分野・学研分野・ジャーナル分野では、ガバメントとガバナンス、ビオクラート(反論主義者)とシビル・サーバント、スタディとラーニングの言葉が曖昧で、一般市民・中間所得層の拡充に話がいっていない。※言葉が曖昧な事と中産階級が放置されている事が関係する?

・戦後の支援・援助の論理が今も同じレベルで使われている。そのため先進国が貧困国を支援・援助する論法になっている(※著者が支援・援助を嫌うのは、腐敗を支えるからかな)。国連でも貧困国を支援する論争が行われている。これも強権者と弱者に分ける論法で、高資産階級と低資産階級に分ける論法である。今はAI・IT化で世界は素早く繋がる。世界の大部分を占める一般市民にどう対処するかが重要である。それなのに全ての国がその様な教育をしていない。為政者は自分の地位のために政治を行う傾向がある。

・800~1050年北欧のバイキングが西欧を侵略した。この北方系ゲルマン人の生活様式・思想・自由主義が、欧州に引き継がれている。彼らには海賊・略奪・植民のイメージがあるが、入植地では農民漁民だった。
・「自由」には、解放され気ままな「freedom」と、権利・特権・勝手な自由「liberty」がある。自由民主主義は「liberal democracy」であり、新しい地域への進出/新天地の開拓/侵略は自由なのだ(※この自由は後者の自由で、保証された自由/獲得した自由かな)。
・近世になり、スペイン/ポルトガル/英国/米国などが世界を侵略した。これからは中間所得層として暴力・威圧などの弁論を使わず(※手法かな)、あらゆる物事を受け入れ、あらゆる課題に立ち向かう自由が必要である。

<01 古い制度での歪>

・今までは大量生産・大量消費により利益を産出してきた。しかし21世紀に4次産業革命が起き、消費者構造も産業構造も変わった(※変ったと思うが、激変まではいかないかな)。そのため社会システム・制度も生活に合わせ、新しくする必要がある。これには膨大なコスト、人の意識改革、全ての分野での試行錯誤が必要になる。そしてこれを放置しているのが日本であり、世界現象になっている(※何か変な文)。構造変更は簡単ではないが、これをしないと支援・援助してもらう文化になり、人が溺れてしまう。

・しかし人は太古より、生活・村作りのためには自分の意志が重要である事を知っている。アドボカシーは「政治的・経済的・社会的システムや制度を、支持・表明する個人・グループ」を意味する(※調べると、アドボカシーにも様々な形態があるようだ)。そしてこれが求められる。デジタル技術の進化と社会価値観の変化は、制度の変革を必要としている。既得権益者は自分の利益のための話しかせず、そこに中産階級・一般市民の言葉は出てこない。中産階級はこれに気付かないといけない。

・新しい世界は、システム・制度に対し「使う責任・作る責任」が問われる世界である。ディスラプション(破壊的イノベーション)は産業構造を変革し、経済成長の柱になる。世界は目に見えない膨大な便益が産出される時代になった。そのためシステム・制度を中産階級のために柔軟に変える必要がある。しかし誰もこれにか関わろうとしていない。
・21世紀はアドボカシーが当たり前になり、責任になる(※ITにより情報の取得は容易になったので、後は行動かな)。世界はシステム・制度を「使う責任・作る責任」の時代に変わった。利害関係者全員が責任を持たないと、競争に負ける時代になった。

・大和の国名は700年代から使われ始めた。それ以前は倭国(わの国)だった。自然を崇拝し、文字を持たなかったが、「和を以て貴しとなす」としていた。大陸の国が滅びると、負けた国の人が渡来してきたが、彼らと戦わなかった。しかし渡来人同士の戦いに倭人も巻き込まれ、200年の内乱が始まる(※こんな説もあるのか)。卑弥呼が収めるが、再び200年の内乱が起こる。結局飛鳥が倭国になり、奈良盆地の南東と大阪湾の南東に都市を作る。しかし渡来人の藤原氏が、中華思想の北向きの藤原京・平城京・平安京を作る。これにより劣後する国になった。※それまでは宮で、藤原京(新益京)頃から中華思想の京を作るようになった。
・倭国は自己を持ち、話し合いを尊ぶ国で、「使う責任・作る責任」を担う百姓の国だった。ディスラプションにより消費者の構造態勢(※?急に出てきた)が変わった。新しい制度を作り、それを世界の中産階級に発信したい(※なぜ中産階級に限定するのか)。

<02 世界市民の豊かな生活>

・2010~12年アラブ世界で反政府デモ「アラブの春」があった。これはチュニジアのジャスミン運動から始まり、北アフリカ/中東/欧州/アジア/アフリカ/北米/南米に広まった(※世界中に広まった?)。ソ連は崩壊し、バブル崩壊も一段落し(※日本以外もバブル崩壊?)、民主主義が世界に広がる雰囲気になった。しかし民主主義運動は武力で鎮圧され、多くの国が軍事国家となった(※アラブの多くの国?)。※疑問符が付く文が多い。
・強制政治(※強権政治?)が蔓延っている事に、多くの人が落胆した。しかし自国民・民族の文化風習だけで勝手に歩き回る時代は終わった(※歩き回る?説明が欲しい)。世界の安定を維持する責任が、全ての人にある時代になった。それを自覚し、学ばないと、地球が崩壊する。

・競争資本主義の社会で、何が豊かな生活かを問わなければいけない。強権社会・格差社会でない中間所得層社会を探す時代である。自然環境を元に戻し、汚染させた物質を全て破棄洗浄しなくてはいけない。自然とは、山・川・海・空気・生物など全てである。これを楽しめるようにしなければいけない(※詳細省略)。
・食べ物を作るのも体を動かし、楽しまなければいけない。食べ物を作るのにも「作る責任・使う責任」がある。食品ロスもなくす必要がある。そして世界の人が人生を楽しめるようにする必要がある。今の人口は74億人だが、30年後には96億人になる。食料を作るにも、仕組み・制度・維持管理が問われ、各自のアドボカシーが問われる。そのためには話し合いが重要である(※詳細省略)。

・世界で大量に食品が破棄されている。それは生産の場/加工の場/輸送の場/販売の場/生活の場などで行われている。この課題に漸く取り組み始めた。しかし多くの人はこれに無関心である。特に日本人は新しい試みに挑戦せず、試行錯誤が終わって、明確にならないとそれを採用しない。この安心症候群は欧州でも見られる。

<03 女性参加の自治の確立>

・西暦250年、倭国に登場するのは卑弥呼である。日本には文字がなく、音だけの社会だった。西暦590年、聖徳太子の時代になるが文字はなかった。彼は仏典の解説する書物を作成し、仏教を広めようとした。『法華義疏』が現存している(※『三経義疏』だな)。
・卑弥呼は神事・政(まつりごと)を成し、弟が政務を成した。同様に推古天皇が政を成し、弟の聖徳太子(※甥では)が政務を成した。西暦645年女性の皇極天皇が即位するが、その後も女性天皇が何代も即位している。このように倭国は女帝が政を成していた。8世紀になり中国の北向き文化・皇帝文化が持ち込まれ、男性が譲位するようになった(※持ち込まれたのはそれ以前で、定着かな)。女性は男性以上に権威を持っていた。また一神教ではなく、八百万神が存在したのが特著である。
・江戸時代のお城や庄屋の家屋を見ると面白い事が分かる。大奥から全てが見渡せるようになっている。つまり殿様は戦や働きに出掛け、奥様が全ての行事を仕切ったのだ。民事裁判・刑事裁判・教育・会議・宴会・食事・記録などは女性が仕切った。そのため皆は、村国の恵は女性の出来次第と分かっていた。

・それなのに最近は北向きの宮廷化/儒教化している。21世紀は雇用形態が変わり、富の集中は変化しているのに、女性は宮廷文化に溺れ、社会を脅かす物に対し倭国の文化を広げようとしない(※「女性が仕切る文化を広めない」の意味かな)。日本は女性の国で、女性が子供の教育など、全てをこなした。男性を励まし、服従して守るのではなく(※「江戸j代は男性が外に出て、女性が守った」と述べているが)、「自己発見と自己実現の旅に出なさい」と旅立たせる女性が必要である(※励ますのと旅立たせるのは近い気がするが)。
・近年、投票に行く若者・女性が少ない。古来、母・祖母は子供に「自己を持つように」と教えてきた。女性は投票に行き自己を示したり、議員になり自己を示して欲しい。

<04 支援金・イベント運営の見直し>

・第2次世界大戦後、国連ができ、後進国に支援金を送ろうとなった。ところがその支援金・イベント費用を為政者・既得権益者が使用する弊害が山積している。民主主義資本主義の時代なのに、資本家・強権家・政治家が自利に使っている。21世紀は技術経済的にDXの時代で、課題をさらに複雑にしている(※説明が欲しい。何時もの最初に結論で、以降で解説かな)。

・全ての人が安定・平和・豊かな生活を送る事が問われている。EUは、ボーダーレス(=自由)とボーダーフル=ボーダーコンシャス(=民主)のアウフへーベン(=止揚)に挑戦している(※止揚は無理解だ。否定・保存・高揚みたい)。欧州はギリシャ・ローマ時代より民主主義資本主義の歴史があり、住民主体の統治を行う知恵がある。
・米国は自由民主主義のために独立戦争し、世界初の共和制国家になり、憲法で自由・平等・民主主義を明確にした。一方で現地住民と戦い、世界に占有地を作った。そして巨大資本家による無秩序な金融化は民主的な経済を混乱させている(※米国は過自由主義かな)。
・中国は民主的市場経済で新たな試行錯誤をし、一帯一路を世界に広めようとしている。一方民主主義国家でも為政者の癒着で弊害を生んできた。中国(共産党)がそうならない保証はない(※中国の癒着も有名と思うが)。アジアには巨大帝国に従順となった歴史があり、現に従う国が存在する。

・このように21世紀は経済が複雑化した。中国は支援金によりGDPが世界2位になった(※人口が多いし、WTOに加盟したからな)。このように支援金により、今後も強権資本主義の国が取り留めもなく出てくる。ルール化しないと21世紀の諸課題を解決できない。支援金は混乱を増幅するだけである。21世紀は貧困・後進国に、民主主義・資本主義の責任を伝えなければいけない。支援はコミュニケーションである。自由民主主義・資本主義は個人の責任の上に成立する。女性であろうと子供であろうと、誰も取り残さず、全ての人に責任を伝えなくてはいけない。
・2020年東京オリンピックは延期されたが、国際的なイベントも課題が山積している(※イベントとはオリンピックなどかな。もっと具体例が欲しい)。世界でコミュニケーションを取っているとしながらも、貧困・格差社会が広がっている。

第Ⅱ部 モノ作りから第4次産業革命へ

・物を作ると売れた時代は終わった。売れ残ると処分される。その処分費用は市場経済で表示されず、将来世代の費用に回している(※GDPに計上されないかな)。今は超資産家・既得権益者が高収入を得る仕組みになっている。既得権益者によりフェイクニュースが拡散されている。正しい重要な情報には、マークニュース(揶揄する情報)が付けられる。今は混乱する情報社会の初期段階にある。
・大量に物を作っても売れない時代である。物より「モノゴト」が商品になる。これは自己を表す言葉・文章・概念・信念・マーク・ロゴ・見えない価値が付く事柄である。※どんな言葉・信念・ロゴなどが付くのか具体例が欲しい。

第8章 工業社会からの脱却

・今の日本企業の大半は、戦前戦後の工業化で発展した企業である。20世紀末期に情報化を取り入れ発展するが、技術の大半は米国で開発されたものだ。21世紀になり第4次産業革命/デジタル・ディスラプションが起きるが、それに参入する日本企業はいない。日本企業は効果が曖昧な技術には手を出さず、効果が明確にならないと評価しない(※そんなに後手後手かな)。新しい技術科学開発ができない風潮がある。
・21世紀は工業化時代の評価で測れない。日本は欧米の技術経済社会の良さを学び、自己・責任・行動の重要さを明確にし、日本の歴史文化社会の良さを学ぶ必要がある(※結局は和洋折衷だな。)。つまり教育改革・意識改革が必要である。このパンデミックは新しい産業を開発するチャンスである。

<01 停滞産業と金融政策の迷路>

・日本人が触れない事がある。1989年時価総額トップ50に日本企業が32社あったが(※バブル崩壊前だな)、2019年には1社になる。その頃私は独立して10年だったが、米国で丁重に扱われたが、今は軽視される。中国/東南アジアでも同様である。※散々取り上げているが。

・日本には経済資本の知、つまり貯蓄・投資・資本と本人の関係が貧弱である。日本の若者が起業するだろうか。当時は冒険心があり、世界と対等に交渉し、様々な情報が入っていた。しかし今は、「見ない、聞かない、言わない」となっている(※そんな悲惨な状況かな)。一方欧州には、経済知を世界中から集め、国民に配布し、試行錯誤した歴史がある。日本には、経済学の一部をかき集め、取り纏め、「全部を網羅している」と言い放つ経済学者が多い。
・今は「国民に何が必要な経済活動か」を問い直す時代なのに、エネルギー転換でさえできていない。経済社会は不正・公正・有用の範囲が変化している(※説明が欲しい)。新しい規定を決める仕組みが必要である

・第2次世界大戦後は米国の経済ルールが実行され、ソ連崩壊後に社会構造が変化し、世界の金融政策が変化した。これをボルカー氏が修正したが元に戻り、「ショック・ドクトリン」(大惨事便乗型資本主義)が横行し、資本家に羞恥心が見られなくなった。10億ドル長者2153人の富は、下位46億人分より多い。また上位1%(7600万人)の富は、下位9割の2倍以上ある。
・日本の若者は、この基本課題に隷属するのか。倭国の「オオミタカラ」(百姓、兆民)に、その様な人はいなかった。日本は和合の国で、女性が信託を伺い、子孫繁栄を願った。縄文時代から神は朝日の位置で四季を判断し、オオミタカラに伝え、豊かな実りを手にした(※神話だと説得力がなくなる)。

<02 経営者所得の偏重>

・民を運営するには食物の確保が重要だった。そのため獣を射止めたり、植物を栽培した。村が形成され、鎮守などで話し合いが行われた。稲作が進むと富に差が生まれ、大陸から渡ってきた人が武力闘争を始める。しかし朝日御子(ヒミコ、卑弥呼)により、戦乱は収まる。
・第2次世界大戦後も村の鎮守で和合し、田んぼに水を引き、川魚を引き入れ、子供達を遊ばせていた。村毎に運営管理されていた。しかし工業化が始まると、農業も大量生産・大量消費に変わりる。世界に飢餓状態の人がいるのに、農業現場でも作物の廃棄が行われている(※効率性を求めグローバル化した影響だな)。

・技術が進歩し人ができる範囲が広がったのに、農業経営者・工業経営者・経営者が所得を偏重するため、課題が山積している。中小企業経営者も個人経営者も、社会的責任・環境的責任を取らねばいけない。経営者が自利に走るのはとんでもない。
・ISO26000は社会的責任に関する国際規格です。CSRとは、社会・環境に及ぼす影響に対し組織が担う責任の事です。①説明責任、②透明性、③倫理、④利害関係者・住民を含む、⑤法の支配/法令の順守、⑥国際行動規範、⑦人権の尊重が原則です。そして組織と利害関係者が対話し、社会的責任を達成する事が共通事項になっています。

3.1 組織統治  
ガバナンス(統治)であって、ガバメント(統制)でない事が重要である。意思決定には組織全員が関わる。外部の利害関係者とコミュニケーションを図り、説明責任・透明性を伴って意思決定される。企業の活動/学校での教育/病院での治療もこれに含まれる。

3.2 人権
 人権は全ての人に与えられた権利である。1つは市民的・政治的権利、もう1つは経済的・社会的・文化的権利である。全ての人は平等で、自由に表現・勤労・食事ができ、教育を受け、安全な生活ができる。性別・年齢・人種・出身・障害などで差別を受けない。直接的・間接的に人権侵害していないかを確認する仕組みが重要である。

3.3 労働慣行
 これに従業員だけでなく、派遣労働・委託先労働も含まれる(※下請もかな)。1944年国際労働機関(ILO)のフィラデルフィア宣言は、「公正な労働機会を確保し、労働者の安全・健康に配慮し、政府・雇用者(※=使用者かな)・労働者間の交渉・協議・情報交換などを重視する」を原則としている。社会が大きく変化し、国際金融運用が標準化され、社会的なルール化が重要になった(※具体例が欲しい。前者は金融ルール、後者は社会ルール?)。商取引に関係する従業員・経営者の行動責任も変化している。
 例えば、コーポレートガバナンス・コード/スチュワードシップ・コード/フィデューシャリー・デューティ(※初耳。直訳は受託者責任)/フェア・ディスクロージャーなど、労働者としての自覚が求められる(※これらの対象者は様々では)。

3.4 環境
 今は資源の枯渇/気候変動/生態系の崩壊などの環境問題がある。工業化時代の影響基準ではなく、新世紀の環境基準を作り、行動する必要がある(※影響基準と環境基準の違いは?)。全ての組織が環境に責任を持ち、法律・規制を順守する必要がある。組織が環境に影響を与えた場合、コストを負担する覚悟がいる。地球の大気・水・土壌は貴重で、汚染の目標はゼロである。組織は生物多様性に責任を持つ。

3.5 公正な事業慣行
 組織は倫理を尽くすのが基本である。公正な事業慣行として、汚職防止/責任ある政治関与/公正な競争/バリューチェーンにおける社会的責任の推進/需要側の財産権の尊重などがある。全ての組織が事業推進で倫理が問われる。

3.6 消費者課題
 今日本では、不正確な宣伝・広報、安全性に欠ける商品の販売などが行われている。組織は提供する製品・商品・サービスが消費者・住民に危害を及ぼさない事が重要である。
 消費者も環境汚染や社会に悪影響を与えない事が重要である。組織も消費者も、社会に悪影響を与えないように消費活動する事が大切である。また消費者データを保護し、プライバシーを守り、消費活動を活発化させる必要がある。

3.7 コミュニティへの参画と発展
 組織・消費者・個人、何れもコミュニティへの参加・関与・発展への貢献が求められる。住民との対話/教育・文化の向上/雇用の創出などが、企業・自治体組織・病院・学校などに求められる。コミュニティの発展は、雇用創出/技術開発/所得創出/健康/社会的投資の要素である。組織の特色を生かした自由な貢献が必要な時代である。しかし人材評価基準が曖昧である。
※この番号はISO26000の番号かな。しかし日本に限定した記述がある。

・マネージメントが「あうんの呼吸」になっている。人材評価が客観的でない。これは日本型雇用の問題で、経済・社会のマネージメントの遅れを示している。世界は各自の職務が明確で、責任の所在・分担が明確である(※ジョブ型雇用だな)。「あうんの呼吸」で合同作業を行ってはいけない(※少し例が欲しい)。これでは責任の所在が不明確で、世界から蔑まれている。※日本の「皆でやれば、怖くない」だな。
・日本の組織(公務、企業、病院、学校など)は、それぞれが独立王国である。王国内でしか通用しない威圧的行動をして、現状維持に徹している。そのため成長せず、労働市場は発達せず、教育育成はなく、雇用は減少している。世界では大学職員を生徒が評価する。21世紀、経営者の所得が優先される運営経営があってはいけない。※日本の課題は何となく理解している。

<03 工業化組織体制の転換>

・国際学士院連合(UAI)は、1919年に設立された学士院の連合である。日本は当初から加盟し、外交官・国際政治学者の安達峰一郎(1869~1934年)が、事業「在外未刊行日本関係資料」を担当した。日本はザビエル以来、西洋と交流しており、それを資料として残している。19世紀末に日本の文化を世界に伝えようとした人がいたのだ。新渡戸稲造(1862~1933年)/夏目漱石(1867~1916年)もそうである。
・稲造は『武士道』を英語で書き、義・勇・仁・礼・誠・志・道徳観・名誉・自由などの日本文化・教育を示した。日本を誇りとし、万民が貧しい中でも満足している事を示した。世界の人がこれを自国語に翻訳し、彼は尊敬される人物になる。しかし日本語に訳した日本人は、欧米化に進む道に置き換えた(※『武士道』は未読かな)。漱石も日本人が日本独自の大切なものを忘れ、飼い慣らされた猫であるとして、『吾輩は猫である』を書いた。

・日本に蒸気船が現れ、産業経済の遅れを感じ、西欧化した。日本の豊かさを忘れ、戦争で大敗した。その大敗も忘れ、経済の拡大だけを望み、工業化組織体制を作ってしまった。第2位の経済大国になるが、同じ緊急の近代化・工業化・高度成長化では経済成長できない。明治初年に戻り、江戸時代から平安時代までを振り返り、日本の豊かさを読み解くべきだ(※常に否定論で、具体的解決策はない)。
・江戸時代は上意下達ではなかった。文書や仲介者を通して行われた。日本軍は上意下達になった事で大敗した(※日本企業は上意下達ではなく、ボトムアップとする説があった)。日本は明治以降の工業化と太平洋戦争後の工業化による繁栄を良しとし、解決策/イノベーションを起こせなくなっている。20世紀の近代化は前近代化であり、21世紀の近代化は未近代化になる(※成熟化とする説があった)。

<04 第4次産業革命>

・2013年欧州で「インダストリー4.0」が論議され、論文が作成された。これは製造業におけるオートメーション化・データ化・コンピュータ化を目指すコンセプトである(※製造現場に限られるのなら社会への影響は少ないかな)。具体的には、サーバ・フィジカル・システム(メカニズムがコンピュータのアルゴリズムで制御・監視される)であり、IoT/クラウド・コンピューティング/コグニティブ・コンピューティング(※自律型だな)などが含まれる。

・まずは生産工程・流通工程をデジタル化し、生産コスト・流通コストを削減し、生産性を向上させる。さらには生産設備の予防保全を高め、稼働率を向上させる。しかしIoT/AIなどを活用する事が期待されたが、利益相反を使いこなす資産家によるフェイクニュースや未規定のルールにより、削減されたコストを彼らが得ている(※これは産業革命の問題ではなく、資本主義の根本的な問題だ)。
・デジタル技術は機械/デバイス/センサー/人が相互に通信し、膨大の情報を運営者が収集し、革新・改善を生む技術である。ところが情報を市場化・金融化・私物化し、社会に出さないようにしている(※社会に出す/出さないは、運営者の自由かな)。そのため民主主義社会の1市民としての自覚が必要なSNS社会になった。

・18世紀後半、第1次産業革命が起き、水力・蒸気機関により機械化され、生産の仕方が変わり、人の生活も変わった。20世紀前半(※19世紀末期では)、第2次産業革命が起き、電力開発と統計的手法により生産性を高める。エネルギーとして石油開発がなされ、自動車により生活も変わる。超高層化が理想とされ、金融市場も立ち上がった。1970年代、第3次産業革命が起き、コンピュータにより労働力が機械化・自動化された。情報は一元管理され、人のプライバシーや利益相反に対するルール作りよりも生産力を高める事が優先され、市民は放置された。

・2015年以降、第4次産業革命が起き、デジタルはさらに複雑化し、生産性・付加価値を増大させた。第4次産業革命前は製造業に限られていたが、サービス業にまで広がった。コスト・納期・個人化・個別化まで最適化される時代になった。前工程(設計、調達、受注)・後工程(生産、物流、保守)が全体最適化され、全工程の自動化・自律化がなされた。生活はCASE化(コネクテッド、自動化、シェアリング、再電気化)され、全体最適は環境インフラにも及んでいる。

第9章 糧を選ぶ楽しみスキル

・第4次産業革命は範囲が膨大で、人が認識するのが難しい。そのため人の本質から紐解き、生活の構成を選ぶ楽しみ・自由が存在する時代になった。一方で人の責任も問われる。まずは食を選び、獲得する手段を選び、それをデザイン設計できる。この新しい企画の創造を楽しまない手はない。しかしそれが自分勝手ではいけない。そのためそれを早めに世界にアピールし、環境的責任・社会的責任・便益を提供するデザイン・エンジニアリングを先に組み立てる必要がある。そして生活の豊かさを探求する自由を謳歌すべきである。そしてそれは自らに正直で、意志を曲げず、相手を認めて解決策を高めるべきである。※難解。まあこれまでの理論と変わらないかな。

・ここで日本語を整理する。①環境とは、空気・水・森・山・川・海・草・鳥・魚・獣・その他生物である。②社会とは、真実・正義・規範・民・戒・律・法・衣・食・住・立法・司法・行政・経済・世界社会・地域社会である。③便益とは、糧・利・益・報・豊・儲・得・売上・恩恵・便宜・便利・価値・付加価値・無形価値である。

・新発明・産業革命は、便益や新しいサービスをもたらす。サービスは利益が付いたもので、例えば高速道路は地域に便益をもたらす。それは目に見えないメリット(便益)として生活環境に表出する。これを付加価値として定義を明確にせず、曖昧にしている。既得権益者・権威者が利に走り、論点を表さない論法に進んだ(※難解。「論点にさせていない」かな)。
・これは世界的な現象だが、日本は歴史的東洋的習慣から、民主主義・自己責任が曖昧になっている。これを論理展開しなければ、便益は中間所得層に配布されず、超高所得層が独占する事になる。そのため世界は、ポピュリズム化・トランプ化・帝国化・混迷化している。

・「サービスには、こう云うものが付いています」となり、売る側の利を下げても、多くを売る事が可能と思い込んでしまった(※サービス効果で顧客数が重要かな)。実は新しい価値が創出され、タダで人に配布される便益があった。しかし高度成長でそれは減速し、サービスと云う見えない価値は放置された(※サービスが放置?今は物よりサービスの時代と思うが)。売り手である大企業やその上層部は創出された価値・サービスを曖昧にし、それを見えないモノとして言葉にせず、運営してきた(※難解。物・サービスを販売するなら、その価値を宣伝すると思うが)。

・「目に見えないモノゴト」がある。目に見えないので、便益は会社・行政・国・国際機関・金融・学会・経済の都合で処理される。市民は便益を理解し、コミュニティ(市民団体活動)に参加し、発言するしかない。この解決法が世界の全ての市民に求められる。人間生活の基本に戻り、自由を満喫し、創造力を楽しみにするスキルを身に付ける必要がある。※難解。独占・強要・不公平・不平等・不正などへの抗議を促しているのかな。

<01 リベラルアーツ教育>
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・リベラルアーツはギリシャ・ローマ時代に源流がある(※自由7科は、文法・論理・修辞・算術・幾何・天文・音楽。天文・音楽があるのは驚きだな)。欧州では20世紀まで人に必要な実践的な知識・学問とされた。古代ギリシャでは自由民に必要な教養だった。日本語の「藝術」は、この訳語である。
・日本は明治以来、西洋の文化・教育を教え、工業化し、戦後高度成長したが、20世紀後半から衰退している。明治以来の教育を見直す時期である。日本人としてのアイデンティティを持ち、世界に発言できる人材を育てる必要がある。英語の日本語化も日本語の英語化も問い直す時代である。

・欧米はアートとサイエンスに分かれている(※文系・理系かな)。アートは人間が作ったもので、美術・文学・音楽・歴史・哲学などである。サイエンスは神が作ったもので、自然科学(化学、物理学)と社会科学(経済学、心理学)である。日本はこれを継ぎ接ぎにしているが、これを元に戻し再構築する必要がある(※今は細分化されているかな)。
・日本はリベラルアーツが根付いていない。特に女子教育にその要素がない(※基本、教育は男女平等と思うが)。日本は古来、男性は家族・部族を守る義務があり、母・祖母がそれに導いた(※何かイスラム原理主義だな)。新渡戸稲造の『武士道』には女子道が存在する。

・日本の教育制度は西欧に比べ遅れている。西欧のリベラル・カレッジ(※リベラルアーツ・カレッジかな)には森の生活がある(※詳細省略)。学生は寮で共同生活し、職員・教授・学生・親達と意見交換する。社会から離れ、「地域とは、国とは、自分とは」などを学ぶ。
・日本では全ての現象にバイアスが掛かり、若者・中年・老人は教育・報道・雰囲気に支配され、地域・国・世界・自分について考えなくなった。これから脱却するため、大学でリベラルアーツが必要になった。

<02 正義・平等・自由>

・小学校に通う前、近所の兄さんと遊んでいて「正義」の言葉が出てきた。その頃は、遊ぶ範囲が毎日広がり、楽しい時代だった(※詳細省略)。子供の世界では、平等も自由も当たり前である。不正義は1歳上の兄さんが行い、知らしめた。集まりに女の子を入れ、兄さんが正義論を展開した(※状況がよく理解できない)。しかし廃屋に入ったり、田畑で走り回ったり、悪たれ坊主だった。川で生死をさまよったが、生き返ったのは3歳上の兄さんが見守っていたからだ。各地域に正義が存在した。

・アリストテレスは「正義は社会の秩序」と述べている。第2次世界大戦頃のアルジェリア人アルベール・カミュは、「不正と闘うために正義を肯定すべきだ。不幸に抗議するために幸福を創造すべきだ」と述べている。米国南北戦争時、思想家・哲学者ラルフ・ワルド・エマーソンは「他人のあざけりを心に留めず、敗北にくじけず、勇気を持て。正義には勝利が訪れる」と述べている。ビクトリア時代の評論家ジョン・ラスキンは「悪い命令であると知りながら、それを受け入れる人は、悪い命令を甘受した事になる。不正を前に沈黙する人は、不正の共犯者である」と述べている。

・正義は子供の頃に遊びの中で、各地域の誇り・威厳から導かれる言葉である。東洋になかった民主主義を成していた(※中国は専制主義で民主主義ではないが)。19世紀からの西洋人の苦難の道の言葉である(※西洋でも新しい概念?難解な文章が続く)。

<03 日常の豊かな生活>

・日常の豊かな生活で最も大切なのが水である。日本は太古より清らかな川を持ち、自然の動物・魚・貝・虫・木の実を食した。稲作が伝わると、山川の水はさらに重要になった。季節を知るため女性が朝日の位置を計った。化学物質がない豊かな生活だった。今は水道で飲み水が配布され、排水は下水で回収されるが、基準が明確でない(※上下水道は地方の管理かな)。
・高度成長期に水道管・下水管は整備されたが、川は汚染された。山の分水嶺はゴルフ場になり、汚染された。ダムが作られるが、生物多様性がないので浄化されない。日本の水は化学物質などで汚染され、豊かにあった自然水はなくなった。

・これからは世界の人が参加し、自然を保つ話し合いをする必要がある。日本は米軍基地の環境汚染を黙認している(※最近も問題になった)。同じ敗戦国のドイツ/イタリアは国内法を適用している。なぜそれが日本にできないのか。エネルギーは暮らしを支える血液である(※急にエネルギーの話に変った?)。後進国の人が豊かに暮らせるかが問われている。
・日本は「戦争だ」「天災だ」と言って、ばら撒いている(※国際支援だな)。諸外国には戦争対応の制度があるが、日本は放置している(※これは理解していない。説明が欲しい)。諸外国には災害・事件・戦争を想定した戦略が存在する。しかし日本は想定外として頭を下げる事になっている。

・江戸時代の農業は世界に誇れる豊かさを持っていた。水を汚染せず、肥料は自然の物だけを用い、土壌も汚染させなかった(※衛生の問題はあったのでは)。今は農作業を楽しみ、自然の食べ物を食する素人が増えている。雨の日は読書に耽る新しい生活の扉が開かれた。

<04 自主的リカレント教育>

・鴨長明は『方丈記』に、「ゆく河の流れは絶えずして・・・・久しくとどまりたるためしなし」と書いている。時代は平安末期で奈良・平安の貴族文化が滅びる時代である(※この頃が文化の境目らしい)。渡来人(蘇我氏、藤原氏)の東風文化を変えようとした思いを書き残している。彷徨う時代になり、経済は停滞し、戦いが起きるが、新しい仕組みはできず、「淀みに浮かぶ泡」と書き残した。※末法思想も背景にあるかな。しかし貴族社会から武家社会に転換するなど、大きな変化があった時代かな。

・今は貴族文化ではないが、東洋的な文化が濃厚に残っている。就職すると一生その職業で食べていく。これは中国の科挙制と同じである。明治以降、東洋化・西洋化を進め歪が生じるが、彼も同じ状況を書き残した(※しかし方向は逆だな。当時は本来の日本に回帰する方向だが、明治以降は西洋化する方向)。

・明治以降、コンツェルン型工業化/サプライチェーン型大企業化により高度成長する。しかしその次の構想を編み出せず、放置している。今の組織では現実を把握できないし、集団的な利得を目的とする上下関係論に終始している(※詳細解説が欲しい)。次の世代に何を残すかが重要である。
 「新たな資本主義の世界」-今までの常識では測れなくなり、モノ・カネ・ヒトはコモディティ化(陳腐化)し、デジタル・デストラプション(破壊的変革。※ディスラプションの間違いでは)に入り、人間生活を取り戻す時代になった。
 「人的資本の時代」-リカレント教育(子供・青少年・女性・住民・市民・老人などの学び直し)を行い、価値を高められる/考える/ハードスキルを持つ人材を育成する。
 「環境資本の時代」-環境汚染が人に負荷を与え、生態系にも悪影響を与えている。交通・発電・消費活動を変える必要がある。
 「社会資本の時代」-稼ぐ力を持ち、世界で競争でき、、AIにも負けない人材を育てる。そのため組織論としてデモクラシーを民主主義と略さないで(※訳さない)、稼ぐ力を再構築する戦略力が求められる(※難解)。
 「無形資本の時代」-誰も頼れない時代なので、自分で目標を設定し、実行できるかが問われる。そのためには構想力が必要である。他者に同意する貧弱性を排し、他者との相乗効果を築く構想力が問われる。

・日本の民主主義は150年しかない。一方西欧は3千年の試行錯誤があり、油断すれば王政になり、屍の上に成立した事を知っている。デモクラシーは「人民による支配」を意味し、単純に人民が政治・社会で決定するだけではない。「選挙すれば民主主義」と思っている国とは異なる。遅れた国では、民主主義・社会主義・共産主義を比較する論議になっている。仕組み・制度は常に発展させる必要がある。
・デモクラシーは手間・コストが掛かり、生産性が低い。遅れた国では経費が掛かるため、報道されず、気にも留められない。リカレント教育では、デモクラシーを基本に据えるべきだ。※リカレント教育はデジタル教育に偏重しているかな。

第10章 集まりには存在するルール

・古代より人は参集し、寄合を行っていた。奈良・平安時代になると、東風文化に統制された公領制・寄進地系荘園が布かれ、公領領主・荘官が百姓を管理した。平安末期・鎌倉時代になると、地頭が荘園・公領支配に進出する。百姓は水利配分/水路・道路構築を行い、自衛のために結合し、惣村などの村落を再び形成する。軍事警察権しか持たなかった守護は荘園・公領支配を崩し始める(※守護自身も乗り出したのか)。惣村は守護・国人と関係を深め、武士・地侍が現れる。

・一般百姓・地下人が多くなり、惣村に加わる(※元々百姓が主体では?地下人は身分の低い官人だけど)。平等意識・連帯意識が強まり、鎮守などで寄合が行われ、年中行事・講が開かれ、惣掟を作り、自検断を行った(※講とは会合などかな。村みたいな行政単位と思っていた)。惣村は森・林・山を所有し、村民が利用できる入会地を提供した。宮座は鎮守を祀り、村民が年番で神職を務めた(当家制)。
・平安末期になり、邪馬台国の頃の文化を取り戻した。村で裁判を行い、自治を行い、土地を自分達で守り、武士団が作られる。

<01 家族農園員としての職務規定>

・これからは自然環境の中(大地、水、空気、無農薬)で食物を作り、食する事が価値を持つようになる。20世紀、工業化・化学化により化学物質が増大した。発展途上国が発展すれば、汚染物質はさらに増大する。
・今、スマート田園都市構想が進められ、田園での生活が人気になった。これは20世紀型都市生活では豊かさを味わえないからだ。18世紀英国で産業革命が起き、都市に人が集中した。19世紀米国で産業革命が起き、都市化が進んだ。20世紀米国の都市は高層化し、産業革命はさらに進み、化学産業からコンピュータ産業に移り、サプライチェーン化/ICT化した。21世紀グローバル化が進み、発展途上国が進化すれば、汚染物質はさらに増大する。今世紀は全く新しい変革の世紀になった。

・世界はグローバル・バリュー・チェーン(GVC、国際的価値連鎖)への依存度が高まっている。バリュー・チェーンとは、企業活動において業務を工程・タスクで分割し、効率化・競争力を強化する手法である。
・素材・部品の調達/製品の製造/サービスの提供などのライフサイクルを通じた温室効果ガスの削減に取り組んでいる。これからは製品に省エネが求められる。また製造段階から使用段階までのCO₂排出削減が求められる。製造者は素材・部品の調達から流通・販売までをGVCに立脚し、製造する時代になった。

・省エネ・低炭素製品を製造販売する事で、地球温暖化問題に貢献できる。まず消費者がどんな生活をしたいかが根底にあり、次にどの様な商品製品を買いたいかがある。商品製品の選択権は消費者にあり、消費者は広告に翻弄されず、自己の生活が問われる時代である。
・ステークスホルダーの一員として、消費者にも責任がある時代になった。自分で作物を作る場合も、自然を勝手に動かすと人の迷惑になる。スマートなコミュニケーションが必要である。環境・社会・ガバナンス(ESG)を心得て、デジタル・トランスフォーメーション(DX)技術を身に付け、特技を活かした仕事を自ら選ぶべきである。

<02 職務執行における規範>

・日本人は自由を空気みたいに思っているが、古代には世界中に奴僕・奴隷がいて、それが近代まで続いた。奴隷貿易・奴隷商人・奴隷制農園があり、20世紀には黒人問題があり、今でも身分的差別がある。現代人は奴隷制度はなくなったと思っているが、古代から市民の戦いがあった。公職者は追放・死刑などで維持管理し、集団の意志に基づく制約・抑圧も存在した(※難解。簡単に言えば差別意識かな)。
・自由は努力の賜物である。自由を維持するには、異民族と戦い、安全・独立・生存を勝ち取る必要があるが、王政の復活を繰り返した。日本も同様で、その恐怖に苛まれてきた(※日本は自由のために戦ったイメージはないが)。

・古代・平安・室町・江戸時代、奴隷を売買していた。自由は民衆の一人ひとりが維持し、責任を負う。代議員が政治を行い、民衆は自由を謳歌すると思っているが、自由は与えられるものではない。
・21世紀はICT・情報化されたが、自由を放置すると既得権益者に自由や価値を奪われ、格差が広がる。各自が意識しないと、ロボットやコンピュータに動かされる時代になった。各自が仕事において自由人である必要がある。王政復古・皇帝主義では生存できない(※極端な表現)。

・これからは社会に対し、自らのルールを作る必要がある。新しい仕事が新しい価値を生むのなら、自らルールを作る義務がある。規範意識とは、法律だけでなく道徳・倫理も含めた自己の意識である。信頼されるグループ・会社には倫理・道徳に基づく規範順守が求められる。コンプライアンスの提言があり、社会的ルール(倫理、道徳)に則り、行動する事が求められている。

・1980年代、電電公社/専売公社/国鉄が民営化された。2000年行政改革大綱で企業の社会的責任を明確にし、企業の自己責任体制/情報公開が徹底された。しかし不祥事・偽装事件・粉飾事件が多発した。これはコンプライアンスは実施されたが、企業・行政の行動改革が行われなかった事による(※行動改革の詳細説明が欲しい)。コンプライアンスは重視されず、先送りされた(※先に「実施された」とあったが、正しくは「導入されたが、実施されなかった」かな)。
・一方米国では企業改正法(SOX法)が施行され、EUではCSRに関するグリーンペーパー(政策の提案)がなされ、コンプライアンス/CSRが進む。

・コンプライアンスはコーポレートガバナンスの基本原理の1つで、法令・倫理の順守を意味し、経営理念/CSRが含まれる。コンプライアンス違反は損害賠償などの法的責任や株価の低下を招く。責任者には、事実解明・原因究明・是正措置・構造的改革などが求められる(※以前、内部統制は勉強した)。マスメディア/消費者/社会/監督行政/投資家/社員/関係者の信用を損なう行為は、組織を非効率にし、不健全にし、存亡に直結する。

・21世紀、格差拡大/紛争・民族対立/環境問題の深刻化/食料・水不足/感染症/人権侵害/公務員の腐敗が多発している。また財政は逼迫し、対応策は減退し、各国の統治能力が低下している。これらの課題にステークスホルダー(利害関係者。消費者、社員、地域社会、株主、行政機関など)は自主的に取り組み、社会の収益拡大を促進しないといけない。

<03 規範作りコミュニティ会話スキル>

・規範とは、家庭・グループ・組織・会社が倫理・道徳に基づき作るルールの事である。コンプライアンスは、法令順守と規範順守を含む。CSRの責任は従業員だけでなく、株主/取引先/地元住民/団体組織など全ての利害関係者にある。

・規範作りとして、コンプライアンスに従う取り組みには以下がある。
 ①トップは行動規範の実践を自分の言葉で積極的に呼びかける。倫理・道徳=守るべき重要な考え方で、法令に留まらない。
 ②推進のためには明確な規定文書が必要で、何時でも確認できる。方針・理念=倫理的社会ルールに組織が取り組む姿勢を示す。
 ③執行には専門の部員が必要である。問題が発生した場合、トップに報告し、責任を持って対処する。ガバナンス=行動(※執行?)には自発的に統治する仕組みが必要で、構成員はトップに報告し、最善策を実行する。
 ④関係者には正しい知識・行動が必要である。そのため関係者には教育が必要である。SDGs=社会的責任の実践は、持続可能な開発でなければいけない。
※これはISO9000などの枠組みの転記かな。

・社会人としてイノベーションを起こし、社会に便益を与えるためには、規範作りを身に付ける必要がある。自分の行動が社会に与える影響を知り、自分の利益に拘らず、倫理的・道徳的ルールを作成し、実施する必要がある。生活する小さな集団では、会話が重要になる。トップが威圧し、その命令に従うようでは競争に負ける。現場の状況を素早くトップに報告し、最善の解決策を実施する必要がある。
・社会的債務を増大させ、生産性を低下させ、強い者に巻かれてはいけない。各自の工夫・努力が必要である。コミュニケーション・スキルも必要である。会話は容易でなく、そこには社会戦略が含まれ、スキルが必要になる。

<04 ポジティブ思考の確立>

・グローバル化は進み、公正で人間的な仕組みになるだろう。日本・欧州は自由民主主義を守らなくてはいけない。ポピュリズム化した米国や帝国主義の中国に惑わされてはいけない。民主国家は国民一人ひとりが責任を持ち、修正可能な国家である。
・第2次世界大戦後、蒋介石は新たな国作りを目指した。彼は「民主、倫理、科学」の言葉を残した。そして当時の状況に応じ、「自由と自治を生かせ」と言っている。しかし金権主義者・帝国主義者・権威主義者は過去の曖昧さを使い、混乱させ、感情的に満足させ、自己の利益に持ていっている(※たまには具体例が欲しい)。ポピュリズムを利用する政治家も既得権益者もいる。

・新しい産業が興る時、その芽を摘んではいけない。適正に公正に信頼を基にルール化する必要がある。既得権益者は放置し、私利私欲に没頭し、危機を深めている(※GAFAなどを言っているのかな)。
・米国だけではないが、特権階級に振り回され、ポピュリズム化し、情報操作により曖昧さが増し、独善的に行われている(※抽象的記述が多過ぎる)。米国の一般市民/西部開拓者にこの様な人はいない。人は産業・文化を発展させ、自然を破壊してきたが、改革により乗り越えた歴史がある。感染症と気候変動は関連している。

・新しい産業には、新しい社会変革で対応する必要がある。SNS/5Gなどにより、生活スタイル/思考方法・意識/仕事のスタイル/商流など社会全体が変わった。①情報・データの取り扱い、②エネルギーの課題、③商流・交通・通商、④食料の課題、⑤医療の課題、⑥教育の課題が大変革した。
・現実を曖昧に見てはいけない。五感六感を働かせないと、課題を放置してしまう。解決策は今まで見た事がないものになる。これには市民参加型のコミュニケーション・スキルが基盤になる。※常に抽象的で同じ結論になる。

<05 世界標準と地域自然文化の共存>

・IT化で世界は狭くなった。新たな世界標準を作る責任が、各国・各地域・各自にある。20世紀のシステムだと、「行動したが、問題はない」となる。10年後・20年後を想定した世界標準を話し合う必要がある。国際機関にこの能力がない。国際機関でルールが決まっても、利益相反で自分の利益になるように翻訳する人がいる。
・「キュレーション」の概念がある。これは独自に情報を収集し、分かり易く整理する概念だが、若者は遊びに耽ったり、学者も科学的根拠に乏しい。IT化・グローバル化が進み、世界でコミュニケーションでき、ルールを充実させる事ができるのに、スマホで遊んでいる。

・エネルギー問題は石油産業のサプライチェーンが存在するため、テスラ型電気産業からエジソン型電気産業に変革する必要がある(※新から旧への回帰で、変革かな)。日本の大企業は石油石炭産業でできており、組織構造の転換が遅れている。このままでは低成長・負債化・足枷となる。10年後・20年後を見据え、「民主、倫理、科学」による解決策を策定する必要がある。
・日本でも一極集中型都市計画が議論されるが、成功体験のある工業生産型産業発展を続け、世界から取り残されている(※幾ら何でも具体例が欲しい)。信用を取り返すには、地域の自然を元に戻し、地域の自然・文化の魅力を基盤に、新しい価値を創造する必要がある。

・トヨタが静岡県裾野市にスマートシティを創る。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電気化)やMaaS(交通手段による移動をサービスとして捉える)を実装する。東京一極集中型産業(※産業?都市計画?)でなく分散型の都市作りでないと、災難・障害に対処できない。
・コロナ対策もダークサイドである。「想定外でした」では世界に通じない。自然豊かな地方都市構想/スマートシティ・インフラデザインが各地で試行錯誤される時代である(※過疎化を前提にする必要があると思う)。いずれの地域も歴史的文化を重ねてきた。スマートシティ構想は、これに地理的条件を考慮し、住民一人ひとりが参加しないと、厚みがないものになる。

第11章 スマート・コミュニティ村里インフラ

・新しい価値創造の時代になった。世界機関/国/社会法人(?)/地方公共団体が今までと同じインフラ整備をすると、お金の無駄遣いになる。責任の所在を明確にせず、放置している。国民の資産を勝手に使い、負債を増やしている。国民は資産価値を向上させるには、これからの社会に適応した法律を制定する必要がある。そうしないと経済競争に負ける。
・構造的改革を早急に進める必要がある。しかし国民はそれを先延ばししている。SNSフェイクニュース情報社会に参入するのではなく、質の高い生活を重んじる社会に参入すべきだ。

・通信は5Gになった。「通信料金は使用者優先なのか」「公共的に使用されているか」「企業利益のためだけに使用されていないか」を明確にする必要がある。エネルギーは石油から太陽光発電の時代に移った(※再エネにした方が良いのでは)。大量工場生産/大量消費型経済でガソリンを使い続けて良いのか(※ガソリンではなく化石燃料かな)。価値創造の時代に大量のムダ・ロス・ムラを増やしてはいけない。商取引は消費者優先がコモンセンス(常識)である。学ぶべき事が数多くある。食・水・医療・教育で課題が山積している。

<01 長期インフラ・コスト計算>

・ここでインフラの説明をする。インフラはインフラストラクチャーの略語である。世界で通用するインフラストラクチャーの意味を理解しないと、世界から取り残され、市場競争で負ける。
・インフラストラクチャー(infrastructure)は、下部(infra)と構造(structure)で構成され、①基盤、②下部構造、③構造を支えるも、④組織の下部構造などの意味である。
 ①基盤-基盤は社会資本としての生産基盤/生活基盤に分かれる。生産基盤には、道路・港湾・下水道・水道・駅施設・情報システム・金融などがある。生活基盤には、学校・病院・公園・住宅・エネルギー・電気・環境などがある。
 ②下部構造-これは「下にある」「低い」「不満」などで、下から支える市民などを含む。
 ③構造を支えるも-これは「維持していく」「支援していく」「管理していく」などの意識を意味する。
 ④組織の下部構造-これは「組織の統制」「組織の統治」「組織のガバナンス」などで、組織の運営や問題を意味する。
※①は使用者による分類だな。②③④は、組織など支える人や支える事自体かな。インフラストラクチャーの意味は多様だな。

・インフラストラクチャーはサービスを提供する施設とシステムであり、社会資本としての生産基盤/生活基盤や民間の改善行為である。よって社会生活条件を持続・向上させるために民間・公共が相互に関連するシステムの構成要素である。
・次に国民福祉/情報社会基盤の法律整備にもインフラストラクチャーが用いられる(※「含まれる」かな)。民間の公共事業(※民間?)に収益性は重要だが、ESG/SDGsが最重要である。公務員の公共事業も同様である。

・次にゴミ処置/し尿処理/飲用水/固形廃棄物/通過水(※調べても分からなかった。上水/下水はあるので、農業用水などかな)/廃水の組織(※システム?)を意味する(※主語はないが、インフラストラクチャーだろうな)。サーバー/輸送/エネルギー供給/情報伝達の組織を意味する。
・インフラストラクチャーは人的資本からも捉えられる。人的資本は集団の個人・グループが保有する無形集団資源であり、個人的インフラストラクチャーの目的は経済主体の価値を決定する(※難解な文だ)。

・制度としてのインフラストラクチャーは「経済的憲法」として分岐される(※何から分岐するのか)。「規範を設定し、経済データの実際の平等な取り扱いの程度を指し、経済主体が経済計画を策定し、他者と協力して実行できる枠組み」である(※これも難解)。
・インフラストラクチャーとして捉え、災害的要素/利益相反的要素/汚職官僚の談合要素/腐敗した権力による利益誘導などのガバナンス要素/軍事要素/発展途上国要素などが残されている。※これも難解な文だ。「これらの要素もインフラストラクチャーとして捉えられる」かな。

<02 村里資産配分計画>

・地球環境の維持・管理・運営が問われ、二酸化炭素/化学廃棄物の排出により自然環境が再生できなくなる時代である。大災害が10年毎にやって来る。「支援金を出せば」で、誤魔化してはいけない。工業化社会・産業革命以前に自然環境を戻す必要がある。日本はこれを放置し、世界から取り残されているが、報道されないし、問題視されてない。これは工業化社会の成功体験が社会組織全体にあるからだ。
・しかしICT情報社会に変わり、AIビッグデータに変わり、生産消費/経済システムも大転換している。従来の工業社会型の都市計画を自然環境型に変えるには、「村里都市計画」が必要になる。これは自然環境を江戸時代に戻し、生活文化も西洋人が憧れていた日本本来の生活文化に戻す都市計画である。

・15世紀・江戸末期・明治初期に来日した西洋人は、貧しいが、楽しそうで、盗人がいない社会に感銘を受けた。日本には新しい生活文化芸術が存在したのだ。西洋人は日本人に問いかけ、ルネサンス芸術文化運動を起こした。※ルネサンスは14世紀で、大航海時代以前だが。
・15世紀欧州でルネサンス運動が起こる。19世紀初頭、日本の浮世絵/生活文化からセザンヌ/ゴッホが印象派を起こす。日本の革命政治家はこれに気付かず、富国強兵・工業化を進め、無条件降伏となる。戦後も単純に工業近代化/一極集中型都市計画を進めた。

・工業型の大量生産大量消費型の職業はなくなり、情報型の少量多品種生産・少量多品種消費型で、自然環境の中での生活文化芸術の職業に移った(※極論が多い)。CASE/MaaSにより交通機関も変わり、自然環境を元に戻し、本来の生活スタイルを設定した都市計画進める時代になった。そのためには縄文時代からの戦いを望まない、皇帝主義と対等の、和をもって貴しとし、自治を優先する日本独自の生活文化芸術が求められる。
・「村里」は惣郷の意味である。「惣」は中世の百姓による自治的地縁的結合による共同組織である。「郷」は生まれた地域の集合体の意味である。日本独自の生活文化芸術で新しい創造価値を創り出す都市計画が求められる(※創造が重複する)。世界はイノベーションとしての無形価値の世界に入った。

・GAFAは検索エンジン/デジタルデバイス/SNS/ネットショップで市場を席捲した。しかし価値創造の時代になり、彼らは自利に走り、世界を混乱させ、ニューエコノミーの時代になった(※創造価値と価値創造が混在する。創造価値は「創造された価値」で、価値創造は「価値を創造する」の意味かな)。世界は無形価値を認識できず、ルール化できず、彼らは無形資産を自分のものにしている。
・欧州でやっと国境越えの価値を資産として税金を課す議論が始まった。社会的価値・便益が、見えない資産として、生産性として表出する時代である(※難解。「見えないが、生産性に表れる」かな)。そのためには民主主義を守る市民一人ひとりが、資産家に惑わされない事が必要になる。

<03 子供・将来世代の遊び場優先街づくり>

・子供・将来世代に最も重要なのが自然環境である。地球環境は今生きている人だけのものではない。そのため自然環境・自然資産を残す必要がある。山・川・水・池・草原・林・森・海・空気である。子供は自然の中で遊び、学び、導かれる。例えばリンカーンの「人民の人民による人民のための政治」は、人として大切なものは、自然から学ぶ事を教えた(※そうなんだ)。
・日本人は学問・科学が万能と認識している。そうでないと言ったのが、欧州のリベラルアーツであり、学問は深遠で、簡単に学べず、大自然や自らの意志が必要とした。これはギリシャ・ローマ時代からの理念であり、自由民として教養を高める教育だった。※リベラルアーツには、音楽や自然学習が含まれているかな。

・明治時代、これが啓蒙家西周により「藝術」として翻訳された。欧州では「人が持つ技芸の基本」として、自由7科がある。具体的には3学(文法学、修辞学、論理学)と4科(算術、幾何、天文学、音楽)である。
・自然に生存する生物が激減している。私が子供の頃は、川には魚・カニがいて、山には鳥・虫が数多くいて、木の実も取り放題だった。子供は走り回り、迷子にもなった。夏には海で泳ぎ、何度も溺れそうになった(※大幅に簡略化)。しかし今は子供を連れて行く場所がない。

・太古から奴隷は存在したが、ギリシャ・ローマ時代の奴隷民は自由民と同じ教育を受ける権利があった。誰もが教育を受ける意志を持てた。誰もが従属しない意志・行動が必要なのだ。
・自然環境を元に戻すには、長期の街作り計画・運営・維持・管理が必要である。そしてこれが地球の全住民の総意である必要がある。SDGsで行動が伴わないと、膨大な損益が排出される。自然環境を取り戻す街作りと成長産業化を併せ持つ、「価値創造」都市開発が必要である。
・そのためには「自然資源」が必要である。これは社会活動を維持向上させる源泉で、人間関係において価値が見出された「モノゴト」である(※大幅に簡略化)。つまり価値を評価する「資本資産」として扱われる「モノゴト」である。※難解過ぎる。自然資源=社会活動を維持できる=モノゴト=価値を評価できる=資本資産かな。

・「成長産業化」とは、生産性を上げるためのノウハウ/プロセス/仕組みに関わる「仕事化」である(※仕事化の方が分かり難い)。これからの街作りは、計画(プラン、設計)・運営(経営、公共活動)・維持(メンテナンス、補修)・管理(マネジメント、組織体)であり、生産性を向上させる仕事化が求められる。イノベーションで生産性が向上し、新しい価値が創出される。
・しかし創出された価値は見えないので、経験として体感されるだけである。そして親会社と子会社、上司と下司のトレードオフの関係に陥るため、社会全体の変革・構築が必要になる。全員が自然資産の中で価値創造を行う職に就き、富を築かなければいけない(※自然資産の中でないとダメなのか)。

<04 祖父母、近隣生活空間>

・かつては村の真ん中に鎮守があった。各家が農家だったので、集まって水の采配・取水・配水や開拓などを話し合った。話し合いが上手く行けば収穫は増え、上手く行かないと収穫は減り、餓死者が出た。死活問題なので皆真剣だった。女性が地理・地形・四季などの知識を持ち、男性が耕作地の補修・取水・配水などを行った。
・子供は幼児期に祖父母達を見て理解する。私は6歳まで曾祖母のお乳で育った(※3世代前だけど。教育を受けたの意味かな)。祖母達10人の集まりに出て男の子として対応した(※何に対応したのか。他の男の子も出ていたのか)。村の歴史・文化・風習・家族などについて何度も聞かされた(※詳細省略)。池に川端があり、魚が泳いでいた。子供の遊び場には老人の目が届いていた(※川端とは各家の水場の事だな)。
・日本は昔からコミュニティが存在し、話し合いをし、インフラ整備を行っていた。年少者・若者の育成に老人も参加した(※昔は住む場所と働く場所が一緒だったので、それが可能だったが、今は違う)。

・明治時代になると男尊女卑になり、富国強兵が進められ、欧州の帝国的・強権的歴史文化が導入された。日本独自の文化歴史は捨てられ、工業生産型人材を育成し、軍団兵隊型の教育をし、敗戦した。※この短い間にも歴史文化と文化歴史が混在する。
・日本は女性優位の文化歴史だったが、男尊女卑が定常化した。中世は妻は里方一族を背景に、夫の支配から独立した。妻は夫とは別の下人を持った。江戸時代になるとそれは強まり、私の曾祖母・祖母などにはその文化風習が色濃く残っていた。女性は男の子に「武士道」を教える一方、「女士道」や女性としての誇り・知恵を身に付けていた。女性の生活力・知恵・指導力・精神力は並大抵でなかった。

・日本は太古から女性優位だった。明治時代になり王政復古し、無条件降伏し、民主主義教育が始まった。しかし上層部は戦前教育を受けていたので、教育改革できず、集団的論調・集団兵隊教育を行った(※それは終戦直後の話で、漸次変わったかな)。
・これからは重層的な価値創造が必要になる。西洋で行われた事象として教えるのではなく、現在の現象を確認し、「モノゴト」を資源として捉え、義務と資源を結び付けて実行する仕組みが必要である(※仕組み?意識改革かな)。10年・50年後をデザインする能力を創り出す教育に大転換する必要がある。無形価値を中産階級に配布する法の制定をなす村里としての生活空間が重要になる(※教育で生活空間を変革するのかな)。
・グローバル情報社会になり、日本固有の文化風習、特に女性の文化・感知力は、これからの市場競争において、見えない価値・創造価値・創造知の発展に欠かせない。

第Ⅲ部 民主、民、村人、そして人としての責任

・人は働くとしたら、きちんとした/真面な/適正な仕事をしたいと思う。世界経済は繋がっているが、世界中が民主資本主義ではなく帝国化していたり、共産主義統制を行っていたり、部族長が仕切っていたり、宗教的な統制をしていたりする。この様な商取引世界経済の21世紀は、働き甲斐のある仕事を示すミッション/オプション(?)/ポリシーだけでなく(※具体例が欲しい)、目に見える設計デザインが必要になる。そのためには全員が民主としての責任を果たさないといけない。そうでないと民主国家は成り立たない。

第12章 独立型ガバナンス産業の確立

・今までの会社形式では企業間のトレードオフになり、強い企業が勝ち残り、公平な競争にならず、国が弱体化する経済社会になる(※競争の否定は、珍しい意見かな)。そうならない企業形式にしなければいけない(※会社形式と企業形式で言葉が変わっている。多分意味は同じかな)。産業構造組織(?)は今までとは異なり、産業組織のガバナンスが競争力に大きく関係し、行政組織のガバナンスが効かなければ、グローバル市場競争で負ける(※ここでも産業構造組織と産業組織が出てくる。何か往復ビンタされた感じ)。言い訳集団/敗戦立国(?)にならないためには、働き手一人ひとりの自負が欠かせない。

・これからは見えない価値が変化し、人と人との間の悩み・満足が重視される。他人との間で増産された見えない価値を平準化する場合、民主的に他人を優先して配布する必要がある。これには規範・ルール化が必要になる。経済的な平等なくして、人の平等は成り立たない。
・働き手は企業経営者・行政・政府が解決するのを待ってはいけない。働き手が集団・人類として成長し、活力ある中間層になり、何が最も重要かを公言し、誇れる中間層になれる企業経営が求められる(※これが求める企業形式かな)。

<01 働き手としてのCSR 組織的社会的責任> ※勝手にCSRの後にスペースを入れました。

・働き手として社会を見渡す時代になった。何時でも経営者・消費者・投資家・業者・サプライチェーンになれる時代になった。働き手は自分の意志・責任で、退職したり、起業したり、研究したりできる。
・しかし社会・地球環境に損害を与えてはいけない。企業運営も、企業利益より社会的・環境的利益を優先させる時代である。働き手は、責任を放棄したり自利に走る輩に、倫理を尽くす責任がある(※内部告発かな)。働き手は無責任な企業・製品・商品を発見し、淘汰する社会的責任がある。

・働き手の最も基本的な活動は、全ての利害関係者に説明責任を果たす事である。そのためには、「他者に言葉で伝える訓練」「グループ内でコミュニケーション力を養う」「公正さ」が最重要課題となる。具体的には以下である(※6つは、株主を除く利害関係者だな)。
 ①働き手として社会に対し、持続可能な環境説明を果たす。「誰々が言っている」「誰々がするだろう」「自分は遊んでいた」では成り立たない。
 ②従業員・同僚・後輩に対し、人権・労働安全・衛生の説明をする。「俺の言う事を聞け」「空気を読め」「忖度しろ」「いい加減な評価」では社会が壊れる。
 ③地域・故郷・古里に対し、雇用創出・企業創出などの説明をする。「古い法規で化学廃棄物を廃棄し、埋め立てる」「古い税制を保持し、新しい法案に目を向けない」では、地域は荒廃する。
 ④消費者・暮らし手・遊び手に対し、新しい価値・付加した品質を説明し、提供・供給する。工業化時代に成功した方法のままでは、1億総下流社会に成り果てる。
 ⑤外注者・業者・下請に対し、取引関係・腐敗防止などを、今までとは異なる手法で説明をする。「発注者に従い業務を受けろ」では成り立たない。業者に技術を維持するための取引情報を与え、職人としての利益を確保する。弱い業者・下請を退出させてはいけない。
 ⑥顧客・見込み客・固定客に対し、個人としての顧客ではなく、BtoBとして説明する。それは顧客の能力が向上したからだ。今までの商取引では顧客は激少する。会社組織団体の社会的説明を心得ないと、グローバル社会から取り残される。

<02 働き手としてのCSV 社会的価値と経済的価値の共有> ※勝手にCSVの後にスペースを入れました。

・CSVは「Creating Shared Value」の略語である。クリエィティングは「創造している産物」と訳される。シェアードは、①共有された、②使い分けられた、③共通して持たれた、④分かち合った、⑤分け前の、⑥役割の、⑦割り当ての、⑧株のなどに訳される。バリューは、①価値、②価格、③評価などに訳される(※単純化して欲しいのに、複雑化する)。そのためCSVは複合的な意味を持ち、以下の例となる。
 ①共有された価値を創り出す商品・産物。
 ②使い分けられる価値を創造するもの。
 ③分け前の価値を持つ、創り出された商品。
 ④割り当てられた評価を創り出すもの。
※抽象的な例だな。具体例が欲しい。CSVは2006年に生まれた新しい言葉で、まだ定義が確定していないかな。
・CSVは何重もの意味を持つ。つまりこれからの企業は様々な価値を創造する。日本ではCSRのように、「社会的責任を持つ人」(※企業では)として認識されているが、企業活動・組織活動を表現している(※例だと活動ではなく、商品・産物みたい)。

・外国語を翻訳する場合、自己の利に走らず、本来の意味を掘り下げないといけない。欧米ではリベラルアーツがある人からリベラルアーツがある人に話すのが前提になっている。東洋的価値観・部族的価値観の人が翻訳すると混乱してしまう。
・CSVを翻訳する場合、民主資本主義の教養が必要になる。社会的貢献だけでなく、社会の課題を解決する産物・商品を商品化し、利益を出す企業組織活動を指す。そして持続可能な成長をする企業である。

・日本では「生産性の向上」も曖昧に翻訳されている。工業生産型での生産効率の向上と思い違いされている。生産性の向上とは、品質・コスト・スピードの3要素が同時に達成される事である。20世紀の生産性の向上は、ICT情報社会の21世紀では生産性の向上と言えない。21世紀は品質・コスト・スピードを同時に達成できる時代である。それには新しいルールが必要だが、日本は遅れた法規・商取引を断行し、世界での評価が最下層になった。
・世界は「社会的価値」「経済的価格」を商取引に持ち込んでいる。そして米国・欧州・中国に3極化したデジタル経済になった。そして他利・総中流社会を認識せず、自利・自国・超金持ち主義から抜け出せず、強権的になり混迷している(※商取引は変わったが、混迷は強まったかな)。しかし欧州は交渉力を持つため、欧米間でデジタル経済にふさわしい枠組みを作り、東洋的資本主義の中国に対処すべきだ(※どちらかと言うと、西側の過自由主義が問題と思うが)。世界はソ連崩壊後、民主資本主義は金融資本主義になり、貨幣経済取引は信用経済取引になり、実体経済が複雑化した。低金利なのに好景気に誘導されず、借金・負債が残存している。

・話を戻すと、論理だけでなく、創造価値を生み出す企業を言っている(※主語はCSVかな)。21世紀経済で働き手として、価値創造経済(価値会計価格)で持続可能な企業として成り立つ企業が求められる。※節題の働き手は、人ではなく企業みたいだな。

<03 働き手としてのESG 持続可能な社会的投資責任> ※勝手にESGの後にスペースを入れました。

・金融ネット社会経済と生身の人間が働く社会経済のかけ離れた理論で議論されている(※難解)。GAFAの時価総額が東証1部を超え、テスラの株価がトヨタを超えた(※時価総額?)。世界で格差が広がり、中央銀行は超低金利を続け、負債を増やし、インフレ待ちになっている。つまり金融ネット経済と生身の人間の経済を同時に論理展開せず、話し合おうとしていない(※つまり庶民の事を考えた金融政策が取られていないかな)。
・デジタル時代になり、複雑化した生活要素の全てを話し合えるのに、それをせず、他人任せになり、上下関係論が浮上し(※また出てきたが、説明が欲しい)、強権的経済運営・政治形態になっている。世界は底なし沼になり、中世経済論になり(※古い経済理論?)、日本化している。

・30年前、日本は指導性を放置・破棄した。日本が新しい構想デザインを実行すべき時代である(※当時ではなく、今かな)。世界が日本に耳を傾けていたのに、日本は冒険せず、「今まで通り」を続けている。日本は「誇りと尊厳」を取り戻すべきだ。日本は西欧と異なる新しい民主資本主義を構想し、諸国に先駆けて実施すべきだ。ビジョン/ミッション/オプション(?)/ポリシーを示し、日本独特の文化コミュニケーション(※村里かな)を使って実施すべきだ。

・ESG(環境、社会、ガバナンス)が機関投資家に広がっている。財務情報だけでなく新しい評価で投資する動きである。新しい価値に投資するのは企業利益になるし、企業ブランドの向上に繋がると投資家が動き始めた。日本人も縄文からの歴史を紐解き、産業革命・第4次産業革命の基本に戻り、理解する必要がある。
・投資家も責任が問われる。武器/たばこ/ポルノ/ギャンブル/原発/化石燃料に投資してはいけない。財務情報だけでなく、ESG、すなわち新しい評価/創造的価値/見えない価値に投資し、持続可能な成長をなす企業に投資する意識が求められる。

・ESGだけでなく、概念・考え方も重要である。組織が社会に果たす使命を実現するには、組織が持つ価値観も重要になる。組織の「統治」と「統制」は全く異なる。日本は縄文より統治が基本にあるが、奈良・平安は朝鮮・中国の統制文化が入った。しかし鎌倉以降は統治に戻った。民主主義ではないが、住民主体による統治が行なわれた歴史文化を持つ。
・これは住居跡を見ると分かる。中国は北向きの住居で、当時の広さ・生活様式を残し、北向きの朝廷帝国様式住居である。これが3千年も続いている。一方日本は飛鳥時代、聖徳太子が法隆寺から飛鳥時に向かう直線道路を作っている。この南東に向かう道路に沿って都市計画された(※これは地理上必然的に南東向きになったのでは。また聖徳太子は仏教を広めた重要人物では)。日本は飛鳥時代後期まで南東向きの住居で、住民は朝日を拝み、男は耕作地に行き、用水路を調べ、女は食事を作った(※簡略化)。そして八百万の神々を信仰する文化歴史を持った。日本人は世界の諸課題に立ち向かう要素を持った人民である。

第13章 食生活

・化学薬品や有害な人口化合物(農薬、肥料)を使わない「自然な食べ物」を食べたいが、そんな食べ物は存在しない。今後、何が起こるか分からない。新型コロナや新型病に対処する必要がある。つまり農薬・化学肥料を一切使わない食べ物を食する文化風習を身に付けたい。そのためには自ら農作業・牧畜する事も必要になる。そうしないと何かしらの残留物が含まれた食べ物になる。

<飢餓>

・農業・牧畜も大量生産・大量消費になり、大量の貿易が行われ、各国の企業間で収益競争が行われている。重工業化時代から情報化時代になり、直近の収益を優先する経済になった。地産地消と云われるが、生産産業構造は工業化時代のままで、農牧経営者もその労働者も工業化時代の産業労働者として扱われている。彼らは大量生産・大量消費の体験者で、情報化時代の経済技術労働者に成れない。※産業労働者と経済技術労働者の違いの説明が欲しい。ブルーカラー/ホワイトカラーの感じかな。

・米国にラストベルト地帯がある。重工業・製造業が重要な地域である。しかし1960年代から低賃金国に仕事を奪われ、1970年代はサービス業に移り、1985年代から為替競争が始まり、2000年代から無人化機械化が始まり、労働者人口は減少した。経営者と労働者の格差が如実に表れるなど、諸問題が残こされている。
・情報社会では、農業従事者・工業従事者を含めた産業構造改革を行わなければ、格差は拡大する。米国は新しい産業が興り、人民の自治が成されるはずだが、「人民の不満」をクリントンに押し付け、トランプを大統領にした(※クリントンではなく、オバマでは?)。

・世界で経済構造が変革しているのに、話し合いが行われていない。世界共通のルール化はされず、自国優先の交渉ばかり行われている。問題はラストベルトの労働者・下請労働者を放置した事による。労働者は黒人・スパニッシュ(※ヒスパニック?)の人種問題に目を移し、自分達労働者の労働者による労働者のための問題解決に取り組まなかった。
・このラストベルト現象が世界中に波及し、話を外に向けるポピュリズムが広がり、富裕層は資産を増やし、不満を増幅させた人を煽り立てる現象が起きている。世界は自国優先主義と帝国主義に掻き回され、働き手・人民の話になっていない。農牧業者を含めた労働者組織経済改革をしなければ、産業革命(DX)に成らない(※結局はサービス業も含めた全産業かな)。

・20世紀までは、労働者になれない最下層を救う支援金活動が行われていた。政治活動・行政活動・市民活動はそれらの解決を目的とし、中間労働者・中間所得者の問題を議論しなかった。
・貧困問題は、支援金のバラマキでは解決しない。貧困国に資金を渡しても、貧困者に渡らず、配布者の為政者が政治権力にしてしまう(※政治利用だな)。そのためアフリカ/中東/中南米では飢餓の救済になっていない。
・デジタル情報化社会では、飢餓の人を世界で一人も作らない事が望まれる。そのためには全住民が人民(People)としての自覚を持ち、各自が豊かさを求める必要がある。アフリカ系・ヒスパニック系も今までの文化歴史観ではなく、ニューノーマルな生活を描く責任がある。デジタル社会では全ての人が飢餓をなくし、自国の文化歴史だけを信じるのではなく、世界の知恵・文化歴史を学ぶ事ができる。

<02 食品ロス>

・スーパーマーケット/農業従事者/梱包者/食品製造者/輸送者が、どれだけ食品ロスを出しているか知っている人は少ない(※多分2/3だったかな)。食品ロスは日本で643万トン、世界で13億トンである。不可食物を含む食品廃棄物は、日本で1970万トンである。その一方で、多くの人が食べ物がなくて苦しんでいる。餓死者が出ているのに、一般消費者は何も知ろうとしない(※大幅に簡略化)。
・解決策は、①地球規模で考え、行動する、②違いを受け入れ、学び取る、③未来を作る、④自然に合わせた生活をするである。社会全体が新しい社会を作ろうとしていない。昔の経済生活を続け、新しい生活に移行しようとせず、食品ロス・食品廃棄物を出し続けている。
・世界で特定人物の銅像などの撤去が行われている。米国初代大統領ワシントン、3代大統領ジェファーソンも奴隷所有者だった。道徳的基準は時代の推移により正される。古い常識で行動したり、見たり、聞いたり、言ったりしている人は正される。食品ロス・食品廃棄物を当たり前として、つけを先送りしている人は、暴かれ、正される。※現状批判が続いているが、大幅に省略。

・デジタル情報化時代になり、便利さが向上し、便益も向上した。GAFAは自社の利益に特化し、DX企業はデータ・デジタル技術を活用し、組織・ビジネスモデルを変革し、価値提供の方法を抜本的に変え、これにより配出される便益が増大した。しかし経営者層は自分だけ/金だけ/今だけに使い込み、世界に配出していない。
・EUはGAFAに対し、新たな法整備を討議していたが、やっと米国議会も討議を始めた(※米国は自分の首を絞めるから)。日本はまだ蚊帳の外である。それは今までに新たな法規を作った経験がないからだ。

・価値提供の方法は価値を与える手段であり、出来上がった価値を提供する方法である。今は創造された価値を、どう活用するかの時代である。そしてその扱い方の法律を、どうするかが問われている。
・自ら法律作りに参加しないと、GAFAが法律を自分勝手に使っている事になる。今までの法律だと、GAFAは新たな価値を自分・自社の利益獲得のためだけに使い、荒稼ぎする。組織経営者に正義はない。人民は新しい時代に応じた生活の規範(※法律ではなく規範か)を作り、実践し、GAFAの様な悪徳経営者を正さなければいけない。※タックスヘイブン/最低法人税率などの件もある。

・世界経済成長は-60%になろうとしているが(※理解不可能?)、株価は下がらず、実質経済とかけ離れた信用取引により、超資産家だけが市場経済で利益を生んでいる(※実体経済に対する信用経済の膨張かな)。今は信用市場経済と価値創造経済の二重構造に苛まれている。40年前の先送りが、経済厚生に負荷を掛けている。食品ロスを出さない豊かな生活を送り、負の二重構造に負けない生活の法規・規範を作り、対処する時代である。

<03 自然食品>

・食の安心・安全を求めても、完全無農薬/完全無化学薬品食品は存在しない。科学的な安全基準以内であると信じて食している。科学者任せで各国で異なり、科学者自身も情報技術の再転換(?)に振り回されている(※具体例がないと理解できない)。種子の商取引法が問題になっているが、科学界も表記(?)しないし、マスコミも報道しない(※これも理解できない。遺伝子組み換え食品などの事かな)。自分自身が品質管理しないといけない。
・科学者への信頼性が失われている。社会様式のパラダイムシフトが起きているが、それに科学者が対応できず、発言が二転三転している。医療施設/学会も同様で、科学者の社会的責任が問われる。一般社会に応答する責任があるのに、果たしていない。

・ICT社会になり、人の社会的な距離が長くなり、マナーが脆弱化している。かつての村社会/公共社会/繋がりが衰弱し、健全なデモクラシーが崩れ出した。SNSは規制すべきである。既得権益者の便益を優先したため、問題が山積している。全ての問題に公正・正直の倫理的問題が付随している(※具体例が欲しい)。全ての人がSNSの法規制に向き合うべきで、GAFAも法規制されるべきだ(※フル活用している身では辛い)。

・健康と経済が同居するようになった。グローバル化により、世界GDPに占める貿易の比率は低下した(※逆と思っていた)。米国のラストベルト問題は政治化し、サプライチェーンの脆弱性を示した(※話が飛んでいる気がする)。生産が一部の国に集中し、物資が不足し、敗者を生み、中間層が低所得化している。さらに自動化・ICT化で格差が広がっている。一方でグローバル化は多くの貧困を救った(※中間層・下位層の平準化かな)。

・金融資本と国際貿易が世界を動かすようになった。21世紀は全ての産業が人の健康を害しない産業に転換する。20世紀の規範・法律を、21世紀でも通用するように作り変える必要がある。ギリシャ・ローマ時代でも、自由民主資本主義を維持するため、住民自らが闘った。これは勝ち取るものである。長い歴史がこれを証明している。帝国主義・権威主義が駆逐されるのは明白である(※現状は半々みたいだ)。

<04 運動、体を鍛える>

・健康のため運動し、体を鍛える必要がある。ICT時代になり、地球は狭くなり、開拓する土地・水・海・空気・大気は存在しなくなった(※自然を開拓?)。「存在する」と言っているのは既得権益者だけで、全ての人が問題をはぐらかされ、ポピュリズムに振り回されている。
・気候変動に皆が取り組むべき時代である。脱炭素を進めない経済は工業化時代の生産方式に従うもので、非生産的であり、価値創造の生産を下げる。地球は便利になり、狭くなり、誰もが豊かに暮らせるようになった。人が自然の中で体を使い、健康を維持してきた事を歴史から学べる(※農業労働者に戻れって事?)。

・医療も近代的医療がAI等による医療に大転換する。医療の問題に請求額の最大化がある。医療装置は高価になり、医療関係者も高収入を得ようとする古い資本主義に惑わされている。本来、「医は仁術なり」だった事を忘れてはいけない。そして顧みなければいけない創造価値を探求しなければいけない(※具体例が欲しい)。達成すべき構造的業務要素は、①患者と医者との会話・共感・癒し、②医療機器の精度向上、③医療費のコストダウン。

・新しい価値創造の時代になったが、問題が山積している。構造的経済モデルは「現金で始まり、現金で終わる」と考えられているが、これは間違いである。人的資本・自然資本を活用し経済を活性化させる必要がある。生態系の存在を認識し、人や自然にお返しする時代である。
・最近、都市のデパートが不況になっている。中心部が空き地になり、都市が衰退している。20世紀の都市作りでは経済は再興しない。20世紀はデパートで寛ぐのがステータスだった(※車で行ける郊外店に変わったかな)。

・これは「自然の生態系」「生命体としての人間」の要求がないからである(※都市に自然が必要?)。自然の中に村があって、寛ぐ場所が必要である。老人も若者も集まり、男女の出会いもある場が必要である。これからの街作りは自然地を活かし、それを将来世代に伝える必要がある。これからは縄文文化住宅など感覚的要素を身に付ける事が重要になる。木を伐り、炭を作り、空気に触れ、水が流れ、家には池があり、魚が棲む(※懐古主義が強い)。

<05 ケアファーム>

・農福連携先進国オランダに学ぼう。ケアファームは農業と福祉を連携させた事業である(※農福連携は初耳)。この運営は、ケア従事者/農業従事者/ボランティア/研修生が行う。自然の中で、鶏・豚・牛を飼い、野菜・果物・ハーブなどの有機野菜を栽培する。平日は障害者・養老者が来て、週末は障害者・親子が来て、宿泊施設を利用する。※最近は市民菜園などが多い気がする。
・オランダと日本が異なる点は、オランダは障害者を幅広く受け入れ、単なる障害・介護施設ではない。オランダでは障害者はハンディキャップド・パーソンと呼ばれる。手助けはするが、一人の人間として対応する。これは西欧では当然だが、日本はまだ対応できていない。
・ケアファームでは、様々な利用者が緑豊かな自然の中で過ごし、農牧作業を太陽の下で行うのが大切である。これにより人としての誇りが回復する。オランダでは家族・友人・地域の人が介護を行なうと給付をもらえる。

・日本でもケアファームにより森・心・地域を再生し、一人前の人を創り、新しい産業を創生できる。日本の自然を取り戻し、21世紀の新しい産業を創出しよう。
・日本の山村・中山間部・農村は空洞化している(※地方には産業がない)。森・谷川・山村・扇状地をコンクリート化し、災害を頻発させ、問題を山積させた(※土木工事は防災のためと思うが)。造作山林(※植林?)・ハゲ山は崩壊し、ダムは河川を氾濫させ、土砂や外国種の木材が山村を襲い(※流出したスギなどかな)、河口では2F・3Fまで浸水した。そして行政は支援金で済ませている。

・21世紀の社会は20世紀と大きく異なる。介護医療と農業、自然環境整備と災害対策と都市計画は関連させ、新しい産業を起こす必要がある。つまり農業を6次産業にし、環境資源保全産業にし、創造知識産業にし、起業させる事を提案する。
・農業を新産業として分解し、2文字で表すと、①耕作・加工・販売、②観光・交通・輸送、③土壌・水質・空気、④価値・評価、⑤介護・医療、⑥救助・避難、⑦道路・通信、⑧教育・文化となる。農業は新産業としての要素を含み、再構築し、消費者優先の企業団体を創出しよう(※利益追求しない企業団体かな)。これからの顧客・Z世代(概ね1990・2000年代生まれ)は、安く、近く、短時間の利用を求める(※安近短だな)。

<06 健康医療>

・日本は戦後まで訪問医療が当たり前だった。医者は老人・病人の悩みを聞き、全てを解決してくれた。その頃の医者の信頼は高く、尊大だった。今は専門性が多岐になり、専門医を探すのに苦労する。健康維持には医者・科学者に頼らず、自己責任として自覚が必要になった。
・コロナウイルスが蔓延し、多くの死者が出ている。ウイルスにはコウモリから感染する。自然との関わりが問題視される。近代化や2度の世界大戦で自然を破壊した。多くの人・生物を殺傷した歴史がある。
・都市開発/近代化などで病原体を持つ野生動物の居場所を少なくなり、未確認科学物質との接触で病原体を作り出し(※耐性菌?)、新たなウイルスが伝播するようになった。そのため科学者任せにした責任が問われている。野生動物/化学物質・医療薬品の金儲け主義による販売が、ウイルスの増勢に加担した。森林破壊の防止と野生動物の取引規制が求められる。

・国・地域がウイルスと戦わないといけなくなった。経済学者野中郁次郎が『失敗の本質』を共著し、日本軍の敗北を分析している。彼に従えば、ウイルスに勝つには、戦略・戦術・戦闘を組み立てる必要がある。日本軍の戦略・戦術は古く、戦闘能力(兵の優秀さ、精神性)だけで戦ったと言っている。同じ事が医療・介護現場で起きている。この欠陥は戦後も引き継がれ、日本は他国に比べ組織能力(ガバナンス)が低いと言っている。

・「第1の敗戦」は第2次世界大戦である。「第2の敗戦」はバブル崩壊で、原因は金融政策の失敗(※金融引締めしなかった事かな)であり、管理能力の欠如、欧米の金融自由化に対応する能力のなさである。「第3の敗戦」は、2011年の福島原発の事故と地震への組織的対応である(※この説は別書で読んだ気がする)。
・日本は敗戦したが、誰も責任を問われず、旧体制が存続した(※軍事裁判、公職追放、財閥解体、農地改革などは行われた)。膨大な死傷者・損害・借金を出したのに、想定外として先送りしてはいけない。国・市民が失敗しないため、『失敗の本質』から学ぶ必要がある。
・「第4の戦い」が始まった。勝つには戦略・戦術・戦闘が必要である。現場から打撃の報告をリーダーが受ければ、敵に対する戦略を立て、各部署に伝え、具体的な戦術を作り、現場が納得して戦う。この組織機能が必要である(※一般常識かな)。

<07 自然農園>

・「ゆく河の流れは絶えずして・・・・久しくとどまりたるためしなし」。平安末期の鴨長明の言葉である。今と同様の世知辛い世の中を表している(※末法思想も影響したかな)。社会の変化が早く、元の要素・仕組みは役に立たなくなる。うたたかな世の中と言っている(※バブルだな)。今は「モノゴトの社会」に変革した(※コト消費はよく聞いた)。当時は貴族文化が武士文化に変化した。今も社会の変化にそぐわず、経済は停滞し、信頼される統治システムになっていない(※政府・企業・組織かな)。

・今は大変革の時代で、西欧型民主資本主義が「東の日出る型民主資本主義」に大変革する時代である(※以下では「日本型民主資本主義」とする)。西欧の大陸横断的な開発経済社会は終わり、アフリカが参加する地球的で糧と報いの経済社会に大変革した。貧しくても、糧と報いの豊かさ(?)を新しい経済成長の資源とする社会である。
・ソ連崩壊で社会主義・帝国主義は終わった。新しい資本主義を模索し始めたが、中国は社会主義的帝国主義経済に戻そうとしている(※中国は社会主義/自由資本主義ではなく、国家資本主義かな)。これからは皇帝主義・王国主義は存続できないのに、続けられると信じている(※今は世界の半分が権威主義国家)。

・第2次世界大戦でドイツ/日本は敗戦したが、共に全体主義だった。そのためドイツは独裁国家にならないため、ナチスの蛮行を明確にしている。一方日本は明治以降の蛮行を論じない歴史観がある。国民は自信を失い、敗北感・劣等感が支配している。特にZ世代は希望が持てず、徘徊し、SNS化している。
・日本人には年長者を敬う東洋的精神的風習がある(※儒教かな)。戦争経験者と民主資本主義について話をすると、戦前の精神状態に戻り、全体主義国家であった事を認識していない論法になる。また民主の主は民なのに、社会主義化の論法になっている(※三つ子の魂百まで)。世界中でリーダーシップを欠く「Gゼロ」現象が起き(※Gゼロは権力の空白を意味する)、政治はポピュリズム化し、「ニューノーマル」金融経済が新常態になっている。全ての人の覚悟が問われる時代になった。してもらえる民主主義、おねだり資本主義は地球から消えた。

・日本には縄文からの八百万の心霊が存在する。日本の自然には、無限の希望が存在する。日本の自然ほど、豊かなものはない。分水嶺・森・谷川・里山・小川・里村など。日本には戦わず、全てを受け入れ、焦らず、正しい道を歩む歴史がある。違いがあっても、慌てず、諦めず、それを当たり前として面白がり楽しんだ。
・江戸末期以降、近代化に走り、日本固有の価値観・文化風習を顧みなかった。明治時代、夏目漱石は『吾輩は猫である』を書いた。彼は「自分は従者である」と、お笑いの話に持って行った。当時の人に伝えたい「モノゴト」があったのだろう。当時の人は、それに深い関心を持っていた。明治33年(1900年)彼は英国に留学し、英文学を学んだ。彼は学んだ英文学を日本に伝えると、日本元来の文化風習がなくなると悩んだようだ。日本は雨量が多く、自然が豊かである。日本全体が農園であり、遊び場である。これからも日本を農園化したい。

第14章 ガバメントとガバナンスは異なる

・ガバメントは「政府」「行政府」「統治者」などの意味で、ガバナンスは「統治のプロセス」を意味する。政府・企業などの組織や領土が対象で、関係者は相互利用や意思決定により、規範・制度を形成・強化・再編成する。ガバナンスには市民の工夫が含まれ、逆にガバメントには監視が含まれる。
・西欧はギリシャ時代から市民の工夫が行われた。そのため西欧と東洋では、支配者と被支配者の関係に相違がある。西欧では未開の分野を開発し、発見・発明してきた。そして権威・威圧を市民が統治してきた。欧米各国は新大陸を侵略し、土俗化した(※元々土俗化していたのでは)。この西欧のガバナンスを学ぶ必要がある。

・次にコンプライアンスの言葉があり、「追従」「応諾」「即応」を意味する。一般に「法令遵守」と訳されるが、法令・道徳・習慣・倫理を守る事である。国には法律があり、行政・企業・団体・家族・個人には規範がある。そしてこれらは他者が作るものではない。企業の規範を守る関係者は、株主・取引先・経営者・従業員・顧客・公認会計士・行政・地域社会などの利害関係者となる。
・3つ目にステークスホルダーがある。利害関係者は全ての人のために社会を動かす要素がある(※何か難解)。

・この3つの言葉を異なる歴史文化の中で、民主主義として資本主義を運用しなければいけない(※これも難解。「民主主義として」は「民主的に」かな)。そのため他の歴史文化の異民族も民主主義として資本主義を運用するために学ばないといけない(※民主主義・資本主義を世界標準として学べかな)。
・3つの言葉を使い込み、ガバナンスの強化・向上・確立・改革・発揮との関連を深め、体制・機能・構造との関係を深め、統治のための体制を発展させなければいけない。ガバナンス/コンプライアンスで運営管理し、私物化されない/不利益を被らない/不祥事を起こさない統治が必要になる。

・組織構造において非倫理的な要素が鮮明になり、企業・組織統治のやり方において国毎の相違が鮮明になっている(※具体例が欲しい)。冷静さがないと、国の体制・機能・構造が成り立たない(※これも具体例が欲しい)。前時代の奢りは負の遺産である(※先進国かな)。今はグローバル・ガバナンスが重要である。グローバル・ガバナンスには国家だけでなく、様々な非営利組織/ステークスホルダーが関与する仕組みが含まれる。ガバナンスは能力・手法を意味し、統治能力・改革として使われる。

<01 西洋と東洋>

・世界で民主主義が問われている。住民主体の統治体制(民主主義)は、どこで生まれ、どの様に発展し、どう衰退し、どう再建すべきなのか。世界各国の市民が、自国の統治機能を問うている。それには自国の状態を明確にする必要がある。21世紀は住民主体の統治体制を民主的・平和的に築く必要がある。
・住民の信用を得るには、総思想(取り残しがない。※初耳)が課題で、SDGsの実施が課題になる。それなのに部分的な話を議題にし、熱狂し、相手をやり込め、自己満足し、威圧し、統制機能の強化に終始している。為政者の権力維持・拡大が放置され、繰り返されている。
・東洋には東洋的思考があり、官僚・住民が下僕化する傾向がある。「怖れる」の言葉があるが、怖気づいている事を隠すため、早めに畏れ敬う(※お上思考かな)。

・民主主義は紀元前5世紀頃、アテネで始まった(※アテナイの表記もあるが、アテネで統一)。直接民主制で、市民が直接投票した。ただし全員ではなく男性だけで、外国人・居住者(※移住者では?)・奴隷・女性は含まれない。デモクラシーは、国家・国民・住民を表す「デーモス」と権力を表す「クラトス」の合成語で、「人々の力」を意味する。
・ソクラテスが「大切なのは、ただ生きるのではなく、善く生きる事」と言っている。「クオリティ・オブ・ライフ」の言葉がある。これは正義の下に行動する自由があるかを問うている。しかし日本には東洋的思考が残り、悪政を黙認する多数派傾向がある。これを認識し、本来の民主主義を勝ち取らないといけない(※日本には自治があるとした説と異なる)。法・市民を無視し、所得を拡大し、権力を支配する人に従僕する思考を払拭するには、「人生の質」を高める人材育成が求められる。

・ローマも都市国家として発展した。アテネと同様に民主制だった。商業都市として発展するが、統制者として振る舞うようになり、帝国主義化する。コロッセウムや半円形の劇場は、話し合いと武力闘争が同居する場である(※格闘かな)。これは東欧・中近東などにも存在する(※ローマ帝国領かな)。これは市民の同意が必要だった事を示している。
・東洋にこの様な遺跡はない。北向きの遺跡があるだけである(※詳細省略)。長安がそうで、異民族の北京もそうで、それが今も続いている。日本も奈良・平安時代はそうであった。しかしそれ以前の縄文/卑弥呼/聖徳太子の時代は、東洋的皇帝文化とは異なる文化風習があった。民主主義・資本主義を進め、国々は対等で、平和的だった。そして都市は朝日を拝する南東向きだった。

<02 民主主義の原型>

・民主制とは人民が主権を行使する政治である。近代は市民革命により市民社会になった。対義語に君主制/貴族制/神政政治/寡頭制/独裁制/専制政治/全体主義などがある(※よく共和政と共和制で迷うが、共和政は政府が共和的で、共和制は制度が共和的かな)。民主制には、イニシアティブ(住民発案)、レファレンダム(住民投票)、リコール(罷免)、言論の自由、少数派の尊重、情報公開などが必要になる。
・民主主義は三権分立で、議会が必要になる。しかし近年は、政党・圧力団体・マスメディアによる大衆迎合に影響されている。民主主義の歴史は以下(※大幅に簡略化)。
 1989年-ベルリンの壁崩壊、東欧革命、天安門事件。
 1991年-ソ連崩壊。
 2001年-米国同時多発テロ。
 2008年-リーマンショック。ボルカーらが健全性に取り組むが、高所得者に蹂躙される。
 2010年-アラブの春。民主主義に移行すると思われたが、独裁政権化する。
 2017年-トランプが大統領に就く。民主主義/資本主義/軍事侵略(?)は転換するが、全ての国が時代遅れの思考で対処する。※どう転換した?何に対処した?

・SNSの時代になり便益は増大したが、一部の高所得者・権力者だけが自由民主資本主義の競争として世界を翻弄している。ロビイストが力を増し、ICT情報を乱用している。SNSでは、特定の個人・企業が誹謗中傷され、サイバーいじめ/オンライン嫌がらせ/トローリング(荒らし)が起きている。キャンセル・カルチャー(特定人物の排斥)の言葉もある。
・異端に対する寛容性を欠き、道徳性や政治的コメントが強められ、強い者に巻かれる風潮が出てきた。トランプの一方的な発言に、同調者がツイートしている。制約なく討論できるのが自由民主資本主義の生命線なのに、コミュニケーションは狭められている。科学者・作家・ジャーナリストも論調を曖昧にしている。しかしこの状況でも、コミュニケーションする余地が残されている社会であり、失敗しても許される文化があると信じている。

・しかし自分に都合の良い情報だけを発信し、行動パターン(?)を変えてしまった(※権力者によるポピュリズムの事?)。コンテキストも何もない、強い語気の情報に振り回されている。TVも同じで、情報の裏側だけを見せられて、目が点になっている(※逆で表側だけを見せられているのでは)。企業/ジャーナリスト/組織団体の信頼が欠けている。全ての関係者が社会的責任を果たす必要がある。無責任が蔓延し、表現の自由が縛られている。
・この状況を打開するには、簿記・会計の歴史の基礎から紐解く必要がある(※SNSなどによる表現と会計は遠い気がする)。民主主義も、武力・軍事・政治・強権の歴史の基礎から紐解く必要がある。この状況を「ニューノーマル」と云う。

<03 民主主義の維持管理運営の歴史>

・人類としての維持管理運営には、過去からの知と未来を予想する知からの解決策の維持管理運営に依存する(※難解。後述から「維持管理運営」は、単に「実施」と解釈できる)。経済は大きく変化し、GAFAが収益を独占し、監視資本主義化している(※監視資本主義はビッグデータの活用かな)。共有財産を自分の利益にしている人が多い(※共有財産の説明はない)。共有財産は経済成長の資源で、共有財産経済・無形価値経済に進んでいる。経済を無形価値経済に参入させるための論点は以下(※大幅に簡略化)。

1.範囲分類
 世界はニューノーマルになった。地球の維持・管理・運営を紐解くためには、SDGs/ESGを鑑み、①経済/②統治/③環境を再構築し、新しい価値創造の時代で日本が手を付けていない無形価値をどう把握するかを図る(※難解。「無形価値を把握する方法を計画する」かな)。そしてどの様に行動するかを示す。

 現実の経済社会(A)を見抜くには、技術革新(B)のスピードや個人認識(C)が重要な問題になる。

 経済社会(A)進化の範囲として、地球環境を把握するには、①無形価値経済の維持・管理・運営、②ガバナンスの効いた政治の維持・管理・運営、③テロ・軍事を含めた地球環境の維持・管理・運営の3要素を「モノゴト」として把握する事が重要になる(※こんな所で、また意味不明のモノゴトが出てきた)。デジタル・トランスフォーメーション(DX)により価値観・枠組みが根底から覆っており、こんな時期こそ革新的イノベーションのために、新しい技術で対処する必要がある(※DX自体が新しい技術かな)。

 技術革新(B)進化の範囲として、DXはICT技術/AI技術を著しく発展させた(※逆で様々な技術の発展でDXが可能になったのでは)。新たなネットワークを「フラットなコミュニケーション技術」として捉える必要がある。①媒体技術の維持・管理・運営、②データ量技術の維持・管理・運営、③経産技術の維持・管理・運営の3要素を「モノゴト」として把握する事が重要になる。「技術革新」を新しい価値を創造するものとして捉え、イノベーションを起こさなければいけない。※当然、新しい技術は有効に使いたい。

 個人認識(C)進化の範囲として、ニューノーマルを「自己自分ゴト」として捉え、行動する必要がある。価値創造を行う人となり、創造の原点であるアート/デザインを歴史的に捉え、それに社会論理を加えて展開する必要がある(※これは文化的要素かな)。①自己の維持・管理・運営、②所属の維持・管理・運営、③存在の維持・管理・運営の3要素を「モノゴト」として、自己を把握する事が重要になる。

 これらから21世紀の自由・民主資本主義による成長産業を創出するための論理を確立する。経済は無形価値の時代に入ったのに、古い価値観で商いし、30年が経ってしまった。※範囲分類の図があるが省略。

 新しい価値の時代を紐解くには、経済社会(A)進化の範囲では、①無形価値創造経済-会計手法/便益/満足、②ガバナンスの効いた政治統治-自由/強権/三権分立、③地球の自然環境資源-テロ・武力/自然環境/社会生活。技術革新(B)進化の範囲では、①媒体技術-紙/TV・ラジオ/ICT、②データ技術-ビット/テラ/京(※単位を並べる事に何の意味があるのか)、③計算技術-計算機/自動機(自動運転)/判断機(AI)。個人認識(C)進化の範囲では、①自分-意識/感性/創造、②所属-家族/団体・会社/国・地域、③存在-倫理/自利/他利。
※難解。「無形価値経済に参入するには、経済社会/技術革新/個人認識の範囲が重要になる」かな。

2.時間層
 未来/現在/過去がある。※上記範囲の2次元化かな。図「時間範囲デザイン」は省略。

<04 提案>

・価値創造時代における解決策の運用管理を提案する。21世紀は過去を参照するだけではムダになる。そのため技術革新/自己責任を「モノゴト」として、経済運営をバックキャスト(未来を想定し、そこから何をすべきか組み立てる)する必要がある。またあらゆる要素を「モノゴト」として解決策を策定する必要がある。

・2020年は金融マネーが拡大し、不安定化し、特別富裕層優遇経済化した。特別富裕層とはGAFA関係者である。欧米では彼らに対し法的規制が行われているが、日本は何もしていない。GAFAの収益は無形価値によるが、無形資産として表出し、会計上の抜け道を多く使っている(※タックスヘイブン?)。
・無形価値は新しく生まれた便益の経験知がないと認識できない「モノゴト」である(※やっと最後の最後で無形価値の説明が出始めた)。明治以降に学んだ学問では認識できない。これはGAFAが生み出したもので、日本の物まねでは認識できない。※無形価値は検索エンジン/AI/ビッグデータなどが生み出した便益だが、認識は難しいのかな。

・経済成長は企業が起点になるが、企業だけでは問題解決できない。既得権/ルールなどの問題にも対処する必要がある。行政機関/法制機関も、有形資産から無形資産に変動した事を認識し、意識改革する必要がある(※ここは価値ではなく資産か)。全ての利害関係者の問題である。問題から乖離した議論ばかり行われている(※具体例が欲しい)。社会全体のイノベーション創出力とガバナンス改革が問われている。

・無形価値は、顧客体験/従業員体験/経営者体験/科学者体験/政治家体験/行政機関体験/司法機関体験などを体験しないと無形価値の会話に参加できない。無形価値を理解できないと「今まで通り」「威厳ばかり」で押し通す事になる。解決策を運用管理するには、未来を想定した解決策を「自分ゴト」として捉える必要がある。今後の技術発展スピード範囲/社会全体のガバナンス/環境問題/無形価値経済/無形資産経済/価値創造経済を運用管理する必要がある。※図「想定歴史デザイン」は省略。