『ユーチューバーが消滅する未来』岡田斗司夫(2018年)を読書。
将来を予測し、またそのヒントを紹介している。
AI(人工知能)について多く解説しているが、その予想は概ね的中している。
第8章の政治に関する分析は興味深い。
アイドル・映画などに詳しいと理解し易い。
お勧め度:☆☆
内容:☆☆(将来予測が飛び過ぎ)
キーワード:<未来格差>AI、価値、未来、<未来予測>戦国時代、価値観、第一印象至上主義/考えるより探す/中間不要、評価経済社会、ブレークスルー、<盛る時代>フェイクニュース、盛り文化、AR(拡張現実)、<AIとユーチューバー>ブログ/ツイッター/ユーチューブ、外国語、動画配信、<アイドル>プロ意識、メタゲーム、象徴、<アマゾン>パラダイムシフト、書籍、ロングテール、不動産、<バーチャルとリアル>恋愛、食事・ファッション・庭園、雑音、価値観、バーチャル・キャラクター、少子化、<AIロボット>カプセル式住居、ロボット/人工知能、<人工知能と政治>キャラクター、キャラクター主義(徳治主義)/ルール主義(法治主義)、資質、政治人口知能、<幸福論>人に付く、幸福
序章 未来格差に備える
○人間に残る仕事はない
・2013年マイケル・A・オズボーンは『雇用の未来』で「20~30年内に労働人口の47%が機械に替わる」とした。一方「自動化されない非定型の仕事」「クリエイティブな仕事」「コミュニケーションが必要な仕事」はAI時代にも残るとされる。私(※著者)は5%の人は「恐ろしく知能が高い」「人を使うのが上手」「容姿が魅力的」で楽しく生きていけると思う。残りの9割の人は仕事がなくなるかもしれない(※移動や動作が伴う仕事は存続するかな)。今の学校教育がこのまま続くとは思えない。ネットショッピングが当たり前になった様に、ネット教育が普及するだろう(※詳細省略)。
○AIは賢くなり、僕らはバカになる
・これからは「頭の悪いAI」と「頭の良い人間」の競争になる。AIはどんどん賢くなりますが、人間は進歩しません。人間は賢くなったのではなく、単純労働に耐えられなくなったのです。
・私はアニメ/特殊撮影に関わったので、この変化を実感します。1981年『ニューヨーク1997』ではCGを使っていませんが、1995年『トイ・ストーリー』頃からCGが当たり前になります。それは人間よりCGが安くなったからです。これにより特撮の人が失業しています。
・一方でお金にならない、必要とされない仕事が価値を持ってきました。ブログを誰かが面白がる事で価値が生まれます。そこにお金の流れが生まれるこ事もあります。必要だった仕事が消え、仕事でなかった事から仕事が生まれます。
○未来格差を認識せよ
・格差は拡大します。それは所得や教育ではなく、未来に対する感度で、「未来格差」です。未来を意識し、自分の行動を変えれるかです。大企業に就職するのではなく、多様な仕事に関わり、収入源を複数持つのです(※ノマドかな)。これまではオアシスの水は豊富にありましたが、今は干上がっています。複数の水溜りに足を漬けなければいけません。未来がどんな方向に向かっているか知らなければいけません。
第1章 未来予測の3大法則
○2028年は?
・本書は今から10年後(2028年)を予想します。確実なのは2020年東京五輪が開かれ、2025年大阪万博が開かれる予定です(2018年11月決定)。2028年頃には日本人は人口減少を実感するでしょう。国力は人口に影響されるので、国際関係もダイナミックに変わります。2017年トランプが大統領になり、「アメリカ・ファースト」を打ち出しています。これは米国だけではなく、どの国もです。国連の理想は既に存在しません。主要国のトップは、いずれもキャラが濃い。世界的な「戦国時代」「乱世」です。これは国家間の戦争に限りません。様々な組織・個人が思想/主義/文化でぶつかり合うのです。激動期が始まったのです。
○社会の価値観
・未来予測は大変です。科学雑誌『子供の科学』は軍事力をベースに予測しています。当時は経済力より軍事力だったのです(※そうなんだ。何時の出版?)。20世紀後半からは経済力が注目され、「どの企業が生き残るか」に関心が集まります。そして今は「ネット産業はどうなるか」「仮想通貨はどうなるか」「AI時代に残る職業は」など、産業や職業に関心が集まっています。1980年代の『第三の波』(アルビン・トフラー)『知価革命』(堺屋太一)はネット社会を予測しましたが、「イイね」をもらうために写真を撮りまくる若者まで予測していません。未来予測は「社会の価値観の変化」に着目する必要があります。
○未来予測の3大法則
・「価値観の変化」は3つ纏められます。①第一印象至上主義、②考えるより探す、③中間不要。①「第一印象至上主義」は、最初の印象を絶対視します。例えば誰かのツイートを見てカッとしたら、その感情を肯定する情報ばかり集めるのです。「釣りタイトル」を付けた記事をよく見ます。タイトルを見てカッとしたら、本文を読まず、その感情を肯定する情報ばかり集めるのです。その方が「コスパ」が良くなります。※私は逆で、内容を確認するため、まず本文を読むかな。そもそもカッとしないだろう。
・ネットの黎明期に「ネットは趣味・嗜好が同じ人ばかりが集まる」とされましたが、今はそれ以上です。第一印象で「この人は良い人」「この人は悪い人」「この人は味方」「この人は敵」と決めつけます。私は能動的に情報を集めますが、「マスゴミ」(テレビ、新聞)に騙されないため、自分の好む情報だけ集めます。※正しくエコーチェンバーだな。
・②「考えるより探す」は自分で回答を考えるのではなく、大勢の意見から自分に合った意見を選ぶのです。夢・目標・意見などを自分で考えるのではなく、ネットから選ぶのです。例えば映画を見て「つまらなかった」と思っても、ネットで評価されていれば、それを参考にしてツイートするのです。※①第一印象至上主義の反対だな。
・③「中間不要」が一番重要です。アマゾンが伸びていますが、本屋が不要になった訳でなく、大型書店は生き残っています。ユーチューバーが溢れていますが、芸能人全員は失業していません。無料で漫画が読めますが、漫画家全員が失業した訳ではありません。すなわち超メジャーは生き残り、中間がいなくなったのです。無料で人を笑わせたり、漫画を書いたり、小説を書く人が現れたのです。コンテンツ/サービスが無料になったのです。これは人間関係も同じで、例えば彼氏・彼女です(※最近はAIを友人にする人が多いらしい)。理想の人と付き合える人は限られます。そのためそれがバーチャルに置き換わるのです(※詳細省略)。
○あらゆる個人が絶大な影響力を持つ
・私は『評価経済社会』(2011年)で現代社会を描写しました(※大幅に簡略化)。
私達は情報化社会を「情報が溢れる社会」「小さな事件の客観情報が得られる社会」と考えがちですが、実は「大きな事件の解釈・感情が溢れる社会」です。
私達は両親などから、しつけ・教育・常識・教養などを学びます。近代になると大規模に効率的に影響を与えるマスメディアが生まれます。さらに現代になるとメール/ブログ/ツイッターなど、双方向の「電子ネット」が生まれます。一般人が不特定多数に自分の意見を述べる事が可能になります。評価と影響を交換し合う社会、これが「評価経済社会」です。
この社会では「どれだけ有名になれるか」「どれだけ高評価を集められるか」が争われます。影響・評価はマスメディアの特権でしたが、電子ネットはこれを一般人に開放したのです。「技術は権力者の特権を市民に開放する」のです。
・しかし権力者が影響力を失う訳ではありません。トランプは自ら発信し、国際政治を引っ搔き回し、影響力を強めています。この人より目立ち、強い影響力を持とうとする闘いが国家だけでなく、YouTube/学校/職場などあらゆる場所に広がっています。国家・学校・会社などの仕組みは存在しますが、壊れつつあります(※モンスターペアレントの説明は省略)。
・社会に対し怒り・不満を持った若者が社会を変えようとしたムーブメントがありました。米国のヒッピー、日本の安保闘争などです。そして今もそうですが、矛先の国家・会社は壊れつつあります。私達は国家に頼ろうとしていますが、崩壊は始まっています。今は価値観が多様化し、国家は1億人の面倒を見れなくなったのです。「今は乱世」の自覚が必要です。この自覚の有無が「格差」になります。
○ブレークスルーは3ステップ
・『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989年)が大ヒットしました。この舞台は2015年で、約30年後を予測したものです。ブレークスルーには3ステップが必要です。最初のステップは、研究者が「原理的に可能」と発表する段階です。10年位で次のステップ「実用化できそう」となります。さらに10年位で「後はコスト問題だけ」となり、その10年後位に社会に普及します(※4段階の気がする)。
・VR・ARは最後の段階です(詳細省略)。そのため10年後位に普及すると考えて、未来予測するのです。(※自動運転、空飛ぶ車、宇宙旅行については省略)。人工知能はどうでしょうか。感情を持ち、自分の意志で行動するのは無理でしょう。ただ「知性」に関しては進歩しています(※チェス・囲碁・将棋で説明)。しかし現実社会は勝利条件が明確でありません。
・自然言語の「機械翻訳」「音声認識」の精度は向上しています。「シリ」「アマゾンエコー」などのスマートスピーカーが普及しています。ところが私達は機械に合わせて話しかけています。けれど曖昧な指示をしてもコンピュータが補完してくれる様になるでしょう(※これは今のAIかな)。10年後にはスマホの次が見えるでしょう。それは機械ではなく仮想的な人格を持ったアプリかもしれません。
第2章 自分を「盛る」時代
○「ニュースが真実かどうか判断する」は重要でない
・2017年『クローズアップ現代+』で『東京スポーツ』が「デーブ・スペクターは埼玉県生まれの日本人」とする記事を書いたと放送する。そこで解説者は「人はパッケージによって受け止め方を変える」とコメントする。私達は「東スポだから嘘だろ」「朝日新聞なので左に寄ってるかな」とパッケージによって判断する。
・しかしこの常識が崩れつつある。アクセスを集めるため、怪しいニュースサイトでも小綺麗にしている。米国にはニュースサイト「RealTrueNews」があるが、嘘の記事ばかりです。2016年大統領選で「秘密裏に行われた世論調査で、トランプの方が支持が多かった」との嘘記事を載せ、それが拡散しました(※トランプが当選したけど)。この時マケドニアの若者がフェイクニュースを量産し、大金を稼いでいます。
・「フェイクニュースを排除しろ」との要望がフェイスブック/グーグルに対してあります。グーグルは検索アルゴリズムを修正しましたが、「真贋を判断するのはユーザー」と言っています(※フェイスブック、ウィキペディアの対応は省略)。しかしこれらの努力は無理筋です。一般人は判断できません。
・「嘘より真実を信じろ」は将来マナー違反になるかもしれません。これは「宗教より科学を信じろ」と同じです。もう「ニュースが真実か否か」は重要でなく、フェイクニュースでも信じるのが「文化」です。「文化」は「真実」より上位に位置します。「人間は本能によって動くが、視覚への依存が高い。脳の処理コストを抑えるため、他者を見た目で判断する」は人間の真実です。これに「私は人を見かけで判断しない」と反論する人がいるでしょう。この反論は嘘でしょうか。つまり人は自分が取り入れたい文化を選択しているのです。
○盛り文化
・『ねほりんぱほりん』と言う番組で、「偽装キラキラ女子」の回がありました。ゲストはアカウント「港区わがままOL」で、「今日はこんなランチを食べた」「彼氏とこんなデートをした」などとツイートしていますが、全部嘘です。彼女は関西の工場に勤める事務員です。日常を「盛って」、「凄いね」と言ってもらいたいのです。※自分は関心ないけど、癖になるかも。人は自己顕示欲を持つが、その1つの発現かな。
・デジタルネイティブ世代は「盛る」が本能なのです。選挙に行っても社会は変わらない。勉強・努力しても自分のポジションは変わらない。彼らは自分を「デコりたい」「盛りたい」のです(※パリピ/『君の名は。』/九份の解説は省略)。今は既に現実より「盛った」ものを優先する世界です。
・フェイクニュースも同様です。サイト運営者の目的は広告収入や政治干渉ですが、そこに集まる人は「現実より面白い」からです。予定調和のバラエティー番組では満足できないのです。
○現実拡張ゴーグルで見たいものを見る
・近年AR(拡張現実)が流行っています。(※ポケモン/ホロレンズの解説は省略)。ピクシーダストテクノロジーズのヘッドマウントディスプレイは網膜投影型です(※詳細省略)。今は大型ですが、将来は小型化するでしょう。
・スマホの次はスマートグラスと言われています。ここで重要なのは「各自が自分の解釈で世界を見る」です。「美少女だけいて欲しい」「『けものフレンズ』の世界で暮らしたい」など、現実ではなく、自分の見たい世界・デコられた世界を見たいのです。※私は現実追究だけで忙しいが。
・これによりコミュニケーションが失われ、ギスギスした社会になると思われるかもしれませんが、そうではありません。「現実補正」された社会で暮らす方が幸せです(※詳細省略)。「現実を見なければダメ」と反論されるでしょうが、「デコられていない現実」ってあるでしょうか(※服装の説明は省略)。
○現実をデコって生きる
・今はインターネットで世界が繋がっています。スマホはシリコンバレーで設計され、中国が組み立て、世界に販売されます。シリコンバレーの人はプラットフォームも作り、世界から利益を得ています。これが格差になっています。例えば学校関係ではカーストのメインストリートにいる人は、リアルでもソーシャルメディアでも楽しんでいますが、そうでない人は常に疎外感を味わっています。※トランプが支持される理由の解説は省略。
・これだけ格差が生じると、各自が見たい現実を見て、楽しく生きるのが正解となります。鬱屈を抱えて生きるより、現実をデコって生きる方がましです。「皆が同じ現実に向き合う」のではなく、「各自が別々の現実を生きる」のです。
第3章 AIがユーチューバーを淘汰
○子供の憧れになったユーチューバー
・ユーチューバーに憧れる子供が増えています(※世論調査は省略)。ユーチューバーはタレントの様になり、炎上する事もあります。
○ブログ/ツイッター/ユーチューブ
・まずユーチューブとは何でしょうか。ネットメディアには3種類あり、「ブログ」「ツイッター」「ユーチューブ」です。「ブログ」はテキストで新聞に似ています(※雑誌も含まれるかな)。ブロガーは出来事や意見を頻繁に更新します。読者は固定的です。
・「ツイッター」は多くの発信者が短い投稿をし、そのタイムラインを眺めるもので、聞き流すラジオに似ています。過去にラジオにより流行歌が生まれたり、深夜放送が世間を牽引したりしました。ニュースを聞き、世間で起きている事を知る事ができます。
・「ユーチューブ」(動画配信サービス)はテレビが発展したものです。テレビ番組はテレビ局が制作しますが、それがユーザーに開放されたのです。
・ブログ/ツイッター/ユーチューブは、それぞれ新聞/ラジオ/テレビが発展したものです(※この発想は面白い)。オールドメディアは終わってはいませんが、古いものになりました。若い人はテレビ/ラジオを持たず、新聞も購読せず、スマホだけで満足しています。
○外国語の勉強は不要に
・ユーチューバーは面白いと思ってもらえる動画を配信し続けています。しかし10年後彼らの多くは生き残っていないでしょう。2016年ピコ太郎が大ヒットしましたが、これは海外で先行しました。動物の動画などもヒットしていますが、これらは言語が関係ないからでです。
・機械翻訳/音声認識が進歩し、スマートスピーカー(アマゾンエコー、グーグルホームなど)も普及しています。これらの精度がさらに高まれば、外国語を勉強する必要はなくなります。外国語を勉強するのは「米国人心」「イタリア人心」などを知りたいなど、限られた人だけになります。※パーソナル・エージェントの解説は省略。
○グローバル競争に放り込まれる
・「言語の壁」はなくなります。特に話者が多い言語はそうなります。中国語は13.7億人、英語は5.3億人、ヒンディー語は4.9億人、スペイン語は4.2億人、アラビア語は2.3億人となっています(日本語は1.3億人で9位)。「言語の壁」がなくなると、ユーチューバーは海外との競争に放り込まれます(※今でも字幕は翻訳されるかな)。
・今後商品やコンテンツは「グローバル」と「ローカル」に二極化します。超ローカルな商品は残ります。真面な商人なら日本向けでなく世界向けの商品を作ります(※これは賛成し兼ねる。国毎に気候・制度・宗教・文化・習慣は異なる)。ユーチューブが残っていても、ユーチューバーはグローバル競争に巻き込まれます。※最近猫動画を見るが、外国のは少し違和感があって見ない。
・ユーチューブは誰でも投稿できますが、数年後にはユーチューバーの構成も大きく変わるでしょう。最近有名になったユーチューバーの不祥事も多くなっています。これからはある程度知名度を得たアイドルや芸人が参入します。世界的に知名度のあるハリウッド俳優やセレブも参入し、ユーチューブ市場を荒らすでしょう。
○AIユーチューバーが淘汰
・さらに人間に対抗するユーチューバーが出てきます。例えばバーチャル・ユーチューバーです。おっさんが演じ、それに美少女のバーチャル・キャラクターをCGで被せるのです(※微妙な表情がなくなり、楽しめるかな)。また人間だと制作に限界がありますが、人工知能だと疲れる事はありません。中世ヨーロッパ/SF未来都市などの仮想世界でイケメン/美少女などが登場する動画が頻繁に配信されるでしょう。
・整理すると、数年後にアイドル/芸人が参入する。10年以内に言語の壁がなくなり、グローバル・ユーチューバーが淘汰する。そして10年後にはAIユーチューバーが淘汰します。人類はAIに支配されますが、それは武力ではなく、面白さ/可愛らしさ/配信頻度によります。
○最新のコンテンツにしか興味がない
・映画・ドラマはどうなるか(※こちらは全く見ないので、苦手だな)。ネットフリックス/アマゾンなどは映像コンテンツをかき集め、かつオリジナル映像も作っています。2018年ネットフリックスは年80億ドルで、700本の映画・ドラマを作るそうです。2017年ディズニーも動画配信を始めました。しかし動画配信サービスを1社が独占する事はないでしょう。
・過去のコンテンツにも面白いものはありますが、私達は最新のコンテンツにしか興味がありません。スタジオジブリみたいに人気を保つコンテンツはありますが、私達は「最新」「今」にしか興味がありません(※詳しく解説しているが省略)。これが動画配信サービスを1社が独占できない理由です。
・ネットフリックス/アマゾンはコンテンツ制作に巨額を投じています。しかし10・20年後にユーザーが興味を持つコンテンツは今の映画・ドラマの延長ではないでしょう。動画配信サービスがゲームの様になるかもしれないし、ゲームが映画の様な仮想世界になるかもしれません。いずれにせよ10・20年後は「今」を提供できるかが重要になります。
第4章 アイドルは貴族に
○アイドル文化の変質
・「ユーチューバーはアイドル・芸人に荒らされる」と予測しましたが、アイドルはどうなるでしょうか。アイドル文化が確立したのは1970年代で、南沙織/キャンディーズなどが始まりです。おニャン子が登場し、モーニング娘/AKB48と大規模化します。今ではアイドル・芸人以外の芸能人は活躍の場がありません。
・アイドルに求めるものも大きく変わりました。2012年指原莉乃は恋愛スキャンダルをすっぱ抜かれ、HKT48に移籍します(※他のスキャンダルは省略)。これらの事件に「プロ意識に欠ける」「アイドルも普通の女の子」などの意見があります。私はアイドルにプロ意識は不要と思います。テレビが舞台のアイドルを作り上げる時代は終わったのです。
○アイドルと言うメタゲーム
・「清純を売りにしていたので詐欺だ」と訴える人がいるでしょう。トランプ・ゲームに「大富豪」があり、数の多いカードを出していきます。ところが同じ数のカードを4枚出すとカードの強さが逆転し、「革命」が起きます。アイドルの応援もルールはないのです。この様にルールを超えたゲームを「メタゲーム」と言います(※知らなかった)。
・これまではスターを目指す清純な若者を応援し、時間・お金を費やすゲームでした。ところが今は「アイドルは幻想で、それを裏切る事もあるが、それも含めて応援するゲーム」に変わったのです(※詳細省略)。
○象徴としてのアイドルは終わり
・2016年SMAPが解散します。SMAPで印象的だったのが、NHK紅白歌合戦のリハーサルです。リハーサルは私服で行なうのですが、SMAPは違いました。特にキムタクは格好良く、「ザ芸能人」でした。彼らは格好良く、「象徴」でした。
・解散の理由が話題になりましたが、「象徴」として捉えると、興味深い構造が見えてきます。「天皇」は日本の象徴とされます。私達はその扱い方を心得ています。政治・社会に対し不満があっても、天皇にぶつける事はありません(※詳細省略)。アイドルに対しても同様で、不満があると運営している芸能プロダクションに文句を言います。一方アイドルは運営側(芸能プロダクション)を批判しません。
・ところがSMAPの解散では、各自が自分の意志を示しました。こうした行動によりアイドルはカリスマ性を持った「スター」になります。(※AKB48のCD不法投棄事件の解説は省略)。アイドルが自分の意志で動き、スター性を取り戻そうとしています。
○アイドルは貴族になる
・10年後にアイドルはどうなっているのか。「中途半端な日本人ユーチューバーは生き残れない」と言いましたが、アイドルも同様で、生き残れるのは2種類だけです。1つは「世襲制アイドル」です。両親がスターだったり、世界的に有名なユーチューバーなどです(※ユーチューバーがアイドル?そんな人もいるか)。もう1つは「成り上がり型アイドル」です。例えば「プロ並みにピアノが上手い」「憲法・哲学に詳しい」「芥川賞・直木賞を取った」「科学的発見をした」「世界的スタートアップを興した」「テニスのトッププレイヤー」「超イケメン・美女」など、ある分野の第1人者です。彼らは「英国の貴族」みたいな存在です。
・冒頭で「今は戦国時代」としましたが、これは誰でもチャンスがある訳ではなく、武田信玄・織田信長の様に武家の名家でないと成功しません。ユーチューブでも「やっぱり!」と思える人しか生き残れません。これは新しい身分制です。※才能次第かな。
第5章 アマゾンが不動産に進出
○パラダイムシフト
・2015年アマゾンが注文した商品が1時間で届くサービス「アマゾンナウ」を始めます。当社の展開は凄まじく、地元の書店・商店街・スーパーが閉店しています。この流れは不可避です。歴史を遡ると、農業・産業革命などのパラダイムシフトが起きています(※詳細省略)。産業革命による大量生産でお金があればモノを買える様になり、社会は根本的に変わりました。
○安さと便利さには勝てない
・今はネットがパラダイムシフトを起こしています。(※映画『WAL-MART:The Hight Cost of Low Price』『カーズ』で社会の変化を解説しているが省略)。これはネットが悪い訳ではなく、私達は「安さ」「便利さ」に勝てないからです。これらの便利なサービスは「都会」の定義を変えます。「アマゾンナウの対象地域」が重要事項になるでしょう。
○特別の追求は無理に
・今地方創生による「街おこし」が盛んです。この多くは「オンリーワン」を目指していますが、皆が思う地方・田舎・ふるさとは「どこにでもあるけど、自分が生まれた街」です。付き合う彼氏・彼女も「特別にイケメン・美人」「特別に年収が多い」「特別に個性がある」「特別な何かを持っている」などのオンリーワンではなく、「平凡だけど、嫌いじゃない人」です。
・それではどの様に生きれば良いのか。それは「貧乏を受け入れ、『安い』『便利』以外の価値を探す」です(※「パラダイムシフトには逆らえない」と言っていたのに)。例えば江戸の庶民は貧乏なのに楽しく生きていました。近くで子供が生まれると出向いて歌を歌い、神様を描いた服を着て場を盛り上げれば、チップを貰えました。10年後は貧富の格差は広がります。貧乏でも「地縁」があれば豊かに暮らせます。
○書店は呉服屋で生き残る
・アマゾンが本のネット販売を始めた事で書店が潰れた。さらに定額制の書籍読み放題サービスを始めた。出版業界は著者がいて、出版社が本を作り、問屋が書店に本を流す構造になっている。この構造に捉われなければ、出版業界にも未来がある。例えば電子書籍をリアル店舗で売る。出版業界の規模は1.5兆円、コンビニ業界は11.4兆円ある。コンビニでコンテンツ入り電子書籍端末を売る(貸す)事も考えられる。コンビニはPBを充実させており、コンテンツも小説家/漫画家と交渉し、限定販売してはどうでしょうか。
・リアルの書店が生き残るヒントに「呉服店」があります。それは服も印刷コンテンツで、生地は柄を使い回しているからです。書籍も同様で初版は3~5千部しか刷りません。書籍もレアアイテム(限定品)なので「レアアイテム・ショップ」として販売すべきです(※イメージできないが、時計・宝石店みたいな感じかな)。
・書籍・雑誌の価格は出版社が決めますが(再販売価格維持制度)、これを書店が決めれる様にすべきです。村上春樹の新刊が直ぐ欲しい人は、定価2千円を2千500円で買うのです。あるいは常連さんにお勧めの本を持って営業するのです。※小売の自由化(価格、垣根など)は進んでいくかな。
○アマゾンが不動産取引を
・今後アマゾンはどんなビジネスをするでしょうか。1995年当社はインターネットでの本の販売が始まりです。これでニッチな本を売り成功します。多品種少量販売で、いわゆる「ロングテール」です。最近は電子書籍・音楽・ビデオなどのデジタル・コンテンツに力を入れています。これも多品種少量販売が可能です。
・種類が豊富で需要が少数なモノに「不動産」があります。これは究極の多品種少量販売です。日本の不動産産業は不透明で、全て仲介業者を経なければいけません。しかも情報がオープンになっていません(※最近は物件情報を共有するサイトがある)。不動産業は免許制で、自由競争が起き難いのです。今は様々な規制が緩和されています。アマゾンはこんな業界を攻撃するのが得意です。
・今だと業者が設定した価格を鵜呑みにするしかありません。ところがアマゾンが不動産取引に進出したとすると、「アマゾンレビュー」を見れば良いのです。その物件に住んでいた人のレビューを見たり、そのレビュアーが過去に住んでいた物件の情報も分かります。これにより価格は実勢価格になるでしょう。またレビュアーの情報も分かるため、「月曜日にゴミを出す」「うるさい音を出さない」「友達がうるさい」なども知れてしまいます(※知らんけど、そうなんだ)。これにより不動産取引も活発になるでしょう。
・経済を活性化するには、流通をスムーズにするのが一番です(※規制緩和かな)。アリババは決済プラットフォーム「芝麻信用」を持っています。ここで支払い状況/学歴/職歴/資産などの個人情報から信用スコアを算出し、サービスの内容を変えています。自分の信用・評価が可視化されるのに抵抗があるでしょうが、努力して評価を上げ、その恩恵が受けられる「評価経済社会」の方が生き易いはずです。
第6章 バーチャルとリアルの恋愛の境界
○画面から飛び出す美少女・イケメン
・10年後には私達の一部は画面から飛び出す美少女・イケメンと恋するでしょう。そう考える様になったのは「非モテ相談オフ会」が切っ掛けです。その8割の人が「魅力的でない人と付き合うのはお金・時間の無駄」「彼氏・彼女は欲しいけど、恋愛はコスパが悪い」と言います。イケてる人と付き合うの一部で、それ以外の人は付き合いません。それはネットには美少女・イケメンがいるからです。
・この状況は、恋愛がバーチャル化されていないからです。例えば旅行なら、バックパックを担いで世界を回る人、ツアー旅行が好きな人、旅行番組・写真集を見るのが好きな人、冒険記を読むのが好きな人など様々です。ところが恋愛は「リアルで彼氏・彼女と付き合う」「架空の恋愛話を楽しむ」の二択です。ところが画面から美少女が飛び出してくれば、恋愛も多様化します。
○情報量が多いのがリアルではない
・私達は「情報量が多いほどリアル」と思っています。テレビの解像度などがそうです。ところがロボットを人間に近付けると、「気持ち悪い」となります。あるいはバーチャル・リアリティ(VR)でも、高解像度で30フレーム/秒より低解像度で120フレーム/秒の方が快適です。それは人間が焦点部分だけを重点的に見ていて、それ以外の部分は補完しているからです。
○文化はリアルからの逃避
・「現実から逃れ、2次元・仮想現実に逃げるのは不適格者」と批判する人がいるでしょう。今私達はその境界にいます。リアルにしか興味がない人もいれば、仮想現実にどっぷり浸かった人もいれば、その中間もいます。
・私は「文化はリアルからの逃避で、洒落化・相対化」と考えています。例えば「食事」は、三つ星レストランがあれば、カロリーメイトやコンビニのおにぎりもあります。グルメ番組を見ながらポテチを食べても現実からの逃避ではありません(※「文化はリアルからの逃避」と言っていたので、これは文化でないって事?)。アニメ作家の宮崎駿は作品のビデオパッケージ化に反対しました。それは子供には家でビデオを見るのではなく、野山(現実)で遊んで欲しかったからです。優れた文化ほど、「リアルからの逃避、洒落化・相対化」を進めます。
・「ファッション」も同様です。ユニクロは温熱繊維を使った薄物で「暖かそう」なイメージを広告にしていました。ところが実際は、ふわふわした「暖かそう」な商品をラインナップしています。リアルに暖かいを離れ、「暖かそうな見た目」を楽しむ文化です。これが「リアルからの逃避と洒落化」です。※見た目は暖かそうだが、実際は寒い。これが文化かな。やせ我慢かな。見た目が悪くても、快適な方が良いが。
・「庭園」も同様です。英国式は季節毎の植物を植え、植物園みたいです。仏国式は幾何学的になります(※ゴシック様式かな)。日本式は漢詩的で、橋を架けたり、遠くの木を小さくして遠近感を持たせたりします。いずれも自然からの逃避で、洒落化です。
・だから2次元に逃げるのは恋愛不能者ではありません(※仮想が存在するのは当然って事か)。多くの人は「付き合っている人はイケメン・美女でない」「彼氏・彼女の相手は面倒」「彼氏・彼女と付き合うと時間・お金が掛かる」と思っています。つまり「リアルの恋愛はダサく、不便で、不経済」なのです。そのためリアルの恋愛の必要性は低く、「リアルからの逃避と洒落化」が行われます。
○リアルは雑音が多い
・先述のトークバラエティー番組『ねほりんぱほりん』で「2次元しか本気で愛せない女たち」(アニメに嵌る女性)の回がありました。そこに「アニメには毛が生えていないのに、彼には生えていたので嫌になった」女性がいました。要は「リアルは不要な雑音が多い」のです。最近「インスタ映え」が流行っています。これも大事なのは見た目で、実際の味ではありません。生クリームが載ったパンケーキがよくアップされますが、これは美味しくないです(※詳細省略)。戦後はモノ・カネのリアルに価値がありましたが、変わったのです。
○リア充もオタクもバーチャルを楽しむ
・かつてはお見合いが一般的でしたが、今は自由恋愛が主流です。イケメン・美人だと選択肢は増えます。しかし相手に100%満足する事はなく、リアルは雑音が多いからです(※詳細省略)。見た目が特別でない人は恋愛市場にも参加できません。そこでリア充を目指す人はパーティを開いて騒ぐのです。
・リア充と非モテは対立概念に思えますが、同じものです。リア充を目指す人(※リア充?)は「気分だけでもキラキラを味わいたい」からです。彼らはキラキラした気分を「洒落」として味わっているだけです。パーティでは必要以上にはしゃぎますが、終わると電車に乗って帰ります。※ネット用語に全く詳しくないが、リア充も非モテもリアル(現実)が充実していない人かな。
・2次元やバーチャルの恋愛もこれと同じで、リア充/非モテ/オタクに違いはありません。
○恋愛はノスタルジーの対象
・リアルとバーチャルの恋愛の境界は凄い速さでなくなっています。バーチャルな恋愛が当たり前になると、どうなるでしょうか。2007年頃から自動車離れ/アルコール離れ/恋愛離れなどの「若者の~離れ」が目立っています。若者のクリスマスに関するツイートは減り、しかもネガティブになっています(※「クリぼっち」とかあるな)。一方ハロウィンに関しては増えています。2016年ハロウィンの市場規模が初めてバレンタインを上回りました。恋愛色が強いクリスマス/バレンタインから仲間意識が強いハロウィンに関心が移っているのです。
・漫画『ワンピース』は仲間を前面に出しています。一方アニメ映画『君の名は。』/テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』は恋愛モノです。私は「恋愛はノスタルジーの対象になった」と考えます。それは「エンターテインメントは過去の価値観をノスタルジックに持ち上げる」からです。1960年代後半『巨人の星』がヒットしました。ところが当時の社会は「スポ根」の世界ではなく、「受験戦争」の言葉もありました。『巨人の星』は過去の価値観・美徳を賞賛したからヒットしたのです(※過去の価値観の方が作りやすいし、受け入れやすいかな)。※『ドラえもん』についても解説しているが省略。
○オタクは2次元嫁の夢を見るか
・価値観の変化を考える参考になる作品が2つある。フィリップス・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(1968年)と、それを映画化したリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(1982年)だ。前者は1992年のサンフランシスコが舞台で、地球は核戦争で大半の動物が死滅し、人類の多くも宇宙に移民した。主人公は人間になりすましたアンドロイドを殺すのが仕事だが、既にアンドロイドは狩り尽くされていた。彼は家で「電気羊」を飼っていたが、賞金を得て生きた羊を飼いたいと願っていた。そんな時アンドロイド「ネクサス6」が現れる。
・後者にもレプリカント(=アンドロイド)「ネクサス6」が現れますが、大きく変化します。前者は「アンドロイドに感情はなく、殺してもかまわない。しかし殺した人は人間性を失ってしまう」との主張でした(※猫の虐待で解説しているが省略。猫の虐待も犯罪だが)。ところが後者はレプリカントを人間的な存在として描いたため、ディックは激怒します。
・ディックは自由主義者/左翼の作家で、「人間性の喪失」をテーマにしました(※自由主義者で左翼?)。一方スコットは保守主義者で、共産主義を嫌い、「権力が人間性を奪う」とは考えません。スコットはこのアンドロイド/レプリカントの変化を強く意識した訳ではなく、「イエスが全ての罪を背負って十字架に架かり、人類は許された」(※贖罪かな)が意識にあったのでしょう(※宗教観が根底にある映画は多いと思う)。実際後者ではレプリカントの製作者とレプリカントは親子関係です。またラスト近くで、レプリカントは自分の手の平に釘を打ち、これはスティグマ(聖痕)のメタファーです。すなわちレプリカントの死は「人間が許されるための儀式」だったのです。
※本項は価値観の変化と言うより、逆に価値観が変化しない事(原点である宗教への回帰)を示している気がする。
○神になるの究極の趣味
・スコットはSF映画『2001年宇宙の旅』(1968年)の影響を強く受けています。この映画は宇宙人がヒトザルにモノリスを与え、そのヒトザルが他のヒトザルを殺します。すなわち「神がヒトに知恵を与え、そのヒトは知恵を殺すために使った」のです(※究極が核かな)。時は流れ、月面で木星に信号を発信しているモノリスが発見され、人類が木星に向かう事になります。その宇宙船で搭乗員と人工知能HAL9000が戦い、搭乗員が勝つのです。この映画は「神が人間を創り、人間は人工知能を創り、非創造物同士が戦い(※非創造物?)、勝った方が呪いを受け追放され(※木星へ行く事?)、次のステージに進む」構造になっています。
・キリスト教の旧約聖書に「死ぬ事もできず、生まれる事もできない存在」として「カイン」が登場します。旧約聖書でカインは弟アペルを殺し、人類最初の殺人者になります。そして神に嘘を付き、永遠に彷徨う存在になります。
・なぜ彼はこれをテーマに作品を作り続けているのか。それは彼が英国貴族だからです。私は貴族文化を研究している人から「世界の貴族は最終的に1つの趣味に行き着く」と聞きます。それは「生命創造」です。例えばバラ栽培は「神の真似事」なのです。彼らは血筋に強い関心があり、そのため馬や犬を掛け合わせたり、綺麗なバラを咲かせたりします(※血統だな)。
・今の私達は昔の貴族以上の生活をしています。美味しいものを食べ、高機能の服を着て、迫力のある映像を見ています。生き物の品種改良は膨大な費用と時間が必要ですが、今はデジタル技術で誰もがバーチャルな生命を創れます。
○バーチャル・キャラクターが自律的に行動する
・上記両作品は私達の価値観の変化を表しています。例えばアニメを愛する人は「これはただの絵、ただの紙、ただのデータ、ただのプラスチック」と分かっていますが、「これを雑に扱うと、自分の魂が汚れる」と思っています。この様にバーチャル・キャラクターに親しむ時代になると、非人間的な存在を人間的に扱う様になるのです。
・今の2Dアニメーションは原画マンと動画マンが分担していますが、動画マンの仕事はAIに代替されるでしょう。次の時代はシチュエーションやキャラクターを設定すると、キャラクターが自律的に行動する様になります。彼らは自我を持ち、世界の矛盾に気付き、「なぜ私達は戦い、苦しまなければいけないのか」と感じる様になり、作品から逃亡するでしょう。今でも自動的に投稿するボットが存在し、フェイスブックは架空のアカウントを削除しています。『ブレードランナー』にあった様に、バーチャル・キャラクターを削除する仕事も生まれるでしょう(※この仕事もAIがするかな)。
・テクノロジーが発達すると自我を持つ非人間を誰もが作れる様になり、誰もが神になります。そして非業の死を遂げるキャラクターから「赦される」事に安らぎを感じる様になります。※ペットの死に近いかな。
○子供を作らないと損
・10年後リアルな恋愛はノスタルジーになり、一部の人しかしなくなります。価値観も変化し、「結婚しなくて良い」「イケメンを養うか」など多様化します。このカオス(過渡期)が30~40年続きます。2017年北國新聞の記事から炎上が起きます。財務省の予算編成の意見交換会で、「子育てすると生活水準が下がる。独身者に負担して欲しい」との発言から、「独身税」が話題になったのです(※独身税に対する様々な意見は省略)。世界大戦後共産圏で導入されましたが、出生率は上がっていません。日本の合計特殊出生率は1.44で、人口維持には2.07必要です。独身税だけでは無理でしょう(※詳細省略)。
○資産としての育児、趣味としての育児
・結婚・育児は、「趣味としての育児」「資産としての育児」に二極化します。前者だと「習い事・塾に通わせよう」「イジメのない学校に通わせよう」「海外留学させよう」などとなり、教育コストが青天井にになります。ただしこれはお金に余裕のある人に限られます。
・後者の話をします。『生活保護の謎』(武田知弘)に「子供2人の夫婦が生活保護を受けると、支給額が月30万円になり、社会保険料も払わなくて良い」とあります。この事実に気付くと、多くの人がフリーライダーになるでしょう。最近「ベーシックインカム」が注目されます。日本だと抜本的な改革が必要のため、「搾れる人から搾って、今までの仕組みを維持しよう」となります。「子供をたくさん産んで、働かない方が得」となり、生活保護者が増えると、生活保護への抵抗はなくなります。政府は出生率を下げたくないため、妊娠した女性に月10万円などの「シングルマザー優遇」を始めるかもしれません。
第7章 AIロボットが家族に
○空飛ぶ車が家に
・「空飛ぶ車」の実用化は目前です。ドバイでは「空飛ぶタクシー」の試験サービスが始まっています。高精度のセンサーやAI技術の進化で姿勢制御が自動でできる様になり、大型化し人を乗せられる様になりました。エアバスの「Pop.Up」はドローンとEVが合体・分離します(※詳細省略)。これを見てガンダムを連想しました。ガンダムは攻撃システムの上半身(Aパーツ)と移動システムの下半身(Bパーツ)からなります。
・住宅のコンセプトも変わるでしょう。私だと乗員用カプセルは「ノーマル」「耐圧」「スペース」の3モデルを用意します。「ノーマル」は最低限の換気システムを備えたモデルです。「耐圧」は水深100mまで耐えるモデルです。「スペース」は気圧ゼロに耐えられ、宇宙線を遮断できる仕組みになっています。内装の違いで、エコノミー/デラックスなどのタイプを設けます。※合体する移動システムは大規模になりそうだな。
・私達は電車・自動車などで移動しますが、なぜ移動するのでしょうか。最近まで固定電話が常識でしたが、今は携帯電話があれば十分です。カプセル1つだけだと狭いので、和室や風呂などのカプセルと合体できれば良いのです。キャンピングカーで暮らしている人もいます(※詳細省略)。住所は不要になり、ネットのアドレスだけで良いのです(※ノマド社会だな)。
・今の生活は無駄だらけです。仕事・遊びで家を空けているのに、家賃を払っています(※自家用車を使うのは一時で、大半は車庫で眠っている)。宅配を受け取るために在宅しなければいけません。すれ違った人・機械から受け取れば良いのです(※面白い発想。運送会社が不要だな)。
・生活の概念も変わります。大昔は各自が野生動物を狩っていました。その内食料を物々交換で入手できる様になり、料理もやらなくて良くなりました。衣服もかつては各自が縫っていましたが、今はネット通販で買う事もできます(※スタートトゥデイの「ZOZOSUIT」を紹介しているが省略)。これらの変化の根本には「煩わしさから逃れたい」「面白い事を体験したい」などの本能があるからです。
○調理ロボット
・生物を機械仕掛けで再現する試みは昔からありました。18世紀欧州で「からくり人形」ブームがあり、仏国人のジャック・ド・ヴォーカンソンがが貴族に雇われ、笛吹人形/消化するアヒルなどを作っています(※詳細省略。日本のからくり人形も優秀かな)。1818年メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』には死体を繋いだ人造人間が登場します。1886年ヴィリエ・ド・リラダンのSF小説『未来のイヴ』にも人造人間が登場します(※詳細省略)。
・1950年代ゼネラルエレクトリックが「Yes-man」「Beetle」を開発します。これらは人間の動きをトレースするマニピュレータを持つロボットです(※詳細省略)。1970年代になると日本でロボット開発が盛んになります。早稲田大学は二足歩行する「WABOT-1」を開発します。1980年代自動車工場で使われる産業ロボットを開発します。1996年ホンダは「P2」、2000年「ASIMO」を開発します。1999年ソニーは「AIBO」を開発します。2000年代アイロボット社の「ルンバ」がヒットします。
・2014年ソフトバンクが人型ロボット「ペッパー」を開発します(※ペッパーのけん玉の学習能力を解説しているが省略)。ペッパーのレンタル料は月数万円で、時給にすると数十円です。単純な作業しかできませんが、文句も言わず、働き続けてくれます。新興国は安い労働力が売りでしたが、ロボットに置き換わるでしょう。これまではプログラムされた動きしかできませんでしたが、機械学習技術の発達で試行錯誤できる様になりました(※餃子作りを解説しているが省略)。英国のMoley Robotics社は2千種類のレシピを調理するロボットを開発しました。実用的な調理ロボットが開発されれば、世界中で使われるでしょう(※大変詳しく解説しているが省略。)。
○AIロボットがいれば、家族・友達はいらない
・ロボットが家庭に入ると、家族の在り方も変わるでしょう。「自我を持つ人工知能は30年は登場しない」と書きましたが、会話したり、家族と感じるロボットなら、そこまで高度でなくて良い。お笑い人工知能「大喜利β」が提供されています。2016年「大喜利β」と若手芸人が対決し、「大喜利β」が5対3で勝ちました(※大変詳しく解説しているが省略)。
・人工知能はプログラムなので、パソコン/スマホに入れる事もできます。また24時間何時でも相手になってくれます。家族だと人間関係が関わってきます(※最近はAIを相談相手にする人が多いらしい)。その内人工知能のキャラ付けも可能になるでしょう。
・社会が劇的に変化すると、価値観も劇的に変化します。2007年アイフォンが発表され、私達の生活は一変しました。人工知能が日常に入り込むと、それまでの生活は未開人の暮らしに感じられるでしょう。昭和時代、服は「仕立てる」ものでした。その文化は消滅しました(※詳細省略)。最初の調理ロボットはお粗末でしょうが、その内家庭でご飯を作らなくなるでしょう(※詳細省略)。
第8章 人工知能が政治を変える
○キャラで政治家が選ばれる
・2016年トランプが大統領選で勝利する。メディアや政治評論家はヒラリーを予想していたが、私は彼が勝つと思っていました。政治の専門家なら予測するのは難しくないはずですが、近年は外す事が多くなっています。それは枠組みが変わったからです。プーチンは「世界が破滅しようが、核で反撃する」、ドゥテルテは「腐敗した官僚・警察は皆殺しにする」と発言したが、彼らは高い支持を得ています。支持者がバカなのではなく、各人間の頭の8割がバカなのです。
・多くの国が民主制で、有能・誠実な政治家を選ぼうとしています。しかし現代社会は複雑です。「不平等はどこまで容認できるか」「移民から自分達を守れるか」「安楽死は認めるべきか」「原発は推進すべきか」、これらの課題から1つの答えを出すのは困難です。ちゃんとした政治家は大企業にも有権者にも良い顔をします。そんな中で「悪いのはこいつだ」と発言すれば、キャラが立ちます(※ポピュリズムだな)。人気者になり、支持を集めれば、有り得ない権力を行使できます。アニメ業界も同様になっています(※声優で解説)。
・これを可能にしているのがネットで、その象徴が「ポスト・トゥルース」です。トランプは「ファクトはない、オピニオンがあるだけ」と言いました。あるのは「意見の相違」だけです。偽情報を流すのは簡単です。しかしそれを検証するのは莫大な時間が必要です。人間は感情的でもあり、ファクトチェックは容易でありません。結局はっきりものを言い、決断力があるキャラが立つ政治家を選ぶのです。
○ルール主義とキャラクター主義
・この「キャラクター主義」は昔からありました。朴槿恵は弾劾訴追されたが、これは国会が世論に配慮したからとされます。「法治国家ならルールに従って当然」と思われるかもしれませんが、そうでしょうか。古代中国には徳治主義と法治主義がありました。前者は人徳のある為政者が国家を治めるキャラクター主義で、後者は法律に従って治めるルール主義です。人間社会はこれを繰り返しています。成熟し安定するとルール主義になり、枠組みが崩れるとキャラクター主義になるのです。※面白い発想だ。今は混乱期に突入し、キャラクター主義に移行しているのかな。
○金持ちが国を作り始めた
・今後は強い主張を持った者が国を作ります。例えば米ジョージア州のサンディ・スプリングスです。元はフルトン郡だったのですが、2005年富裕層だけで独立します。市の業務を合理化・外部委託し、職員は9人しかいません(※他にエジプト/シリコンバレー/ロシアの話を紹介しているが省略)。既存の国家は規制だらけです。不老長寿の実験でヒトのクローンを作ろうとしてもできません。それなら独立して国を作れば良いのです(※実際は様々な条件があるかな)。
○政治家の資質
・共同体が大規模になると、サービスにタダ乗りする人が出てきます。『スター・ウォーズに学ぶ「国家・正義・民主主義」』と言う本があり、私は政治の役割を以下の5つとしました。
①正義・・メンバーが共同体を正しいと認識する。
②分配・・税金で施設・教育を行う。ゴミ処理場・兵役などの不利益の分配も含む。
③救済・・上手くやっていけない人のフォロー。
④保障・・メンバーを理不尽から守る。災害対策・外交など。
⑤祭祀・・本来の政(まつりごと)。スポーツ大会・選挙など。
・これらを上手くできる政治家が「良い政治家」です。そのためにはどんな資質(ライトスタッフ)が必要なのか。少し前首長選が行なわれ、女性候補者は「初の女性市長候補」とアピールしてました。しかし私にはピンと来なかった。そもそも「良い市長」とは何なのか。配達員なら配達員の、アイドルならアイドルに特異な資質があります。応援演説で「この人は優秀」「この人は良い人」「この人は正義感が強い」などと言っていました。私達は政治家に必要な資質を理解していないのです。そのため「初の××」「××を許すな」「混迷の時代に頼れる人」などがキャッチフレーズになっているのです。※漠然としたものはある気がするが。
○人工知能が量刑を決める
・2017年『NHKスペシャル 人工知能 天使か悪魔か』が放映された。米カリフォルニア州の裁判所は人工知能に裁判記録を学習させ、量刑を予測させていた。これにより、再犯率が10%低減された。また『AIに聞いてみた どうすんのよ⁉ニッポン』では、「どの数値が変わると、どの数値が影響するか」を人工知能に学習させていた。そして出て来た提言が「40代一人暮らしを減らすと、日本が良くなる」だった。しかしこれで炎上が起きた。AとBに相関関係が有った時、これを因果関係なのか疑似相関なのかを人工知能に判断させるのは難しい。それでも政策立案/量刑判断などで人工知能を導入すべきと思う。私達は有能・正義感・良い人などで政治家を選んでいる。それより人工知能に政治を任せた方がマシだと思う。
○監視カメラ社会はディストピアか
・1970・80年代はコンピュータが支配する社会をディストピアとして描いていました。しかし私はそう考えていません。監視カメラもあらゆる場所に設置すべきだ。人間関係を図式化したソシオグラムもどんどん活用すべきだ。監視カメラを嫌だと思うのは、「人に見られている」と思うからで、「人工知能が観察している」なら気にしなくて良い。中国はこの点で進んでいる(※詳細省略。先述の「芝麻信用」の解説も省略)。
○人間政治家が必要な理由
・民主制には選挙があり、人工知能に投票できません。なので「人工知能の判断に従う」と公約する政治家に投票する事になります。私は人工知能に政治を委ねる政党「AI党」を妄想します。政治家はキャラが最重要です。例えば「人工知能が川が決壊する確率がXX%としたので、非難して下さい」と政治家が決断し、決壊しなければ政治家が謝る事になります。
○あなたはどの国を選ぶ
・政治人口知能に抵抗する人もいるでしょうが、そんな事は言えなくなります。少子高齢化で地方議会/役所を維持できなくなるからです。人工知能を活用する自治体もあれば活用しない自治体もあるでしょう。A社とB社で人工知能の販売競争が起きるかもしれません。その結果上手くいく自治体とそうでない自治体が現れるでしょう(※詳細省略)。
・国レベルでも人工知能の導入が進み、発展する国とそうでない国が現れるでしょう。エストニアは政府の電子化を進めています(※詳細省略)。日本はアニメなどのサブカルチャーで存在感があります。そこで「初音ミク」を初代大統領にして、前面に押し出せば良いでしょう。要は「人間はどうあるべきか」「政治家・官僚の正しい資質は」などを議論しても意味はありません。世界は戦国時代になり、「あるべき論」などを議論する時代ではありません。どの国を選ぶか、あるいは国を作るか、それを決めるのはあなたです。※何か妄想的になった。
終章 未来の幸福論
○生き残るための仕事
・私の未来予測はどうだったでしょうか。終章では「残る仕事」ではなく、「生き残るための仕事の見つけ方」を説明します。それは「上手くやっている人の役に立つ」「上手くやっている人の機嫌を取る」です(※寄らば大樹だな)。子供の憧れの職業にユーチューバーがありますが、これで生き残れるのは僅かです(※ゴールドラッシュで説明しているが省略)。上手くやっている人に近付くのが最善です。探すのは「仕事」ではなく「人」です。年功序列・終身雇用は崩壊したのです。
・人気のユーチューバーは狙い目です。例えばあなたがコンビニのお菓子に詳しいなら、その人の役に立つかもしれません。役に立つスキルがないなら、愛想良くしてその人のストレスを減らすのです。上手くやっている人なら、無駄な人材でも身近に置いてくれます。
○幸せを諦めるのが、幸せへの道
・自己啓発書でよくマズローの「欲求5段階説」を紹介しています。これは欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」の5段階とします(※詳細省略)。しかし私は自己実現を目指すのは幸せにならないと思います。今は「乱世」です。1つの仕事で死ぬまで食えないでしょう。大企業もあっさり倒産します(※よく言われるが、本当にそうかな)。「会社を首になったが、次の仕事が見つかった」「子供を高校に通わせた」、そんな苦労を乗り越えるのが「幸福」です。自己実現を目指すと、不幸のままです。目の前の人に認められるだけで最高です。※実際今の社会はそうなっているかな。
○面白がった者勝ち
・私は今の世の中が面白くてたまりません。だって子供の憧れがユーチューバーですよ。かつての乱世は命が掛かっていましたが、今は何とか食っていけます。しかも今はネット配信でも、漫画でも、敷居が低いので何でもできます。しかし成功するのは簡単ではない。だから成功者にくっ付けば良いのです。最低限の生活は保障されているので、面白がった者勝ちです。